2009/1/30

一瞬  雑感

  一瞬のこと。そんな言葉が幾つかの出来事と繋がって浮かんで来ました。数時間、数日に及ぶ収録が数分の放映になるというテレビ局との関わりも、今回で5回目。見えないところに使われる労力、地道で根気のいる作業に専念する方々の姿は、それぞれに印象的でした。

 見えない部分で払われる労力、様々な試行錯誤や微妙で慎重な選択。これは多くの場で見られることだと思います。一瞬の出来事の陰には、それぞれが言葉に表わしきれない、伝えきれない事実の積み重ねがあるのだと思います。

 ラジオやテレビには時間。文字には文字数。何らかの制約を持ちながら生きているという視点で現実を見つめると、生かされている場も、出会いも、命の時間も能力も...と次々と浮かんできます。どんなに表現してもし切れない普遍性や永遠性を持ちながら、限られた時空の中に生かされている不思議さと知恵深さ。それをゆっくりと思いめぐらす夜をちょっぴり楽しみにしながらブログを書いています。

 長い苦悩や悲惨さも、時が過ぎて一言で表現されてしまうことも多いのですが、逆のことも起こります。一瞬の中に、とても言い尽くせない大切なことが満ちていることもあります。

 先日の酪農学園大学での演奏を終えたとき、ひとりの方が、最初に聴こえて来た笛の音が心に深いインパクトを残したと伝えてくださいました。それは、18cmのシウリザクラ・ラブフルートの4穴、オリジナルスケール、コツコツと彫刻刀で彫ったマイフルートの響きでした。

 その笛は、あるビデオを見ていた時にほんの一瞬流れた音に心を動かされて作ったフルートでした。同じ音程で2度ほど、少し間隔を開けて響いて来ただけものでしたが、自分の中のある部分が強烈な切なさを伴う不思議な感覚でいっぱいになった瞬間に繋がったのです。その時の思いを言葉にするのは無理だと感じました。そこで、その思いを確かめる意味も含めて、その音色、音程を笛にしたのでした。

 その笛の音に一人の青年が心を揺さぶられたという出来事。それは瞬間の中に潜む大切なものを象徴しているように感じます。

 写真・動画・映像・文字・CD・DVD・メールなど、様々な媒体が現れている時代の中で必要なのは、言葉の巧みさ、饒舌や誇張などではなく、事実そのものが持っている地味ではあるが、心を本当に動かすものじゃないかな...と感じています。
1



トラックバックURL

トラックバック一覧とは、この記事にリンクしている関連ページの一覧です。あなたの記事をここに掲載したいときは、「記事を投稿してこのページにお知らせする」ボタンを押して記事を投稿するか(AutoPageを持っている方のみ)、記事の投稿のときに上のトラックバックURLを送信して投稿してください。
→トラックバックのより詳しい説明へ



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ