写真の中央に繁っているのは、ワシントン椰子。
ワシントン椰子は、またの名を翁椰子(オキナヤシ)、ワシントニアなどと呼ばれている椰子の木の一種です。
じつは、これ、幹の太さからするとワシントン椰子じゃなくて、ワシントン椰子にすごく似ているワシントンヤシモドキみたい。
でも、一般的にはワシントン椰子で通ってるから、こちらでもワシントン椰子としておきます。
今回は、椰子の木の種類云々という話じゃないんだ。
正直言って椰子の木であればどちらでもかまわない。
なぜに、このようなところに椰子の木が植えられているのかというお話です。
この椰子の木は、右側に写っている白っぽい建物に、付属して植えられているようなものです。
そして、右側の白っぽい建物は横浜税関。
『昔々、よその国との品物のやり取りには、椰子の実が通貨のように使われていました。その故事ゆえ椰子の実というのは、昔から海外貿易の象徴とされていました。そして現在の海外貿易には税関が付き物であり、その税関には椰子の木が付き物とされています・・・』
まさか、そんなことはありません。
この椰子の木は、この横浜税関の建物に合わせて植えられたものだと思います。
写真の右下に囲ってあるのは、この建物の壁面上部の飾りを拡大したもの。
あんまり鮮明じゃないんだけど、葉っぱのような文様が刻まれているのがわかると思います。
この文様のことを、パルメット文様といいます。
パルメット文様・・・詳しくは検索してもらうこととして・・・この文様は棗椰子(ナツメヤシ)の葉っぱをモチーフとしたものなんだ。
つまり、この建物のそばに植えられている椰子の木は、このパルメット文様に合わせたもの。
正直、ざっと検索したところ、このへんの資料は見当たらなかったんだけど、このように考えてもおかしくはないと思う。
この横浜税関は横浜三塔のキング、クィーン、ジャックのうちの一つで、その優雅な姿からクィーンと呼ばれています。
そして、優雅なクィーンには、なぜか椰子の木が似合っていたりします。
時間があったら、ぜひ海岸通りをお散歩してみてください。

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