2008/11/11

心の精進レストラン  雑感

  精進レストラン「葉」さんが、この23日で閉店になります。その事を知ったとき、いろんな思いが浮かんで来ました。突然のように何かが終わる。そういう時が来る...。お世話になりっぱなしのお付き合いでしたから、何か出来ることはないかな..と思いつつ時が流れました。

 そのうち、いつかと思ってるだけで具体的な行動が乏しかった..。振り返るのが遅かった..。こういうことが、人生にはいくつもあって、それを思い返すだけで分厚い日記が書けそうです。

 3人展、5人展、ワークショップ、レッスン、ライブなどで何もかもお世話になりっぱなしでした。ローカル紙にラブフルートのことが紹介された記事を見て、明日演奏に来てくれませんかという突然の連絡をいただいて始まったお付き合いでした。

 チェルノブイリの取り組みに触れる機会をくださり、チャリティーライブをさせていただき、フルートの展示の場も用意してくださいました。顔を出すと、さりげなく食事を用意してくれる心づかい、咳をしているのを見てプロポリスキャンディーを買いに走ったり、腱炎症で傷んだ手のために高価なサポーターを手渡してくれたり。そういう無償の行動から学ぶことはたくさんあります。

 顔を合わせる機会は少ないけれど、あの人が、あそこで頑張って元気に働いていると思い返すだけで、自分も自分の道をしっかり歩もうという思いを与えてくれる存在。その貴重で素敵なお一人が「葉」のNさんでした。

 店は閉まっても、Nさんは次の道を生き生きと辿り始めると思います。寂しさと楽しみが一緒になっています。ありがとうが心にいっぱいになってます。

 心に刻まれた、精進料理レストラン「葉」は、健忘症にならない限りずっと覚えていると思いますし、時折思い返すことになるでしょう。随分沢山の方々を励まし、喜びや元気や健康を届けてくれたことに改めて感謝です。
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2008/11/5

雪の舞う日  雑感

  今日は初雪。雪虫が舞うように雪が降りました。気がつけば木々の葉は地に落ちて重なり、冬独特の空気があたりに漂っていました。自然は見事に季節を感じて変化しているのに、自分はあれも、これもと思いつくものの、なかなか思うように対処できず遅れを取っています。

 10月末に北海道帯広発刊の「スロウ」17号という季刊誌
http://www.n-slow.com/new/index.htmlで工房を紹介していただきましたが、取材は夏でした。既にその季節は懐かしさの一部になっています。豊作のプルーンは生食、オーブン焼き、ジャム、果実酒などに次々と変身し、訪れる方々に楽しんでいただいています。雪が降ったとたんに、それらはみんな記憶となってしまいました。

 先日、ふと心が動きだし、棺の中に持っていくラブフルートを作ろうという思いになりました。何故この時期にそんな思いが湧いてきたのかは、後になってなるほどと気付くのでしょう。その思いは、シルエットだけになった木々をみることで一層大切なプロセスなのだと感じます。少なくとも、季節の変化をいち早く感じ取り、自らの状況を変化させていく木々の適応力を身に帯びたいものだと思います。

 冬の厳しい寒さに耐えられるようにと自らの身を差し出し、私たちを温めてくれる木々の姿もまた、多くのことを伝えてくれます。自分の身、存在が誰かを温め支える生き方。それは、限られた人生の中でいつ実現できるのでしょう。

 葉を落とし、身を引き締めた木々は、それと同時に新しい季節に向けて着実に準備を始めています。失ったことを悲しんでいるのではなく、すかさず次のステップに向かっているのです。多くの言葉を費やしながら、実質的な成長の乏しい人間の現実に対して、何事も語らず淡々と自らの命の道を辿り続けてきた木々たち。さらには、多くの実を残し、鳥や獣たちを支える生きざまも見事です。

 木製の縦笛・ラブフルートを手にすることから、新しい視点を与えられることもまた嬉しく楽しい事です。木々が届けてくれるメッセージ、愛の笛もまたその伝達の役割を与えられているように思います。
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2008/11/2

個性と調和  ラブフルート

 このところ、ワークショップとライブという組み合わせが続きました。演奏に心を傾ける時間と、自分の中に湧き上がる思いを現わす時間が交錯する空間です。短い時間では、十分にラブフルートとの繋がりを分かち合うのは難しいのですが、それなりに素敵な空間が生まれてくるのは嬉しい事です。

 30〜40本の個性的なラブフルートを並べて、自分で好きなフルートを選んでいただき、自分の息を入れてみるのですが、この時の素朴な姿がとても印象に残ります。

 曲を奏でるというよりは、音の響き、木の響きを感じながら音を辿っていくことがポイントなのですが、これは最初で最後のレッスンなのだと思っています。その人にしか知ること、感じることのできない世界。その心の内奥にある大切な部分が木の響きと溶け合う。その瞬間の喜びと深遠な輝きを感じる時間。

 それは、集われる方が異なっていても、同じように浮かび上がってくるのです。数十分ほど、自由に触れていただいて、笛と心の繋がりを少し感じられる頃になると、それぞれの尊厳と言いますか、素敵な心が音色になって響いてくるのです。

 音程の異なるラブフルートが一斉に鳴り響く時にも、不思議な繋がりや優しさが浮かび上がってきます。ことさらに、誰かが方向を指示することがなくても、それぞれの思いやりや自己表現が調和を見せ始めるのです。

 それはなんとも心地よく、調和に満ちた空間です。特定の価値観や認識を掲げることもなく、命の状態そのものになるという感じです。個性的であることと、普遍的な繋がりの中に生かされていることが、それぞれの心を包み込むように浮かび上がってくる空間。

 それは言葉にならない、とびっきりの優しさと豊かさが、それぞれの道を辿らせてくれる瞬間のような気がしています。それは、鍛錬を積み重ね、磨きあげられた音の世界とは異なる空間。存在することそのものの原点に触れる瞬間かもしれません。そうしたお互いの存在の尊さを知り、感じ、確かめ、自分の道へと向かうプロセス。そんなラブフルート・ワークショップがゆっくりと続いています。

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