2011/8/31
かねてから、句日記を続けるのは苦痛だが、かと言って、辞めると互いの消息がわからなくなるし、休むとみんなに心配をかけるし・・・たまには俳句なしで文章だけなら、気が楽なのだが・・・という声がある。俳句休暇制度などはどうか?という案もあるが、そこは真面目な俳人のこととて、誰も本当に休暇を取ろうとしない。しかし、そろそろ休暇制度を導入してはどうだろう?そうすれば、かをりちゃんも復活できるだろうし、もう少しみんな気楽にやっていけるのではないだろうか。
というわけで、今日は休暇第1号を取ってみました!
縁があって知り合いになった若き歌人、柳澤美晴さんの第一歌集『一匙の海』から少し短歌をご紹介します。俳句脳が休まり、いつもと違う脳の部分が刺激されます!
バラ線にからむ昼顔かなしみを打ち明けられる友の少なさ
さみしくてならない時にしんみりと垂れ下がるような長き耳欲し
明け方に穂村弘の亜流来てぬたぬた冷めたうどんをすする
では、きっと棺を満たす花だろう三十一文字が求めるものは
三郎と眼鏡に名づけ三郎と語る少女が終電におり
理学書の栞代わりにされているおととしのわたしからの手紙は
かさぶたを剥がしてごらん うすべにの肉を透かして皮膚は息づく
歩きつつ本を読む癖電柱にやさしく避けられながら街ゆく
ひかり嗅ぐようにちいさくひらきてはちいさく萎むみどりごの鼻
一滴のまだしたたらぬ詩のために傷口はきよく保たれてあれ
前略と書きだす手紙 略すのは主に恋愛のことです父よ

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