2007/1/5

『ジハード』7  お勧めの1冊

<第13章「欧米におけるジハードとウサマビンラーディン」>
著者は述べる、『1993年2月の世界貿易センタービルへのテロからはじまり、2001年のツインタワービル破壊は全て一続きの連続体を形成しており、ひとつの厳密な論理の産物だとする』 しかしこの作戦、すなわちアメリカ国民の生命を人質にしてワシントンに政策変更させ、サウジ王朝を保護しているアメリカの半島への軍事プレゼンスを終わらせようとする戦略は、p432 結局その意図するところとは反対の結果をもたらした。欧米諸国のイスラーム主義運動に対する態度を変更させることはなく、むしろ逆に敵意を強めただけだと。p400

<ユダヤ陰謀説について>
よく云われる説である、私個人的にはあまりにも突飛としか言いようがない。おそらくスパイ小説の読み過ぎだろう。しかし全く根拠がないわけではない。事実ウサマビンラーディンがアフガニスタンでのジハードを通じてCIAと関係を持っていたことは周知の事実である。著者もこのように述べる。

『このテログループはサウジアラビアの機関ともアメリカの諜報機関とも繋がっていたが、この事が「陰謀史観」への根強強い信奉者がいる理由だと。しかしこの関係は90年の沿岸戦争を期に反転した』とも、p421

<イラクのフセイン大統領との関係について>
ウサマビンラーディン自身、90年の時点でこの世俗主義的「背教者」フセインに対して、サウジアラビアのファサド国王に国境防衛の為に彼の「データーベース」に登録されたジハード戦士の協力を申し出たほど。p424
  …だとすると、ブッシュ大統領が最初に述べたような、<ウサマビンラーディンとフセインの共闘>などは考えられないこと。何故なら、同盟者サウジアラビアのファサド国王からその情報はブッシュにも入っていたはず。 だとすると何故ブッシュ大統領は当初ウサマビンラーディンとフセインの共闘を掲げたのか? 

これについて著者は、単にフセインを排除するだけでなく、湾岸地域での同盟関係を定義しなおすことを狙っていた。 すなわち、リヤードの君主制に対する警戒心である、と。p434  このことはおそらく湾岸地区に民主主義を根付かせることを意味するのであろうが、現在の中東情勢をみる限りこの狙いは成功していない。

<追記:この本を読んで判ったこと>
1)よく云われるフランスの「郊外問題」、あるいは「ブール」(=アラブを逆さに呼んだもの)問題はまさにこれらジハード主義者を含むイスラーム主義者に関わる問題だったことを知る。p423

2)アルカイダとはアラビア語で「基地」だということは知っていたが、正確な意味はデーターベースの意味であることを今回知った。即ち、「ジハード主義者」及びその志願兵をウサマビンラーディンがリストアップした電子ファイルからきた言葉とは! p424
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