草木も眠る丑三つ時、窓の外から上から聞こえてきたのは、ちび君の本気のうなり声。
眠い目をこすりつつ何ごとかと外を見ると、そこにいたのは、ちび君だけでなく見慣れない生き物。
ちび君、尻尾をタヌキのごとくふくらませ、見慣れない生き物を威嚇していました。
見慣れない生き物、よく見ると鼻筋に白粉を引いたような顔つき。
こいつは、きっとハクビシンということで間違いないでしょう。
ハクビシンはジャコウネコ科の哺乳類で、大きさはネコぐらい。
身軽な生き物で、雨樋を登る垂直移動、樹木から飛び移る水平移動、さらには電線を伝うなどというアクロバティックことも、やってのけてしまいます。
このハクビシンも、雨樋を登って屋根の上に出てしまったのかもしれません。
ただ、飛び出したところに、ちび君が待ち構えていたのが、このハクビシンにとって想像の埒外。
ちび君に威嚇されたハクビシンは、すごすごと姿を消してしまいました。
そもそもハクビシンというものは臆病な生き物で、危ないところに積極的に近づくようなことはしません。
このあたりが人間と違うところで、このハクビシンも今回で懲りて、二度と屋根の上にあらわれないことと思います。
ただ、念のため、雨樋にネズミ返しを設けるつもり。
バトルして怪我でもしたらたいへんだからね。
野良ハクビシンは、あぶない感染症も持っていそうです。

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