2008/11/2

個性と調和  ラブフルート

 このところ、ワークショップとライブという組み合わせが続きました。演奏に心を傾ける時間と、自分の中に湧き上がる思いを現わす時間が交錯する空間です。短い時間では、十分にラブフルートとの繋がりを分かち合うのは難しいのですが、それなりに素敵な空間が生まれてくるのは嬉しい事です。

 30〜40本の個性的なラブフルートを並べて、自分で好きなフルートを選んでいただき、自分の息を入れてみるのですが、この時の素朴な姿がとても印象に残ります。

 曲を奏でるというよりは、音の響き、木の響きを感じながら音を辿っていくことがポイントなのですが、これは最初で最後のレッスンなのだと思っています。その人にしか知ること、感じることのできない世界。その心の内奥にある大切な部分が木の響きと溶け合う。その瞬間の喜びと深遠な輝きを感じる時間。

 それは、集われる方が異なっていても、同じように浮かび上がってくるのです。数十分ほど、自由に触れていただいて、笛と心の繋がりを少し感じられる頃になると、それぞれの尊厳と言いますか、素敵な心が音色になって響いてくるのです。

 音程の異なるラブフルートが一斉に鳴り響く時にも、不思議な繋がりや優しさが浮かび上がってきます。ことさらに、誰かが方向を指示することがなくても、それぞれの思いやりや自己表現が調和を見せ始めるのです。

 それはなんとも心地よく、調和に満ちた空間です。特定の価値観や認識を掲げることもなく、命の状態そのものになるという感じです。個性的であることと、普遍的な繋がりの中に生かされていることが、それぞれの心を包み込むように浮かび上がってくる空間。

 それは言葉にならない、とびっきりの優しさと豊かさが、それぞれの道を辿らせてくれる瞬間のような気がしています。それは、鍛錬を積み重ね、磨きあげられた音の世界とは異なる空間。存在することそのものの原点に触れる瞬間かもしれません。そうしたお互いの存在の尊さを知り、感じ、確かめ、自分の道へと向かうプロセス。そんなラブフルート・ワークショップがゆっくりと続いています。

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