2006/1/30

時が来るまで  ラブフルート

2005年10月17日(月)徒然笛日記より転載

今年の4月にやってきた北大の倒木ポプラ
その声を聴いてから半年が過ぎました

ようやくそのポプラフルートの音色と繋がる
メロディーが浮かび上がってきました

10月16日の演奏の場で初めて
そのメロディーを歌いました

そこに至るまでに何度も
ポプラフルートを吹き
さまざまなメロディーを歌って来ました

それなりに話題になったポプラフルートですから
早々に「ポプラの歌」という曲を作って
皆さんに聞いて戴けばよいのにという声もありました

そのまま話題に乗ってそれなりの曲を書き留めれば
なんとか饅頭やなになに煎餅の仲間になったかもしれません

自分の心が本当に動くまで次の音には進まないで..
そういうラブフルートのレッスンをしてきましたから

それを実践しました..
つまりポプラフルートが出来あがったけれど
楽器が出来たから、ポプラの曲を作ろうという動きにはなりませんでした

最初にポプラの声を聴いたときの印象
その後何度か吹き続けていく中で起こる印象の変化
自分自身の吹き方の変化
耳にされる方々の印象に残ったものなど..

聳え立つポプラの樹と生まれてくる音色とのつながりはどこにあるのか..
その音色に相応しい音の流れを心が感じるまでの時間

ゆっくりと、じっくりと、しっかりと心がそれを感じ取るまでの流れ
生まれてきた音の流れをたどりながら
無理に吹き込まず、ことさらに控えめを装うことも無く
どんな時も許される限り天に向かって伸びてゆく
ポプラという樹と一つになるまでの密かな心の流れ

一本のポプラフルートが歌う音の流れ
それはそのフルートだけの独特の響きから生まれてきたものでした

そこには長い間育まれてきたポプラの歩み
激しい風に倒された衝撃
切り出されて一本の笛になった姿

生まれて初めて声を上げたポプラ
人々の前で歌ったポプラ
人々の手で触れられたポプラ
人々の感動を呼び起こし、心に触れる音色を響かせるポプラ
新聞やテレビでお披露目されたポプラ

倒れてから一年
ラブフルートになって半年

あの巨大なポプラのほんの一部分
小枝一本分で生まれてきたポプラ・ラブフルートが辿ってきた道
そこから生まれてきたメロディーが静かに流れ始めるときが来たようです

心が本当に動き出すまで待つこと
動き出した時には、はっきりと戸惑うことなく進むこと

人生を辿りながら感じてきたことを
改めて短くてちょっと太目のポプラフルートが伝えてくれました

ほら、私(ポプラ)がここにいて
あなたが息を吹き入れると

大地に聳え立つ私(ポプラ)が
大地を吹き抜ける風に揺れて歌い始めるよ

育まれてきた喜び
見上げてきた太陽や月や星たち
空を舞う鳥たち
命あるものたちの辿った道

激しい風に倒された恐怖と痛みと悲しみ
切り刻まれ、捨てられてゆく苦悩と絶望

それでも尚、残され生かされた私(ポプラ)の欠片(かけら)に
人の命の息が吹き込まれる

私(ポプラ)の物語があなたを生かし
あなたに命の息(生きる力)を注ぎ込む

生かされたあなたが、私(ポプラ)に命の息を吹き込むと
わたし(ポプラ)は自らの物語を歌い始める

あなたが倒れたとき、私(ポプラ)があなたを起こし、支えます
倒れた私(ポプラ)を、あなたが起こし、支えてくれます

私(ポプラ)に生かされて、あなたが息を吹き込むとき
私(ポプラ)は歌い始めます

やがて、その歌声、その音色に心を寄せる人たちに
ポプラフルートの物語が届けられ
新しい物語がそれぞれの心に生まれる時が来るでしょう
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