2009/6/13

3年後  ラブフルート

月2回開かれている工房でのレッスンにまる3年以上通い続けておられるFさんが、先日のレッスンの時にふと口にされた言葉が印象に残りました。80歳を越えてラブフルートを手にされたFさんは、ここに来られるだけでもいい..楽しみにしているんですと時々口にしておられます。

 私は、自分が80歳を越えて、全く手にしたこともなく、楽譜も何も一切分からずに一本の笛を吹くという選択が出来るだろうか..と考えることがあります。年老いていても、安心出来て、無理せずに手にすることができる。さほど難しいことを言われず、自分なりのリズムで歩いて行ける道。そういう場に出会えるだろうか...。

 Fさんが、レッスンの途中で、こんなことを口にされました。「3年以上通って、この頃ようやく、先生の言ってることが分かるようになってきたような気がします。いま、そこにいる、その時の心のままに吹けばいいんだといつも言ってることが、そうなんだな..思えるようになってきました。」と。

 「それと、もうひとつ。いままでは、自分はとても人さまに聞かせられないからと吹かないできたけど、これからは吹くことにした。その時の自分なりの吹き方でいいんだと思えるようになったから」と。

 Fさんがどんな道を辿られて、いま一緒にレッスンの時間を過ごされているのかは分かりません。ですが、私はFさんが笛を吹いておられる姿が好きですし、その音色も素敵だと心底思っています。

 Fさんは熱心にご自分で詠まれた歌に笛のメロディーをつけた可愛らしいノートを持っています。自発的に曲を作って来られては、吹いてみてくださいと...。そのFさんが、もう譜面はいらない。見なくてもいいとおっしゃられたのです。

 譜面があるもよし、ないのもよし。それぞれの道に不思議で楽しい知恵が潜んでいるのですから...。
ふと気が付くと、Fさんは3年前よりはるかに顔が輝いていました。眼を閉じて、そ〜っとマイフルートを奏でる姿、その響きが伝えてくれること。それは言葉にならないけれど、素敵で嬉しい気持ちに繋がる秘密なのだと思っています。
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