第5話「目が覚めるとそこには」
進「ところで何で俺のベットで寝てたんだ?」
涼音「そんなの決まってるじゃない」
園華「な、何?」
何かを感じたのか園華が少し真剣な顔になる
涼音「そこにベットがあったからだ〜ドーン」
進「うわッちょっと待て」
口で擬音を発しながらぶつかってきた
涼音「ホントはしーちゃんが好きだからって言ったら驚く?」
園華には聞こえないように俺の耳元で囁く
その顔は嘘ともホントとも取れる顔だった
進「ばっ、な、な何言ってんだよ」
涼音「あ〜焦ってるぅ〜し−ちゃんかわいい」
園華「何何??どうしたの」
平静を装うつもりがもろに動揺がばれてしまった
涼音「しーちゃんったらね」
涼音が園華に耳打ちしながらいろいろと話しかけている
目の前で同じ顔した姉妹が耳打ちしてるのを見るって言うのも
中々不思議な気分だな
園華「ホント?なの?」
涼音「うん本気」
話が終わったのかいきなり深刻そうな顔で園華がしゃべる
だがそれを飄々と返す涼音
同じ顔してるのに全然違うなと改めて感じた
園華「そう…ま、負けないからねっ!」
涼音「のぞむところよっ!」
すでに俺のわからないところで話が展開していた
こういううときは関わらないにかぎる
涼音「ということで当面の目的はしーちゃんを園華離れさせることだから」
突拍子も無くいきなり俺に話を振る
進「いや、意味がわからんのだけどなぁ?」
園華に話を振ってみたが
頬を膨らませて何も答えてくれなかった
子供かよ
進「まあなんでもいいけど涼音は今後の予定とかあるのか?」
涼音「う〜んとね、明日になってからのお楽しみってことで」
??意味はわからんがしばらくここにいるということだろう
園華の姉だし少しでも仲良くなれるといいなと思った
園華「じゃあしーちゃんまた明日おやすみ}
涼音「しーちゃんおやすみ〜」
進「ああ、おやすみ」
いつの間にか膨れてたのが直った園華と終始ご機嫌だった涼音を見送る
今日はいろいろあったけどもう寝よう
――夢の中
??「しん」
ん?なんだ?
??「しん、久しぶり」
え?君は誰?
??「わからないの?」
うん…ごめんね
??「ううん、きっとしかたない」
なんで?
??「しん、だもん」
どういう…
言いかけたところで音が止まる
何を話しても音は一切しなかった
??「もうおしまい」
まって、君の名前は?
??「・・・なみ」
フィルターが掛かったようで聞こえなかった
だけど彼女は確かに自分の名前をいたはずだ
そこで俺は目が覚めた
進「ん〜よく寝た」
なにかもやもやした朝だった
確かに夢は見ただが夢の内容はまるで覚えていない
進「とりあえず着替えるか」
いそいそとあちらこちらに脱ぎ散らかした制服を拾い集める
着替え終わり下の階に下りると朝食ができていた
超がつくほどまじめな園華は早朝登校をし生徒会の仕事をしているらしい
それのついでに朝食を作ってくれるらしい
ありがたやありがたや
今日も出来過ぎた幼馴染に感謝をし飯を食べる
進「もう一人の新しい幼馴染はきっとまだ布団の中だろう」
昨日あったばっかの幼馴染の行く先を勝手に予想しわらう
進「そろそろ出るか」
いつもの登校時間になったので家を出る
家を出るとそこにはいつもと違う風景があった
進「あれ??園華?学校はどうした?」
園華?「え?う、うん今日は早く行くのやめたの一緒にいこしーちゃん」
進「あ、ああ」
いつもと雰囲気が違う
さも当然のように腕を絡めてきた
ん?この感触は??
進「お前!!涼音か!」
涼音「ピーンポーン、気づくの遅い〜」
やっぱり顔も声もそっくりだから見分けがつかん
しかもうちの制服胸の大きさとかわかりにくいデザインだし
進「というかなぜ制服?」
浮かび上がって当然の疑問を投げかける
涼音「そりゃ学校に行くからに決まってんじゃん」
返ってきて当然の答えが返ってくる
進「へ〜何年?3年?」
涼音「ん〜ん、2年」
進「へ?」
涼音「いや驚かれても園華と同い年だし」
進「そういやそうじゃんこんなに似てるなら双子に決まってるな失念してた」
涼音「まあそんな感じよ」
姉という感覚のみが強かったためなんとなく年上だと思っていた
そりゃ園華と同じに決まってるよな
まああたりまえなんだけどな
涼音「なんでもいいからいこ」
進「おう」
同じ年の幼馴染が1人増え
いつも1人で歩く道を2人で歩く
これからこんな日が続くなら悪くないなと思った
だけどなぜか言いようの無い不安が残った
続く
次回予告
涼音が転入して大騒ぎ
同じクラスだからさらに厄介
しかも天性のトラブルメーカー何か起きないわけが無い
次回第6話「授業と涼音と鈴先生」
まて次回!!

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