2006/11/30

「癌研究は飛躍的に進んだが癌死の数は増えている」ことについて  

来年早々に久しぶりにアメリカ癌学会(AACR Special Conference)に行く予定で目下その為の事務手続きとAbstract作成中。

実は新任の者は1年間は海外出張は認められないことが内規で決まっているとか聞いて驚いている。 ただし例外がないわけではなさそうなので取り敢えずトライしてみることにした。 そうこうしている中でAACRのHPを眺めていたら「How did AACR begin?」↓の中に、AARCが発足して今年でちょうど100年になることを知った。
http://www.aacr.org/home/about-us.aspx

AACR was founded in 1907 by a group of eleven physicians and scientists interested in research, “to further the investigation and spread the knowledge of cancer.”

この間、癌研究は飛躍的に進んだだろうが、今でも癌は先進国における死因の大きな部分を占めている。よく言われることだが癌研究は進んだが癌で死ぬ人の数はむしろ増えているとか。

…しかしこれは考えようである。 最貧国や戦火の中にある国では癌や認知症は問題にはなってはいない。 ある意味、癌や認知症が問題となる社会は幸福(?)な社会であると言えるかもしれない。
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2006/11/29

クリーンベンチ  写真

ガスバーナーの手前にある、透明の小さなプラスチック製の2枚のシャーレに1000万個のヒトの癌細胞が増えている。 1個1個の細胞の挙動を観察する者にとってはこれで十分量、無限大の材料ということになる。

ちなみに手前左の「ワ」の字型の器具は電動ピペッタで、ピペットから溶液を出し入れ出来るもの。 その奥の2個の瓶、左側の赤い色がついた溶液が細胞を増やす栄養液で右の透明な液は緩衝液。実験台は手前に濾過滅菌された空気の壁(エアーカーテン)が常時上方から下方に向かって流れ、ベンチ内を無菌状態に保っている。 この中は事実完全な無菌状態。

こんなところで毎日実験しています。
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2006/11/29

スモーカーでプチ・エコロジストという自己矛盾  試行,指向,志向、思考

今朝のNHKのニュースによれば、WHOが2030年までの世界の死因を推計したところ、たばこが原因で死亡する人の数は、2015年にはすべての死者のうちほぼ10人に1人にあたる640万人にまで増え、2030年には830万人に達すると予測したとか。なお、死者は高い所得の国々では減っているものの、所得が低い国々で今後倍増する見通し。 
http://www3.nhk.or.jp/news/2006/11/29/k20061129000046.html

以前から言われていたことではあるが、世の中には無視されている事実、

『タバコで死ぬ人は星の数ほどいるが、組換えDNAにより死んだ人はいない』

(ついでに言えば、組換えDNA技術で命を救われた人、生活が改善された病人は沢山いる)

スモーカーでプチ・エコロジストという自己矛盾の人がいる。 これは<目の前の事実に目をつぶり、仮定の危険性を声高に言う人>のことだと考えている。組換えDNA技術に危険性がないと言っているのではない。おそらく何がしかの危険性はあるだろう。それが普通というもの。要はバランス。

予想されたことではあるがエクアドル大統領選も反米左派が勝利とか
http://www.asahi.com/international/update/1127/003.html
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/310/trackback
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2006/11/28

個人事業主と季節労働者  試行,指向,志向、思考

今朝の『ビジネス展望』で内橋氏が、日本の企業から物作りの技術が失われていくことと関連させて「派遣」や「請負」について解説されていた。 とりわけ目新しいことが議論されていたわけではない。しかしそれを聞きながら。思い出したことがある。

一昔前、盛んに『アウトソーシング』という言葉が流行った。企業が常時必要とされない業務の一部を外部に委託して、これまでその為に余剰な人員を抱える体制を見直し、合理化を図るというものだった。それを聞いたとき、それはいい考えだと思った。 

しかしいま考えるに、それはあくまでも企業側からの視点で、雇われる側からの視点ではない。ただ、当時イメージ的には派遣される人は派遣会社に雇用され<身分的な保証はされる>ものだと勝手に考えていた。そうではないことは周知の通り。 …「先見の明がない」と言われればそれまで。しかし、それについてきちんとした説明があったわけではない。

最近「社長」と呼ばれる人達のblogをみることが多い。 確かに組織に雇われる者としては「社長」と呼ばれる人達の自由な姿に羨ましさを感じないわけではない。 しかし、個人事業主もある面、アンデスの山奥から季節労働者としてプランテーションに雇われたインディオと似た所がある。 
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/193/trackback
人生には色々な側面もあるという感覚は持っていた方がいいだろう。
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2006/11/27

週末  写真

週末常連の天神シアトルズの女の子が今日でバイトを辞めるとか、注文するスティームドミルクに「ホットですか?」いつも聞かれていたので、つい「コールドのスティームドミルクあれば下さい」と冗談で言ったのが縁、それから親しくなった。実は名前も知らないけど、ちょっと残念。しっかりサンチョの宣伝をしてきたので、もし機会があればまた土曜のサルソンで会えるだろう。ちなみにシアトルズは無線LANが無料で使い放題なので重宝している。

土曜のライブは結構楽しめた。ソンは踊れないけど、そこはサルサ風、ナンチャッテ・ソンで通したが、流石に名曲「黒い涙」には通用しない。スローテンポで誤摩化したがかなり無理があった。一緒に踊って貰った女性には申し訳ない。7時から11時過ぎまでほとんどノンストッップで踊った、それからアスタにも誘われたが、断わったのは正解。 やはり翌日はそれなりにこたえた。

写真は休日夜の職場。暗くて判らないが唯一電気が付いているところが6階の実験室。流石に休日の夜は仕事している人は居ない。
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2006/11/26

『宗教の復讐』1  お勧めの1冊

著者ジル・ケペル、晶文社、1992年初版(訳本)、ケペルの名を高めた本と云えるかもしれない。 以前からいつか読もうと思っていた本。 『ジハードとフィトナ』からの流れで、自然に借りてきたが、これも2ヶ月かかるかもしれない。

なお原本の題名は『神の復讐』。日本の読者には宗教とした方が入りやすいと考えたからなのか? しかし、神と宗教ではかなり印象も変わると思う。 イスラーム専門家がそこでえた知見をさらにキリスト教、ユダヤ教にも拡大していくという野心作。出版社の紹介記事には、

『アメリカの「テレビ伝道師」、聖戦を標榜するイスラム教徒、自らゲットーへと戻ってゆくユダヤ教徒―。いま、彼らは、政治的にも社会的にも強い影響力を持っている。これまで個別にしか注目されてこなかった宗教運動を、大きな社会的文脈のなかに位置づけ、その力の背景を根底から分析した、気鋭の政治学者による野心作。』とある。

『20世紀を振り返ってみると、イスラム主義は多くの場合政治的権力を掌握することに失敗したと云われるが、実は3つだけ成功例がある、アフガンのタリバン政権と名前は忘れたがスーダンの政権であり、もう1つが実はイランにおけるイスラム革命である。彼ケペルは別の本で前2者は本格的なイスラーム原理主義政権ではないと云っていた。そしてイランの政権は例外だとし、以下のように述べる。

『イランの状況の独自性にはまた別の理由があった。それはスンニー派世界とは異なる、聖職者階級と政権の関係からきている。シーア派イスラムには、聖なるテキストを自分流に解釈する資格を持つ何人かの法学士たちによって指導される、序列化された、ほんとんど聖職者集団*といってもよい集団が存在する』p62

*イスラーム世界にはキリスト教世界と異なり聖職者集団は基本的に存在しない。

『革命的イスラム主義運動が繰り返し挫折した原因は、まず現代のスンニー派世界における宗教の場の構造からきている』p65

これがまさにイジュティハードというものではないか!!
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/326/trackback
昔、イスラーム思想史を勉強した時非常に印象に残った事柄だったが、満更あの時の努力は無駄ではなかったと感じた。

私は勝手に 「シーア派はスンニー派に比べ現代に適応出来る可能性が高い」 と考えているが、その根拠がこれだった。 

なおイスラーム主義者の民主主義に対する捉え方は以下の通りである。 これはアルジェリアのFISの説教師の言葉である。 

『…民主主義とは神の被造物の利益の為に、神から神の政権を奪った「*ジャーヒリーア」の1形態でしかない…』p90

*ジャーヒリーア=無明時代、イスラーム世界にあっては神の法がまだ知られていない時代と考えられ否定的な意味合いがある。

「文明間の対話」に無邪気な見方が横行する今、この言葉の意味をもう一度噛み締めるべきであろう。我々の常識が必ずしも普遍的なものではないことを知る為に、
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2006/11/25

『ジハードとフィトナ』7(最終)  お勧めの1冊

著者は述べる、

『(9-11後)アメリカが挑発に応じたことは、ビンラディンや支持者にとって大成功だった…』

極めて同感、それについては『そろって術中に嵌る』で述べた通り。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/317/trackback

…ただしそれにより中東に強力な反米勢力が出来ず、その代わりにきたのは中東の内乱というのはビンラディンや支持者にとって想定外だったというのか?

さらに最後の『結論』で、

『 …アンダルシア(←此処では歴史上のスペインを指すというよりは、ムスリム移民の多いヨーロッパという意味合いだと思う)はヨーロッパにおけるジハードの足掛かりとしてではなく、新しい視点に立って見直されるべきである。異なる二つの文化が混じりあって花を咲かせれば、文化の前進に大きく寄与することが出来る… 』p366 

これは今まで読んだ多くの本、例えば『ギリシャ思想とアラビア文化』等の著者の結論に共通する理解である。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/122/trackback

『イスラムの内なる戦いが終わりを告げるのは、NYでもワシントンでも、ガザでもリアドでもバクダッドでもない。それは、どこかヨーロッパの都市の近郊においてのことである』p13 
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2006/11/24

マテ(MATE)茶  写真

昨日TIでマテ茶についてTIのアルゼンチン出身のサルサ・インストラクター、ダニエラに教えて貰った。

最初にマテ茶を知ったのはチェ・ゲバラの『モーターサイクル・ダイアリー』という本を読んだ時(映画化もされている)。この中でマテ茶は重要なシーンとなる。 因みにゲバラの南米縦断旅行は彼の人生において重要な意味を持ったと思う。彼自身もあとがきでそのように懐古している。 彼が過酷な鉱山で隠れるに働く共産主義者との出会いのシーンは印象的。 彼はこの時、共産主義に対し否定的な感覚をもっていたが、その彼がその後革命家として歴史に残るとは彼自身思いもしなかっただろう。 

なお映画では最後に彼がハンセン氏病患者が隔離された診療所を訪れるシーンがあるが、これはなかなか感動もの。レンタルビデオやDVDが出ているので興味のある方は是非!

さて本題のマテ茶に戻ると、マテの味は緑茶に似ているが日本茶ほど、枯れた味ではなく渋みも少ない。 マテという名は元々はケチュア語で「瓢箪」を意味するとか、これはマテを飲む容器を指したのが起源だろう。 産地はアルゼンチン北部の山岳地帯、とは云っても亜熱帯に属するので気候は日本のお茶の産地に似ているかも。 茶葉の収穫は9月頃で摘み取った後、乾燥させて適当な大きさに砕くとか、また日本茶に緑茶、ほうじ茶があるようにローストしたもの、してないものがあると聞く。

<作り方及び飲み方>
お湯は80℃程度、余り熱くすると飲みにくいし渋みもでる。 茶器の半分以上(7割がた)茶葉を入れる。日本茶の感覚だと大量という感じがする。 図1は伝統的な容器で瓢箪製。茶葉を入れたら手で蓋をしてひっくり返し何度か振り、茶葉の粉が上にくるようにする。
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茶器を傾けストローを差し込む、此処でお好みで砂糖など入れてもよい。図2は伝統的な竹製のストローで先に切れ目が入っていて茶葉が此処で漉される。 先に手で蓋をしてひっくり返すのは細かい茶葉を上にして目詰まりを防ぐ為。 金属製が最近では多いようだが、これは熱くなるのでやはり竹製がいい。 お湯を少しずつ加える、これは茶葉をふやかす為。最後には図3のように茶葉が容器の上まで一杯になる。 
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<マナー>
1)必ずホストが一番に飲む、これはワインと同じ。飲み方は図4のように。
2)時計回りに茶器を廻し、飲み終わったらホストに戻す。なおこのとき『Gracias=有り難う』と云うと、「もう結構です」という意味になる。また、ホストに直接渡す。他人に頼むと無作法になるので注意。
3)飲み終わる時には飲み干したという証拠の音をたてるのが礼儀。此処は西洋風の礼儀とはと異なる。

そんなわけで時間がかかることは頭に入れていた方がよい。数人でも半時間はかかる。なお人数が多いときはグループを幾つかに分けるとか。
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2006/11/24

『ジハードとフィトナ』6  お勧めの1冊

著者はインターネット上でジハーデスト達が盛んにHPや掲示板等を利用している有様を紹介し、p333 またこうも述べる、

『共産主義からイスラム主義への転向は容易だった』p345 

このことから今世界を震撼させているテロ組織というのが決して時代遅れの組織によって実行されているものではなく、極めて現代的な組織、しかも共産主義支持基盤からの転向組であったことを示唆する。 

但し<イスラーム主義>は極めて幅広いカテゴリーを含み、イスラーム主義=過激派というわけではない。

またこの本の題名にもなっている「フィトナ」について著者は、

『フィトナは、イスラムに精通している人を除いて、知名度は高くない。 フィトナは、ジハードと正反対のマイナスの意味合いを含んでいる、フィトナは反乱、内乱、動乱を意味している。イスラムの内なる戦いであり…』p360 と、いうことからこれまで彼の本を読んで理解したと思っていた内容を修正しなければならないと思う。 これは今後の課題。 

…しかし思うに、マイナスの意味合いというのはおそらく立場によるだろう。現イスラーム政権に反対する過激派にとってはおそらくマイナスの意味というのではないと思うが? 如何なものか?
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2006/11/23

敷地内全面禁煙  試行,指向,志向、思考

医療研究機関としてこれまで建物内は全館禁煙であったが来年4月からこれを拡大して敷地内全面禁煙になるとか。 ノンスモーカーとしては有り難いことだが、少し強引過ぎるような気がする。 

基本的に他人に迷惑をかけない限り、本人がリスクを背負うのは「自己責任」ということ構わないというのが私の考え。 だから十分に隔離された環境に喫煙エリアを設定することでいいのではないか? 

それに、敷地内全面禁煙となると止められない喫煙者(ほとんどの人がこれを契機に禁煙するとは思えない)は敷地外に出て煙草を吸うことになる。 となると周辺住民に迷惑をかけることにはならないか? 何でも「無理」は「無法」のはじまり。
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