2006/9/2

『コロンブスからカストロまで』4  お勧めの1冊

15章の「ハイチ革命」は少々もの足らない。それは『ハイチ革命とフランス革命』
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を読んだからだろう。また著者が旧英領トリニダード人であることにもよる。内容はハイチ革命それ自体より、それを英領西インド世界と英国がどのように受け止めたかが主な議題となっている。

18世紀のハイチ、当時のサン・ドマングは『カリブの珠玉』とよばれるほど豊だったことはこれまで色々な文献で記載されていたが、ここではジャマイカとの比較ではっきりと数字で示される。例えば、1789年サン・ドマングの砂糖プランテーションの1/3は年間利潤率12%以上をあげ、他でも8%程度だったのに対し、ジャマイカでは平均4%程度だったこと。これが仏製砂糖の圧倒的優位の理由で、その為英領カリブは排他的貿易をせざるを得なかった。

ところが、この原因は技術の差によるものではなく、『肥沃な土壌』にあったとのこと。p309 この事実は現在ハイチの国土が崩壊過程にあることと考え合わせるべき事実だろう。 今日、飛行機からハイチを眺めると、陸続きの隣国ドミニカ共和国が緑に覆われているのに対し茶褐色のむき出しになった地表が全面を覆っているとか。ちなみに1997年の段階で森林は国土の5%。これは国土の2/3が山地であることを考えると驚き。『ハイチ;目覚めたカリブの黒人共和国』より
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/71/trackback

その他、特筆すべきこととして、バルバトスにおける1史料によれば、8年間に奴隷人口の半数は入れ替わってしまったとか。p186  これは別の文献でみた、あるプランテーション(キューバだったと思うが)における人口ピラミッドが三角を上下に2つ重ねた形であったこととよく符合する。

また18世紀末、リバプールの主要な産業は奴隷貿易で、1795年同市所属の船舶の1/4は奴隷貿易船だったとのこと。P338

―――以上で上巻終わり
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