2014/4/23

屑という種  ラブフルート

屑という種。(感謝の道を辿るメモ)

先に書いたガラスのコンペティションの作品を製作する時に、工房のゴミとして棄てられる屑ガラスと韓国製の安い板ガラスを使いました。値段などつけられないと言うことで、タダで頂きました。(石戸谷さん・改めてありがとうm(_ _)m)
硝子切りさえ満足に出来ないまま、簡単に手ほどきを受けて取り組んだ記憶があります。かなり無謀でした…。

父親から硝子切りを教えられた記憶は有るものの、うまく出来るはずもなく、硝子が勿体無いからという理由で断念したままでした。

ゴミ箱から集めた色ガラス(ステンドグラス)を、呆れるほどカットして、散りばめることで硝子の量の不足を補い、黙々と取り組みました。

それから時が流れ、今度は硝子ではなく木材の端っこを頂いてラブフルートを作り始めました。製材工場を訪ね、切り離して売り物にならない端材をひとまとめ幾らで購入しながら製作を続けました。

合わせて木工に携わる人と出会い、切れ端を頂いては製作に向かいました。その中でも都築氏にはカツラの埋もれ木を手始めに、僕の財力では手に入れられない材料の切れ端をたくさん頂きました。

貧乏学生の時は、パンの耳を常食にしたり、寮の余り物を楽しみにする生活でしたから、その延長に今があるようです。ノートは、印刷に失敗した藁半紙や広告の裏紙という感じでしたから、屑で生きる基盤が身に付いていたのかもしれません…。

小さな切れ端なので、フルートを作るのが難しい端材も有るのですが、バードにすれば大丈夫!厳しい条件が工夫を生み、技術を培ってくれたように思います。

生まれて初めて製作したラブフルートもまた、知人のケーナ製作者が使い物にならないから好きなだけ持って行って良いよと言われ、ベランダに無造作にたてかけられていた竹をひとかかえ頂いた中の一本でした。

屑野菜を美味しいスープにしたり、屑米で小鳥たちとの交流を楽しんだり、もう捨てるけど…という衣類で何年も過ごしたりで、感謝の連続。そういえば、ただで頂けるオカラも工夫次第でなかなか美味しい…。ココオシというマッサージアイテムもKOCOMATSU建設の時の端材で作られています。

屑という種が実りをもたらす楽しみ。屑が作品になり、心と繋がる笛の一部になり、すっかり生まれ変わるのは楽しいものです。こんなことは、色んなところにあ有るのかもしれません。

人の繋がりという錬金術を楽しみ感謝しながらもう少し歩いてみようかな…。
屑を分けてくれる気持ちに感謝。屑が宝になる楽しみをありがとう。

ちなみに木の切れ端はフルートケースのボタンになり、薄い板はココペリになり、最後の削りかすはお風呂の燃料になっています。木のように、最後の最後まで生きて生かされ、最後に人を暖めて終われたら良いだろうな…。

都築謙司さん (http://kens-wood-working.ftw.jp) 改めてありがとうございます!今後ともよろしく(^.^)クリックすると元のサイズで表示します
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2014/4/23

出会いと感謝の道を辿る  ラブフルート

人生がいつまでも、どこまでも続くわけではないことは誰しも知ってはいるのだけれど、終わりが予期せぬ形で突然やって来る事もあるとなると、思い立った時にやっておかねばならないことがある。

そのひとつを書いておくことにしました。それはKOCOMATSUのステンドグラスのことです。そこにある5枚のステンドグラスは全てボザールデザインビューローを運営するステンドグラス作家・石戸谷準氏の作品です。

彼と出会う以前、東京に住んでいた頃に出会ったステンドグラスは今でも鮮明に思い出せる印象的なものでした。ほぼ長方形の広い建物の天頂部に数色しか使っていないステンドグラスが組み込まれていました。

建物をぐるりと窓が囲んでいて障子がはめ込まれ、淡く優しい光が内部全体を包み込んでいました。通りがかりの一瞬の出来事でした。その一瞬の体験が光とガラスの世界の入口でした。

その後、色んなことが次々と起こる中で僕自身がステンドグラスのデザインを数個手掛ける機会がありました。ダルドベールいうステンドグラスの欠片を半年眺め、光と色彩と光を透過するガラスの不思議を感じ取ることから始めて、数百枚のスケッチを続けました。それはまだそこに存在しないイメージと自分の内面との繋がりを模索するプロセスでした。

そこからさらに時間が流れ、僕は旭硝子主催のガラス作品のコンペティションに作品を出展しました。この時も自分の中に有るイメージが表現できないかぎり、造形に意味はないと、半月ほどガラスの欠片を見つめ続けました。

何とか作品のイメージはできたものの、実際に製作する場所と材料が必要でした。しかも、締切が迫っていました。この時に、石戸谷氏が工房を貸してくださったのです。ほぼ丸2日徹夜で仕事を休んで、何とか仕上げることができました。

その作品は予期せず北海道と全国で最優秀賞の評価を頂きました。これは石戸谷氏の好意無しにはあり得なかった事です。この時の感謝とお礼をと思いながら、気がかりなまま時間が経過していました。(祝ってくれる仲間とのちょっとしたパーティーにお招きしただけでした…)

それからかなり時が経過していたのだけれど思い立った時に動かなければと、自宅の居間に飾る小さなステンドグラスをお願いに出向きました。一枚お願いしたいと伝えたまま、やがてKOCOMATSUを建てる動きが始まりました。
その流れの中で、折角なら皆さんに見ていただける方が良いと考え、石戸谷氏にステンドグラスのプランを伝えました。

やがて石戸谷氏からステンドグラスの構成とデザインが提案されました。小さなものを一枚取り付けるのが精一杯と思っていたのですが、提案は5枚の作品を配置するものでした。

結果的に感謝とお礼どころか、更なる好意を受け取ることになりました。その時出来る精一杯のお支払いはさせていただいたもののの到底十分なものではありませんでした。

この時、個人の住宅では一度も実現出来なかったステンドグラスの周囲に傾斜をつけたいという石戸谷氏の話を聞き、何としても実現させようと苦心しました。幸い色んな協力を頂いて何とか実現できました。

その結果は歴然としていました。わずかな傾斜が想像を超えた多様な光の世界を見せてくれました。大工さんからは苦言を受けましたが、無理にお願いして良かったと思っています。

KOCOMATSUのステンドグラスは個人のプロセスと石戸谷氏との出会いがあって生まれました。かつての僕の製作活動の動機は、透明で有ることと光を透過する色彩の不思議を見詰めることにありました。ガラスという存在と色彩と光の不思議は、KOCOMATSUと関わることでさらに感じるようになっています。

その光は音の響きの不思議と混じり合いながら、いままで訪れた方々、これから出会うであろう方々を包み込んでくれると思います。もはや、石戸谷氏のステンドグラスの無いKOCOMATSUは考えられなくなっています。

色んな方が、KOCOMATSUの光と響きを楽しんでくださっています。その光の輝きと移ろいを、たっぷりと感じ、喜び満たされる姿。丸一日存分に光を喜び楽しめる小さな空間。それは、小さな出会いの種から芽生えた天からのギフト。

記憶を失わない限り、石戸谷氏と彼との出会いを与えてくれた天の摂理に感謝しながら、残された道を辿ってみようと思っています。

ボザール・デザイン・ビューロー 石戸谷 準

ステンドグラス|ステンドグラス作家 石戸谷準の作品集
www.st-glass.jp/
北海道江別市のステンドグラス作家 石戸谷準の作品集です。フッ化水素酸によりガラスを溶かし繊細で緻密な絵を描くエッチング技法を多用しているのが特徴です。

KOCOMATSUステンドグラスのコメント・石戸谷準http://kocomatsu.exblog.jp/11665013


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