2010/6/27

あれから40年  雑感

40年ぶりの再会。そんな出来事が昨日の出来事でした。のんびりした小さな町の生活ですから、どこかに出かけると云う動きが少ない、地味な生活を続けているのですが、今回は成り行きもあって動くことになりました。
 
 高校時代の同窓会。初参加でしたが、あまりに時間が過ぎていて一瞬判別不可能な人がちらほらでした。案の定、子供の話から、孫の話に移っている人が多かった..。それと同時に、高齢の両親のことも聞こえてきました。

 亡くなったり所在の分からない人も気になることではありました。みんなまとまって齢を重ねた仲間が一堂に会するのは、一種独特の感覚が広がるものです。それぞれにみんな大切な役割を持っていて、真面目に関わっているんだな〜としみじみ感じました。

 予想通り、年より老けてる種族と年より若く見える種族の集まりでしたが、明らかに昔の面影がいっぱいでした。よくぞ、ここまで生き延びてきたな..と。

 ほとんど目立たなくて、ちっちゃくて、ほそっこくて(体重40Kg前後)影の薄い存在でしたから、全然誰だか分らなかったと目の前の仲間に驚かれる始末。一番変わったかもしれないな〜と云われたりもしました..。いいのか悪いのか..。

 それぞれに言葉にできない様々な道を辿っての再会は、懐かしくもありましたが、自分の道を歩くことを確かめる時間でもありました。悔いなく生きること..そんな思いが湧いてきました。

 それぞれの道に向かって新たな旅を始めた学生時代の仲間にそっとエールを送って帰宅しました。
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2010/6/22

夏至の日・KOCOMATSU  雑感

  ラブフルート工房隣の小さなスペースの外壁が完成。内部の壁が乾燥を待って今月末にはようやく完成です。まだ、サイドの空間の内側は残されていますが、響きと光の空間は実質可動しています。

 名称は特定しないと思っていましたが、ライブやイベント案内の際に困るかなと思い、あれこれ試行錯誤の結果「KOCOMATUS」になりました。様々なイメージがなんとなく混じり合っている感じです。笛を吹く精霊ココペリの部屋・シママツのココマツ・トドマツで作られた建物・ここでまってるよ・ひとりひとりを待ってるというようなニュアンス。このあたりをぐるぐる廻って「KOCOMATSU」になりましたので、よろしくお願いします。KOCOとMATSUの間に好きな言葉を入れるのもよし..そんな感じで動き出します。

 原点は自分の響きを感じる空間として生かされればということですが、ぽつぽつとライブや展示会の予約も入ってきました。じっくり着実に生かされた空間になってほしいと思っています。最終完成はまだ先ですが、工程も楽しみながらになると思います。

 昨日は、午前中の足場撤去作業をしたことを除けば、実に久々に休みを取り、夏至の日を過ごしました。カントリー家具製作者のNさんとお昼ころからず〜っと、トンコリを弾いたり、歌ったり、ラブフルートを吹いたり、おしゃべりしたり、のんびり昼食をとったりして過ごしました。途中でちょっとだけMさんが顔を出してムックリを持ち込んで、気ままに響きを楽しみました。

 昼と夜。太陽と月と星々が自分たちの人生の背景になっているな〜と感じながら、太陽の偉大さへの感動と感謝がいっぱいの時間になりました。夕方からはキャンドルの光の中で静かに過ごしました。言葉はほんのわずかで、ほとんどが音の響きという一日になりました。
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2010/6/19

風の子ポプラ  ラブフルート

ポプラのラブフルートのきっかけをくださったHさんの冥福を祈る時間を持つコンサートが当別で開かれました。Hさんのご遺族の息子さんが初めてポプラ・ラブフルートの音色に触れ感動の思いを伝えてくださいました。声、とりわけ笑い声はHさんそっくりでした。

 猛烈な風で倒されたポプラが、時を経てなお人々の心に感動を呼び起こす。それも、長さ50センチ、太さ4センチ。巨木のポプラにしてみれば、抜け毛一本程度の分身が、多くの方々に自分の響きを届けているのです。

 どんな木々よりも早く敏感に風を感じるポプラの葉が光を受けて輝く季節。木々を愛し守り育もうと集まられた方々を前に、木でできた素朴な笛の音をお届けする素敵な時間が終わりました。そして、既に新しい旅の準備も始まっています。

 ポプラと出会った当時は、いったいどうやってこの子が笛になれるのだろうと試行錯誤が続きました。やがて、かすかな響きが生まれ、その音色と一緒に旅をしたいという方々に手渡されてきました。限りあるポプラの素材が生かされるようにと今も祈りにも似た気持ちで製作しています。

 いつも自分と一緒に旅しているポプラが、いつとはなしに逞しく感じられます。暖かい日差しを帯びた柔らかな風に吹かれて、揺れながら歌っていたポプラが、小さなラブフルートの分身となって人々の心に囁く響きのメッセージ...。

 明日もまた、用意された場所で響きをお届けすることになっています。この夏も一気に過ぎ去るでしょうから、ポプラの仲間の木々たちにも出番を用意してあげたいなと思っています。

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                桂の埋もれ木・ラブフルート
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2010/6/8

風が通り過ぎてゆく  雑感

 大学生の皆さんと共有した時間。その翌日は幼稚園児たちとの交流時間。この二日間は、孫かひ孫との交流といった感じでした。二日前に、同期の友人に電話を入れると、今孫の世話をしているという返事でしたから、そういう年代なんだな〜と改めて自分を意識してみました。

 講義の後のレポートの束から、無作為に引き出した一枚の内容を簡単に書き込んでみます。

題名「言葉にならない思いを伝える」  Hさん

 最初に前にたくさんの笛が並んでいて、とても興味がわいた。今日のお話は奥が深く、とても感心する内容だった。初めてラブフルートという楽器をまじかで吹いているのを見て、とても素敵な音色だと思った。とても柔らかい音で、色んな事が思い浮かぶような音だった。心をこめて大切に吹くと音色も変わり、美しく響いた。とても感動した。
 最後に小野さんが吹いた笛の音は、私たちに勇気や期待や頑張る力を与えてくれたような気がした。本当に感動した。

 このほかにも沢山のメッセージを受け取りました。皆さんが木々の響きそのものを全身で受け取り、心に深く感じられていることが伝わってくる内容が多かったかと思います。昨年と少し強調点を変えてお話ししたのですが、感動したのはこちらの方でした。次々と生まれてくる若葉に囲まれ、さわやかな風が通り抜けるような時間でした。

 何も言葉を語らずとも、人々の心に大切なものが伝わって行く...。どこからともなく吹いてきた風が、何事かを伝えて、通り過ぎていく。風と木々が心に直接触れてくれる。多分、自分が感じたい、聴きたい音色はそんな感じなのだろうと思います。

 突然目の前にやってきて、「お弁当にピーマンが入ってるの!」と話しかけてきた女の子。「ピーマン好きなのかい?」と声をかけると、大きくうなづいていました。せっせと山から小枝を集めている子供たちの生き生きとした笑顔や笑い声が風に乗って並べられたフルートたちを包み込んでいました。変化する響きに表情が一変する子供たちとの時間は素敵な思い出になりました。

 さて、この週末は木々を育み、人を育む方々の集いの場でポプラ・ラブフルートやその他の木々の響きをお届けすることになっています。心地よい初夏の風と一緒に木々で作られた笛たちが歌い踊る時間になりそうです。 

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2010/6/3

思いつくまま  雑感

 明日の夕方は某大学の非常勤講師になって「現代社会と就職」の講義を担当することになっています。今回で2回目ですが、どんなことを分かち合えるのだろうか、静かに心の奥底で思い巡らしてきました。前回の講義の後のメモ付きレポートはとても興味深い内容でしたから、楽しみです。

 街中ですれ違っても、会話することなどありえないだろう10代後半から20代の人々が沢山座っている前で、私は何をするのだろう。自分の価値観や経験的な言葉を並べて時間を費やすつもりは、前回もありませんでしたが、今回も基本的なスタンスは変わらないと思います。

 生身の人間がお互いに向き合ってみる。そこに浮かび上がってくるものが大切だと思っています。おそらくは、彼らの両親の年齢を越えてるであろう自分が、複雑で多様に変化し続ける社会の中で未知の時間の旅を始める彼らとの接点を持てるのだろうか。

 見たことのない木の笛を並べ、大地と繋がり空に向かって生き、枝を伸ばし、花を咲かせ、実を実らせ、世代を繋いでいく木。それが笛になって人と触れ合い、大切な息の風を受けて響き出す。それは何を意味しているのか、ゆっくりと見つめてみたい...。言葉にならない思いを伝えるラブフルートが何故私たちの人生に与えられるのか...。

 大自然に囲まれていながら、経済という巨大な仕組みを作り出し、自然を経済が支配することを正当化し、ついには人の心を変容させる社会では、どれほど言葉にならない思いがわき上がってくることでしょう。

 思いつくまま笛を奏で、時折何事かをつぶやく笛おやじと若者たちの不思議な時間のための準備は一日の歩みに感謝し、安らかに眠ることかもしれません。

 素朴にラブフルートを吹いていた自分と某大学の名誉教授との出会いから始まった流れは、担当の准教授のお二人がラブフルートに少し気持ちを動かし始めているところまでページが進んで来ました。さて、次のページがどうなるか、いつかまた書きこむことがあるかもしれません。
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2010/6/2

フルートが壊れた・少し小難しい分析  ラブフルート

  先日の大沼のライブの直前に愛用のラブフルートが壊れました。音程が極度に合わなくなり、状態をみると内部のコルクがずれ込んでいる事に気づきました。これはコルクの位置を調整するしかないと判断し、小道具を見つけてコルクを移動させてみました。

 ところが、肝心のコルクに大きな穴があいてしまい状態は一気に悪化、最悪の状態になってしましました。ラブフルートは歌口からのスペース下部の本体との間が塞がっているという特徴があります。この上部と下部を繋ぐための構造はいくつかあります。

 その一部は多少紹介していますが、大半はバードの構造やプレートの有無などで説明ができます。
しかし、この破損したタイプのフルートはクローズしている部分をコルクで塞いでいるタイプになっています。演奏を始めた当初、音色や構造の勉強を兼ねてアメリカから取り寄せたものの一つです。

 後に、私が最初に出会ったフルート工房のR氏と数年後に交流した際、このやり方は良くないと口にしていたことを記憶しています。確かに、もっとも重要な音程を決める部分が可変性のある素材や構造になっているのは望ましいとは思いませんでしたが、やがてその致命的な弱点が現実となった訳です。
しかも、ライブの前日という状況ですから手の打ちようがありませんでした。

 このコルク充填タイプは、フルート本体を製作する時に、角材に穴を貫通させているために考えられた方法です。このフルートメーカーへの不評が広がらないためにもメーカー名は控えさせていただきます。
貫通型には、当方のリンク先にもなっているクリス・ティ・クームのようにフルートの双方向から穴を開けて塞がっている部分を作り出しているものもあります。

 実は破損して取り出されたコルクは厚さがわずか2.5センチほどでした。私は、勝手に十分な厚みがあると思い込んでいたのです。その思い込みが、コルクを突き破ってしまった要因でした。上部と下部の両端から長さを計測していれば、或いはトラブルを防げたかもしれませんが、実際は難しいことです。歌口の側は、6mmほどのホールがあるので、細い道具しか入らないのです。コルクは歌口側に食い込んでいますから、歌口方向から押し出すことしかできません。

 確かに、出来上がった本体の内径に合ったコルクを押し込むとなれば、長いコルクでは抵抗が大き過ぎて必要な位置まで押し込めなくなる可能性が高くなります。従って、挿入するため可には短いコルクを選択することになります。さらに、コルクは適度な水分があって役目を果たすのですが、乾燥しすぎると機能しなくなりますし、比較的劣化が早いのも特徴です。

 コルクという素材の利点と欠点を十分に考慮しておかないと、今回のようなアクシデントも当然ありうるわけです。結局、今回のライブは曲目を変更して無事終了しましたが、ちょっとびっくりでした。

 では、コルクがダメといったR氏のフルートはどうかとなると、彼のフルートに使われているプレートの部分は皮をロウ引きしているため、水分を含むとたちまち膨張し、音の響きに影響が出てきます。彼の考えでは、プレートは消耗品だから、ダメになったら別のものを使おうということでした。

 では、日本に来て販売したフルートのプレート部品はどうかとなると、手に入らないときは自分で工夫して吹くようにすればいい..ということでした。私は、交換部品がないとまずいからと強く要求しで何枚かいただきましたが、それがダメになるのは時間の問題でした。こうした体験から今はナチュラル感は減りますが金属製のプレートを使用したものを中心に製作しています。当然ですが、プレートのないタイプも製作しています。

 この金属製のプレートに関しても、ノイズが入るから良くないという方もおられますし、樹脂製のプレートを使用している工房もあります。ノイズに関しては、多分プレートの精度とフルートの仕上がりから発生しているような気がします。しっかり調整すれば、問題はないように思われます。
 
 ラブフルートの詳細が分からない方には、訳のわからない内容に感じられたかもしれませんが、表面的に何かができていること、形ができていることと、その内実(見えない部分)がどうなのかということには大きな隔たりがあると云うことです。

 今回のアクシデントを通して、自分が製作上の課題としている部分に改めて焦点を当ててみたいと思っています。極度に乾燥したアメリカへのフルートお届けの時は、乾燥して割れが来ないか一年間やや過酷な条件のもとにフルートを保管してからお渡ししたこともありました。

 物の考え方、生き方が、当然ですが作り方に繋がっているのだと痛感します。製作に関しては未知の部分がたくさんあるし、ロスもあるけれど、もう少しチャレンジする楽しみを続けたいと思っています。

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                イチイの小さなハープ
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