2008/10/28

晩秋の散策  雑感

  秋の色彩。先を急ぐように落ちていく秋の夕日。そろそろ雪だろうな〜という気配を感じるこのごろです。視覚、嗅覚、全身で感じる気配。直観的に季節の流れを感じていると、野山の生き物たちはもっともっと敏感に巡る季節を感じているのだろうと思います。

根気のいる地道な作業で硬直した身体を休めるために地元の公園を散歩してきました。わずか30分ほどの散策でしたが、枯れ葉が小川を埋め尽くすように積もっていました。やがて、この上に雪が降り積もり、長い冬がやってくるんだな..とこちらも冬準備モードでした。

 漬物準備のダイコンや白菜が住宅地に姿を現し、周囲の空気や匂いが変わったなと感じつつ引き返しました。明日にも、雪の降り積もった朝を迎えるかも知れない。それは時の印、変化の兆しの一つですが、人生にもそうした印があって、確実に終わりを迎える命の意味を改めて問いかける機会にもなるのだと思います。

 様々な出会いの中で死と向き合う人々との接点がありましたが、どんな知識も書物も言葉もまったく無力だと思い知らされる瞬間でもありました。その厳粛な瞬間に似た何かを、枯れ葉や枯れ枝を踏みしめながら思い返す時間にもなった晩秋の夕暮れ。みるみる落ちていく夕日と自分に残されている命の時間が一つになるような感覚がありました。

 工房に引き返し、あらためて自分に与えられた時間とラブフルートを作る旅を見つめながらの作業が始まりました。
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2008/10/15

虹を見ていた人たち  雑感

  秋の空にかかった二つの虹。それを見上げていた人が身の周りだけでも随分いたようです。かなり広範な地域で確認されていますから、虹っておっきいんだな〜と改めて確認した感じです。

 小学生高学年のころ、秋の雨上がりに見上げた虹は鮮明に記憶に残っています。あまりにもくっきり浮かび上がったので、あの虹の端まで行ってどうなっているか確かめてみようと自転車を走らせた記憶があります。いくら走っても、虹はいつまでもはるかかなたにありました。

 木に残っているプルーンの様子を確かめようと工房のドアを開けたとき見事な虹と出会いました。二重の虹は何度か経験していますが、やはり印象深いものがあります。

 その虹を、いろんな方が見上げ、様々な思いを浮かべて時を過ごしたことを知ると、なんとなく嬉しい気持ちが浮かんできます。それぞれが思い思いの時間、場所にいながら、同じ一つの存在と触れ合っているという事実そのものが、それぞれの旅を励まし、慰め、次の道を支えてくれるような気がします。

 自然は、その存在自体が私たちの心を十分に満たすことができるメッセージを持っているように思います。人が作り上げたものをすべて取り除くと、どんな世界が現れるのでしょう。人が、自然にあるものだけを生かして生きる時、どんな世界が生まれるのでしょう。

 そこには自分たちの命の根源にあるものとの一体感があるのだと思います。アウトドアをしながら、文明の利器が役立たなくなったときにどうなるかを味わう機会がありました。出来ること、出来るものを集めて、それを使おうとするパターン、それが無力になったとき、ハタと困惑するのか、すかさざ視点を切り替えられるのか...。

 七色の虹のように、個性的でありながら、深く自然と繋がる豊かさを分かち合える繋がりが大切だな..と思う秋の空でした。

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2008/10/11

場の変化  ラブフルート

  演奏の場の変化にちょっと戸惑いつつ、演奏は少しひとやすみ。とはいえ、来週末、その次の週、その次の週と演奏が待っています。その間に製作に専念という流れが続いています。

 総ガラス張りのモエレ沼公園ガラスのピラミッドは軽く30度以上はある暑さの中での演奏とワークショップ。準備の段階で、既にフルートたちは膨張しピッチは完全にはずれてしまい、なんとかコントロール可能なフルートを選び、かろうじて伴奏と合わせましたが予定の曲はすっかり変更でした。セッティングの段階で既に全身汗だくで、そのままライブスタートになりました。膨張しすぎてフルートが割れる可能性もあり覚悟しましたが、なんとか切り抜けられました...。

 次の場は、屋外の日本庭園、夜のライブでした。今度は気温が低くてわずかに息を吹き込んだだけでバードのスペースが結露状態。たちまち音が詰まって出なくなります。加えて、PAが会場とアンバランスな構成で、演奏開始時間になってもマイクのセットアップが出来てない、音が割れて、届かないというおまけつきでした。赤道直下から南極へ移動したラブフルート?演奏者もフルートもスリル満点でした。

 そんな会場に、ラブフルートリングの皆さんが次々と顔を見せてくださり、とても嬉しい時間になりました。ご来場下さった皆さんありがとうございました。ピラミッドでの演奏を聴いたご婦人が、今度はご主人を誘って中島公園に来てくださいました。懲りずに、またお会いできると嬉しいのですが....。

 次の場は、CD製作のための録音会場。一曲だけの友情録音でした。ステンドグラスの眩しい結婚式場を借りた残響が程良い場所での演奏。ここは観客なしの静かな空間でしたから、過酷な環境ではなく少しホッとしました。

 わずかな期間に、変化の大きな場で歌ったラブフルートたち。ありがとう。そして、お疲れ様でした...。私たちの人生も熱く燃える時あり、冷たくて動けない時あり、静かな時ありですが、ラブフルートと共に歩んでいると不思議に自分の内面を直視する機会が増えるような気がします。

 これからどんな場が待っているのかわかりませんが、声がかかる間、身体が動く間はフルートたちと一緒にのこのこ出かけようと思っています。
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2008/10/9

ミニ収穫祭  雑感

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 プルーンの木一本、3分の2の収穫です。良質で丸々元気なプルーンを見過ごしては後悔しそうで、思い切って気分転換を兼ねて収穫しました。予想以上に時間と労力がかかりました...。

 残り3分の1は工房の屋根に上がってもぎ取って食べられるように残してあります。希望者はどうぞ!山猿や自然児の気分になれます。

 生食、ジャム、プルーン酢、プルーン酒、オーブンで焼いてデザート、フルーツサラダ、近所に配る、来客のお土産。思いつくことはこんなところでした。

 今日の夕食は、豚肉のプルーン煮。程よい酸味と甘みで美味しく頂きました。プルーン食べ放題5日目に入りましたが、食べ過ぎで支障が出ないかと、ちょっぴり不安です。

 秋を迎えた今、色んなところで収穫の喜びと感謝があふれているのでしょうね。紅葉の中でドングリ、ギンナン、クリ、クルミ、トチノの実拾いも楽しそうです。野ブドウやコクワも見つけると嬉しいものです。

 木は美しい響きだけでなく、美味しい食べ物までプレゼントしてくれるし、美しい色彩も見せてくれます。秋は、ひときはその思いが強くなるような気がします。

 工房脇の一本の木から、こんなにたくさんのプレゼントを受け取りました。ちょっとした収穫祭気分でした。
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2008/10/3

今年のプルーンはでかくて甘い  雑感

 工房脇のプルーンの樹にたわわに実ったプルーンがたくさん並んで、枝が重みでかなり下がっています。工房の屋根に、ポトン、ゴツンと音がして、また落ちたな〜と思い始めてからひと月は過ぎました。先日は、激しい暴風雨の中小指の爪ほどの雹が降って、一瞬不気味な暗い雰囲気になりました。

 とても久し振りで雹を見たな..と思います。先週の赤井川では雪虫が飛んでましたから、そろそろ雪が降ってもおかしくないなと思っていたら、雨、霰、雹と立て続けに降りました。屋根の上を踊るようにはずんでは落ちていく雹を目で追いながら、プルーンが危ない!と焦りました。

 やや細ながくて丸みのあるプルーンは、犠牲者はいたもののちゃんと暴風雨に耐えて並んでました。収穫のタイミングが大切なのです。でも、いまの状況では収穫の余裕がない...。勿体ないな〜。温度差が激しいこの時期は、ぐっと甘味が増してきます。

 落下したプルーンは、確実に虫たちが、いただきま〜す、ごちそうさま〜ですから、なかなか微妙な時期に入りました。放置すれば、すべて土にかえるでしょうし..。それにしても、惜しげもなくたっぷりと実をつけた姿は、豊穣のシンボルです。

 フェンネルやタイムも、たっぷり育ってます。紅茶に入れたり、ハーブティーにすると美味しいのですが、これまた思うように時間が取れない...。そうなると、これまた土にかえることになります。いまは、まさにフェンネルガーデン状態。コスモスが遠慮がちに咲いてます。

 今日は、レッスンに来られた方たちが、プルーンをほおばりながら、楽しんでおられました。手の届くところから、もぎ取って口に入れる...。元気が出る!こんな風に、食べると、自然と完全に繋がって生きてることを実感します。自分は何にもしていないのに、惜しげもなく実らせている姿。食べられても、食べてもらえなくても、出し惜しみしないで熟す。そういう実を食べると、少しは自分もプルーンに近づけるかな...。

 実の成るものを多く植えているのですが、収穫の楽しみ以上に、実がなり、小鳥たちや虫や人間が食べるという流れが、楽しく、命がどうやって支えられているかはっきり確かめられるのがいいなと思います。

 この時期は、ゆっくり食事をしている余裕がないこともありますが、手軽に空腹を満たす時間を楽しんでいます。ジャガイモだけ、サツマイモだけ、カボチャだけ、トウモロコシだけ、梨だけなど、単品で空腹を満たす時間が、どこか動物になった気分で面白いな〜と思っています。この10月、プルーンだけで3日ほど過ごしてみたらどうなるのかな..と新たな楽しみを計画中です。
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2008/10/1

紫の笛  ラブフルート

今までにも音色と色のことを考えたことは何度かありましたが、最近取り寄せたパープルハートという木を通して、改めて色について考えるきっかけができました。切り出された時は茶色なのに、光にあたり始めると濃い紫色に変化し始める木です。

 どうみても着色したと思えるような見事な発色です。近隣の長沼町で開かれた展示会のために用意した素材でした。およそ、これまでのラブフルートのイメージとは異なる存在であり、好みがはっきり分かれる色ではありました。

 このパープルハートのラブフルートが一気に5本旅立ちの準備を始めています。この木の切りくずを集めて染めてみると、触媒にもよりますが美しくやわらかい紫色に染まりました。

 求められた方々には、それぞれの意味や考え方がありますが、パープルハートの色が好きだという共通点がありました。なかなか硬い木なので、加工は厄介ですが、音の響きは意外にまろやかで透明感があります。

 色彩がもたらすイメージと響いてくる音色、そしてそれを吹いている人。この組み合わせを楽しみにしています。パープルハート・ラブフルートと一緒に旅を始める方々から、いろんなことを感じさせてもらっています。

 新しい秋を迎えて、響きを生み出す笛作りの難しさと、奥深さを一層感じています。じっくりと対話しながら、時間を掛けて製作し、いろんな思いの中でお渡しする。この素朴な流れの中で、気づかされたことをゆっくりと新たな笛の中に生かしていきたいと思っています。声を掛けてくださった方々に、改めて感謝しながら、美しい秋を迎えています。池の金魚は丸々と太って元気です。

 昨日、庭に実ったプルーンの実を3個ほど食べた時、木が大地と空に繋がって生み出された果実の豊かさと恩恵を強く感じました。自らの、息を注ぐたびに、命の豊かさを感じられる響き...そんな笛が産声を上げる工房になれたらいいな...。
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