2005/12/12

絵のような絵の世界..  ラブフルート

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 以前小さな案内を見ながら、いつか機会があれば訪ねてみようかと思っていたギャラリーに足を運ぶ機会が出来ました。不思議な輪の広がりがあって、ラブフルート・ラウンドレッスンの会場になったのです。

 初めてのところに向かうのは好奇心がうずいて楽しいものです。元気いっぱいの方々が色んなところから集まってこられましたから、それだけでも新鮮な気分でした。

 そこは札幌という都会のイメージがどこにもない自然そのものの世界に佇むお洒落なギャラリーでした。細やかでシャレた小物が出迎えてくれました。ドアを開けると、素敵な絵画の世界が四方を取り囲んで歓迎してくれました。

 静けさと暖かさが心地よく配置されたギャラリーは、椅子に腰掛けてそーっと眺めていたくなります。それぞれの絵の中には物語があり、秘密の扉が隠されていました。眺めていると空想力が湧き、詩や歌がどこからともなく流れてくるようでした。

 明るく広いテラスの向こうには楽しいバードテーブルとリスたちの食事場所が用意されていました。次々と訪れる小鳥たちの愛らしい動きをみていると、なんとも幸せな気分になります。

 昨年の台風で木々が倒される前はモモンガたちが可愛らしい姿を見せてくれたと聞きました。木々や野鳥や小動物たちの事を、我がことのように話されるUさんの姿は、生き生きとして輝いていました。

 初めて集われた方たちは、誰しもこんなに豊かで満たされた空間で過ごされているUさんとの出会いを感謝していました。個性的な音色が様々な流れを作って巡ってゆくラウンドレッスン。それは光溢れる空間いっぱいに広がり、新しい感覚を教えてくれたように思います。

 ウドゥとラブフルートのペア演奏も生き生きとして楽しそうでした。お互いの音色から、それぞれの新たな側面を知る機会にもなりました。持ち寄りの食事会としばしの語らいの時を過ごし、楽しさの余韻を残して解散となりました。

 それから数日後、私は工房の窓から、丸々と身体を膨らませて寒さに耐えている一羽の雀が、警戒しながらバードテーブルに飛び移るのを見ています。
 
 この子が生き延びて、来年の春に元気な姿を見せてくれるだろうかと少し気になっています。自然世界の生き物たちは、私たちが暖かい部屋で過ごしているとき、一体どこで寒さに耐え抜いて、再び餌台にやってくるのでしょう..

 よくみるとその子には、まだかなり産毛が残っていました。幼さのためか、極度の空腹のためなのか、人を恐れることを知らないままバードテーブルでしきりに餌を食べています。初めての冬に直面しているのです。あまりの寒さのためか、体調を崩しているのか、しきりに排泄しようとしているのですが、上手くいきません。気になって工房の作業が進まないほど、何度も様子を伺いつつ過ごしました..

 今日は一段と寒さが厳しくなっています。何とか明日の朝、姿を見せてくれるだろうか..と思いつつ、殻のない食べやすくて栄養価の高い餌を買い求めて置いて見ました。元気で生き抜いて欲しいな..という思いが何度もやってきます。

 この冬、必死で生きて、必要な食べ物を求めているのは小鳥だけではないでしょう。或いは、食べ物は満ち足りていても、心が冷え切っている人もいることでしょう。厳しいのは冬という季節ばかりではなく、それぞれの人生にも冬がやってきますし、困難はあります。

 生命の炎を携えてくるのは誰か?深い海の底にある太陽の炎を、その小枝に灯して分かち与えようとするのは誰か?レイバン=ワタリガラスの神話が心の中を駆け巡ります。

 レイバンが咥えたラブフルート。そのラブフルートのバードは、命がけで手にした生命の炎です。その炎は大きく広がり、ラブフルートを吹いて旅するココペリとなって人々の間を巡る..
 
 あれこれ思い巡らしているうちに、シンボルマークをデザインしたときの記憶が蘇りました。ラウンドレッスンで感じた優しく、穏やかで、力強いメロディーが、出会う人々の心に新たないのちを灯すことが出来たなら..と思います。お会いした素敵なミニココペリたちが、それぞれの与えられた場所で暖かい炎を灯すことになることと思います..

 それぞれの目の前に、凍えながら生き延びようとする小雀がいるかもしれません。その姿に気付く心が欲しい..そして、自分に出来ることをそっとしてみる小さな勇気が欲しいですね。

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