2010/3/3

ゆうばりファンタ2010_2/27 vol.1  ゆうばりファンタ
明けて27日午前11:00。

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今日の夜の「ドグちゃん」舞台挨拶のために東京へ帰る井口西村組。
お疲れさまでした・・っていうか、お疲れさま!

さあ、今日から真面目に映画見るぞー!!
・・・って叫んでるワケじゃないですが↓

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まずは、「制作費7,000円」というフレコミで話題になっていたイギリス製インデペンデント・ゾンビ映画「コリン」。「制作費7,000円」っていうのは、要するに、監督のマーク・プライスにみんなが完全にタダで協力してくれたっていう事で、実際に見てみると、どう考えても500万円以上はかかって見えるんだけどねw。

ゾンビ映画は数あれど、ゾンビに噛まれてどんどん人間の感情を失っていき、最後は完全なゾンビになってしまう主人公を淡々と追い続ける、いわば「ゾンビ主観映画」とでもいうべき作品は他になく、そのユニークさにおいてまず圧倒的に面白い。主人公のコリンを演じる役者も素晴らしく、「ゾンビになる」という「緩慢な死」の恐怖と切なさを本当に見事に演じていて、実はこれ、アカデミー賞モノの演技なんではないかとすら思う。完全に手弁当の特殊メイクもいい雰囲気だし、編集も見事。音の演出の見事さにも感動させられた。残念ながら、このレベルの「音の使い方」(音楽も含め)が出来る日本の監督は若手、ベテラン含め殆どいないと思う。本当に巧い。大いに学ぶべき。トータル的に、決して大袈裟な言い方ではなく、福田が今まで見てきたあらゆる「ゾンビ映画」の中でも屈指に怖く、そして悲しい秀作。見る機会はないかも知れないが、もしあったら必見。

☆☆☆★★★

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次は、深作健太監督の「クロネズミ」。彼の作品は数年前の「エクスクロス」がかなり面白かったので今回も期待して見た・・のだが、残念ながらこれはダメ。とにかくシナリオが酷い。要するに復讐譚なのだが、まず、基本的に、復讐に至る状況設定、動機付けが脆弱すぎる。単に福田がオッサンすぎて、この映画で描かれている「友達同士の愛憎」がユルユルすぎて話にならねえ、と感じているのかもしれないが、まあそれはそれ。もしこんな脆弱な「物語」に少しでも共感する「ワカモノ」がいるのだとしたら、残念ながら根本的に間違ってねーかお前、と延々説教してやろうw。
インデペンデント映画ではないから、逆に、予算、撮影日程の制約がそれはそれはキツかったと思うし、それにしては映像も演出もがんばっているのだが、肝心のお話がこれじゃあどうしようもない。「コリン」を見た直後だったこともあり、とてもとてもガッカリ。深作健太、がんばれ〜!!

☆☆★★★

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お次はピーター・ジャクソンプロデュースのSF大作「第9地区」。実はこの映画、造形の清水くんがけっこう早いタイミングで見ていて、「福田さん、あんまり期待しないほうがいいですよ」と言っていたのと、なんか「社会派SF」とかいうイヤーな感じのくくりで紹介されていたりもして、けっこうテンション低く見始めたんですが・・・・清水くん、俺、これ、すっげぇぇぇ面白かったよw。特に、後半の怒涛のBムービー的展開。めっちゃ盛り上がって会場でも拍手起こりまくり。やっぱこの映画、劇場で見ないと(^-^)/

というわけで、なんだかんだ言って、これ、今回見た中では全く文句なしの大快作。
何十万人ものエイリアンが突如「難民」として南アフリカ共和国のヨハネスブルクにやってきてから20年。仕方なく彼らを受け入れたものの、増え続ける「エイリアン犯罪」に業を煮やした人類は、彼らをもっと僻地の難民キャンプに押し込もうとする。その大規模な「居住区移転」作業の責任者に抜擢された主人公が、思いもよらない事態に巻き込まれる、というシンプル極まりないお話なのだが、とにかく、この主人公の凡庸さ、善人さ、エゴイストぶり、グズグズぶりがほんとうによく描けている。少なくとも、シュワちゃんやスタローンなどのマッチョヒーローが登場してきてしまった以降のアメリカ映画ではついぞ見たことのない主人公で、70年代だったら多分ダスティン・ホフマンが演じたに違いないタイプの本当に「情けない男」なのだ。マークの説によれば、この映画、ピータージャクソンがPなので、CG担当のWETA(「ロード・オブ・ザ・リング」「キングコング」などを担当したニュージーランドのCGプロダクション)が物凄い値引きでCGを作ってくれているはず、との事だが、とにかく見た目はバジェット100億でしょ、という雰囲気のCG、VFXをバックに、このカッコ悪い男が孤軍奮闘する様が実に泣ける。久々に、すごく素直に感動してしまった。この作品もアカデミー賞候補になっているのだが、油断しているとビックリするくらいのスプラッタ描写もあり、作品賞なんか絶対に取りっこないのでw、安心してお奨めしておく。必見です。

☆☆☆☆

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ストーブパーティを途中で抜け出して見たのが、この「ムカデ人間 第一シーケンス」
今回のゆうばりファンタの白眉、とひそかに(なんでひそかなのか、については、
この映画を紹介していく途中でわかると思うw)話題になっていたホラー。

かつて世界的な「シャム双生児分離手術の権威」だったドイツ人医師が、ツーリストをさらって来て「複数の人間を医学的に合体させた人間」=「ムカデ人間」を作ろうとする(と言うか、実際に作り出してしまう)という映画なのだが、とにかくその「ムカデ人間」の構想が狂っている。まず、複数の人間のヒザの靭帯を切断して、立ち上がれないようにする。次に「先頭」の人間の肛門周辺のヒフを切り取る。次に、「二番目」の人間の口周辺の皮を切って捲って、「先頭」の人間の肛門周辺に縫い付ける。次に「二番目」の人間の肛門周辺のヒフを切り取って、同じように「三番目」の人間と結合する。こうすると、先頭の人間の「口」と三番目の人間の「肛門」が一本につながった「ムカデ人間」が完成する。
この狂ったアイディアを思いついたとき、トム・シックス監督は、有名な外科医にこのアイディアが医学的に正しいかどうか、実際に外科手術として成立するかどうか聞きに行ったらしい。当然、最初はただの変態だと思われたそうだが(あたりまえ)、最終的には医者も面白がり、この手術は100%可能である、という太鼓判を押してくれたとのことw。かくして、この奇想に基づいて、世にも稀な「キチガイ博士ホラー」が完成した、というわけ。この映画、スプラッタシーンやゴアシーンは殆どないのだが、このキチガイ博士を演じるドイツ人俳優があまりにも素晴らしく怖く、実際、この映画で「先頭」を演じた北村昭博くんという日本人俳優は、このキチガイ博士の演技のあまりのコワさに、撮影中何度かマジ泣きしたそうだ(ほんとう)。だが、この作品が優れているのは、単にこの映画が「素晴らしい演技者に恵まれた優れてコワいホラー映画」であるから、というだけでは全くなく、このキチガイ博士が作り出した「ムカデ人間」がどうしようもなく絶望的であると同時にとてつもなく滑稽な存在であり、その存在が体現する「事態の割り切れなさ そのもの」「抗いようのない運命 そのもの」が観客の感性を直撃するからだ。ここまで超ブラックなコメディホラーは見たことがない。「こんな傑作は10年に一度あるかないか」とプログラミングディレクターの塩田氏もパンフレットに書いている。賛成。「第二シーケンス」の制作が今年5月からスタートするそうで、どんな狂った展開になるのか今から楽しみw

☆☆☆☆

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上映前の舞台挨拶。左から二人目が「先頭」役の北村昭博くん。右隣がプロデューサーのイリナ・シックス(監督の姉)。その右隣が監督のトム・シックス。とても明るいガイジンさんでしたw。

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上映後のティーチインのあと、客席からメンバーを募って「ムカデ人間」を再現。
まあ、なるなら、やっぱ「先頭」かなw。

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