2009/1/21

インフルエンザ中にまだまだ見ました  DVD
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まいりました。これは本当に傑作です。イギリス、フランス、ベルギー、ドイツの合作で、監督はこれが長篇二作目のサム・ガルバルスキ。微妙極まりないストーリーを見事なバランスで描ききった。凄いです。
舞台はロンドン。重病で長期入院中の孫の手術費用の工面に奔走する60代の未亡人マギー。息子夫婦の金策もうまくいかず、とうとう、このままでは最愛の孫は数ヶ月の命、と宣告されてしまう。唯一の方法は、オーストラリアでの手術だが、それには少なくとも6000ポンドが必要。しかし、ずっと専業主婦で、これと言った特技も資格も皆無な彼女に働き口が見つかるはずもない。途方に暮れて街を歩く彼女が目にしたのはセックスショップ「セクシー・ワールド」の「接客」の求人。その真の意味を知らずに店に飛び込んだマギーに、強面の店のオーナー、ミキが対応する。
「接客、の意味を?」
「それは・・お茶を出したり・・その」
「ここじゃそういう意味じゃない・・・あんたの手で男をイカすんだ」
「・・・?!」
一度は家に逃げ帰ったマギーだが、覚悟を決めて翌日、もう一度店へ。そして、勇気を振り絞って「壁にあいた穴から差し込まれたペニスを手でしごいてイかせる」という職に就く。すると意外にも彼女の「手腕」は大評判となり、店には長蛇の列。彼女はなんとか6000ポンドを手にする。しかし、彼女の職業が息子に知られてしまい・・・という実にキワドいストーリーながら、見事に抑制の効いた演出と、マギーを演じるマリアンヌ・フェイスフル、そして店のオーナーミキを演じるミキ・マノイロヴィッチ(エミール・クストリッツ監督の傑作「アンダーグラウンド」に出てます)をはじめとする演技陣の見事な演技によって、本当に心温まる「人情喜劇」が成立している。ゆったりしたテンポに見えて、実は一つのムダなセリフ、1カットのムダなシーンもないシャープな構成力も素晴らしいの一言。主演マリアンヌ・フェイスフルの存在は福田はこの作品で知ったが、実は、1968年にアラン・ドロンと競演した映画「あの胸にもう一度」でのレザースーツ姿が「ルパン三世」の峰不二子の原型になっているというスーパーアイドルシンガー&女優で、ミック・ジャガーのガール・フレンドとしても名高い存在だった。この事実を知っていたらまた別の感慨を持って見られたのだろうが、とにかく、それから約40年後のマリアンヌ・フェイスフルが演じるヒロイン「マギー」の素朴さ、率直さは本当に美しく、ラスト近く、「成長した」マギーのとる行動は、この地味な映画のフレームが一気に広がったかのようなカタルシスを与えてくれる。間違いなく超一流の「ホームドラマ」であり「ラブストーリー」。必見です。
☆☆☆☆★


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1978年6月に、ニューヨークのバンド「ザ・クランプス」がツアーの一環として行った、カルフォリニア州立ナパ精神病院でのライブの記録映像。どういう経緯でこのライブが決定したのか、とかの説明は一切なく、ただモノクロのTVカメラ1台で録画されたビデオ映像がライブの模様を淡々と映し出す。まあ淡々と、と言っても、ステージには観客の患者がどんどん乱入してきてけっこう盛り上がるのでそれなりに激しい。みんなボーカルをとりたがって、バンドのボーカリストとマイクの取り合いになるのが楽しい。でも、この相当悪趣味なジャケットが期待させるようなヤバいキャラは登場しない(多分このビデオに写ってるどの患者さんより鳥居みゆきのほうがヤバい)し、陰にこもった雰囲気はないw。正直、それがちょっと残念だったりもしたのだがw、特典映像として収録されているTARGET VIDEO(1970年代後半から80年代中盤にかけてアメリカ西海岸のアンダーグラウンドシーンを発信しつづけたビデオレーベル)のプロモーションビデオが面白かったのでけっこう満足。

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随分前に「福弾頭」で紹介したことのある本作。今、改めて見直してみると、なんだかもーのすげえ超大作に見えるのであった。もちろんこれは、すべて「ギララの逆襲」効果だろう。カナシス。なんにせよ、この作品、1968年の東映映画としては破格によくできたSFホラーアクションなので、興味のある人は是非ごらんあれ。深作欣二演出、パワーあり。

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女流写真家・アニー・リーヴォビッツ。とにかく、アメリカのセレブはこの人に写真を撮ってもらいたがるんだそうな。なんででしょ。という事を追いかけた映画なんだが、なんというか、もう彼女の撮った写真を見ればそれはおのずから明らか。とにかく、素晴らしい。色も、構図も、タイミングも。写真そのものに、カリスマがある。なんじゃこりゃ、という感じ。このジャケの写真にしても、実はこれが生前のジョンレノンを撮った文字通り最後の一枚である・・この数時間後に、レノンは射殺された・・という「ドラマ」を持ってしまった。そういう「瞬間」に出くわしつづけるのは、果たして彼女の運命なのか、それとも、たんなる偶然なのか。なんてことを考える間もなく、彼女はシャッターを切り続ける。とにかく、超男前の女性!・・だなあと素直に思っていたら、レズビアンでした。なるほど、彼女の豪胆さと繊細さが同居したような映像センスはそれか、と、極めて納得させられた。
ドキュメンタリー映画としては、内容よりも対象が勝っている作品(Young @ Heartと同じ)であることは否めないが、世の中にはすげえヤツがいるもんだ、という当たり前の事を再確認する意味では大いに見る価値あり。 ☆☆☆★★

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福田が中学生から大学生に至るまでつけていた映画日記によれば、福田はこの映画を1976年の12/17、つまり19歳の冬に上板橋東映で見ている。映画の製作年度は1973年だから作られれてから3年後に見ているのだが、「鈴木則文監督の最高にステキな悪趣味の集大成とも言うべき大秀作。導入部の見事さは、その絵になってるムードから言って今年のベスト3に入る。池怜子、すっぱだかの雪中の大殺陣なんてスペクタクルあり、クリスチーナちゃんの大悲恋あり、敵の親玉の女房が実は池の本当のおかーちゃんだなんていう大メロドラマあり、パノラマ館中のサイケ大映像遊戯あり、で、ともかくサービス満点の作り方。アクションのたたみかけも抜群で、クライマックス、縛られてギタギタのはずのお蝶姐さんが天井から突如花札降らせて舞い降りてくる大ハッタリも見事演出の環の中に収め得た。則文やった!!」と大絶賛である。さすがに今になって見ると、シナリオのそこここに粗さも目立ちここまでの興奮はできないのだが、それでも、当時「二大ポルノスターが激突するポルノアクション」なんていう身もフタもないスタンスで制作されていた作品とはとても思えない、高レベルの秀作である事は間違いない。池怜子の殺陣がまたいいんだ、シャープで。この「猪鹿お蝶」シリーズ、なんで二作で終わっちゃったかなあ・・・真剣に、リメークしてみたい企画のひとつであります。☆☆☆★★★

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