2010/5/19
この時期、公私ともに忙しくてなかなかゆっくり吟行にも行けない。
寝る前に少し本を読む時間を確保するのみ。春らしくなってくると、なぜか漢詩が読みたくなる。
江亭 杜甫
坦腹す江亭の暖かなるに
長吟 野望の時
水流れて心は競わず
雲在って意は倶に遅し
寂々として春将に晩れんとし
欣々として物自ら私す
故林 帰ること未だ得ず
悶を排して強いて詩を裁す
正確には漢詩ではなく、漢詩から生まれた読み下し文の響きが好きなのかもしれない。
「水流れて心は競わず 雲在って意は倶に遅し」なんていいなあ。忙しくてもせめて心の中はこんな心持ちでいたい。
ネタバレをすると、今日の句は李白の詩句
孤帆 遠影 碧空に尽き
唯見る 長江の天際に流るるを
から作ったもの。原句の余情には及ぶべくもない。

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