2006/12/25

ホワイトピラミッド  雑感

 昨夜、モエレ沼公園のホワイトクリスマスコンサートが終わり、翌朝はきりっとしまった冬独特の空気が待っていました。今年で4回目だな..と思っていたところに、小学5年からラブフルートを吹き始めて今は高校2年生になろうとしているS・A君が姿を見せてくれました。来年のコンサートでは是非ラブフルートを吹いてみようね..と会話しながら、しばし懐かしさの中ですごしました。

 5年、10年という時のうつろいが、奏でられ天空と一つになる音の響きのように感じます。こうして書き込んでいる時間もまた過去と未来をつないで行くのでしょう。この12月の始めに父を亡くしたのですが、去り行く姿の中にいつしか自分もまた、こういう道を辿るのだとしみじみ感じました。

 漠然と思い描かれていた死が具体的で身近なものであることを強く感じる。それが近親者の死がもたらすもののひとつのように思います。こういう流れの中で迎えたホワイトクリスマスコンサートは、命のはかなさと、今生かされている感謝と喜びが交錯する空間になったような気がします。

 真っ白な雪が、どうして大地を覆うのだろう。彼らは何を語りかけているのだろう。この冬もまた小さな問いかけをしながら過ごすのだと思います。雪原に立ったとき、そこにはどんな音色が流れて行くのか...楽しみつつ残された旅を続けてみます。それぞれの物語を携えて、またガラスのピラミッドでお会いできることを楽しみに...。
 
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2006/12/17

札幌市民大学講座  ラブフルート

 今年は春の4月と秋の11月の二回、札幌市民大学講座を受け持つことになりました。初回は「愛の笛・密かな知」、二度目は「愛の笛・四本の矢」というテーマでお話と演奏をさせていただきました。

 およそ10年ほど前の9月にラブフルートに出会い、10月には初めて竹のラブフルートを製作し、11月にはアメリカのシルバームーンの工房を訪ねていました。製作に関するノウハウは全くアドバイスを受けないまま、自分で道を探しなさいとだけ言われました。それは何よりも適切な助けだったのだと思います。

 手探りのラブフルート製作は、試行錯誤の連続でしたが、結果的にラブフルートの特徴的な構造と演奏の際の大切な要素を徹底して学ぶことになりました。笛を吹く巧みさがむしろ妨げになるような世界があるな..と気づき始めました。何故こういう構造をしているのか..その秘密、なぞがゆっくり解け始め、その流れをお伝えしました。

 そして今回は、愛の笛の絵本から4本の矢の意味を考える時間になりました。後半はオーロラとのコラボレーションもありました。愛の笛に出会うまでの内面的なプロセスの重要性をほんのわずかですがお話することができました。

 一本の笛、その音色が一人一人の思いをつないでいくことを楽しみながら、自分もその輪に加えていただいていることを感謝しています。
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2006/12/5

木の響きを感じる笛  ラブフルート

 心に方向があるとしたら、ラブフルートの音色は心の背後から全体を包み込むような響きのように感じます。気がついたら全体をそっと包み込んでいる..。それは自分がラブフルートを作りながら
静かに思い巡らしていることなのかもしれません。
 
 アメリカのサイトには随分様々なラブフルートが並んでいます。色も形も実に様々です。勿論音色も様々です。私が所有しているアメリカで作られたラブフルートは6〜7種類、10数本。これまでに吹いてみたフルートの種類は60種類程度かと思います。

 その体験の中で、自分はどんな音色のフルートを作っていくことになるのだろうと模索しながら過ごしてきました。今の段階で感じているのは、とにかく出来るだけ樹木そのものがもっている響きを感じられるということです。ほかの人にどう聞こえるかではなく、吹いている人自身がどんな状態になるかを考えているように思います。

 樹木の知り方感じ方にも様々な観点があると思います。植物としての分類や特質の類も興味深いと思います。手で触れたり目で見る感覚。どんな風に私たちと係わっているか、その用途などを知ることも楽しく豊かな気持ちへと繋がります。そして、私はといえば、私たちの息と樹木との触れ合いを大切にしようとしている者の一人かなと思います。

 そこで、出来るだけ木そのものの響きを感じたいと思うと、可能な限り木の厚みがあって、木の細胞の多様な構造に吹き込まれる呼吸との響きあいから感じ取る世界を旅するような気持ちになります。

 ところが、厚みが増して息を受け止める木の豊かな響きが生まれる反面、製作の面では難しさが多くなります。どこまで響かせることが、その木を生かし、吹く人の心に届くものになるのか、それは終始自分自身に問いかけながらの時間になります。その他に、ホールの調整の困難さがあります。厚みが増すほど、全体の音程を調整するための誤差が大きくなるのです。誤差が大きい分、何度も全体のホールの間を行ったり来たりすることになります。まして、それが硬い木になると労力の大きさもかなりなものになります。

 時折、こんなにエネルギーを注ぎ込まずに、薄くて軽めで加工しやすく、良く鳴るフルートを作ればいいのかもと思うこともあります。勿論、そういうフルートを求める方のためには、良く鳴るようにお作りしますし、そういう響きが人生に必要な時があるのだと思います。

 音の響きと心との関係をゆっくりと思い巡らしながら、気づいたことを取り入れ、音色の静かな変化を楽しみ、皆さんとの繋がりを大切にして行きたいな...と思っています。
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