2008/8/31

『信仰と他者』2 & アフガン戦争  お勧めの1冊

『信仰と他者』
2章 中世シシリアの権力構造で、著者の高山博氏は、
『ノルマン・シシリア王国はこれまで長い間、異文化共存の地として注目され…』p85

はい、私もご本人、高山博氏の著書「神秘の中世王国」でそのように理解しましたが?

高山博氏は、都市パレルモの王宮に住む王、実力者イスラーム教徒と、地方のノルマン貴族が別の文化的世界をもつ集団で対立していたという、つまり「キリスト教 VS イスラーム」という構造で考えては真実を見失うと述べられる。

率直な話、先の著書「神秘の中世王国」と現在の高山博氏の考えには変化があったと思う、それが進歩であるのでそれはそれで構わないと思う。

<アフガン戦争>
先日のことを自分なりにまとめると、やはりアフガニスタン戦争はある程度仕方なかったと思う。
1) 日本がアメリカの同盟国として、この「アメリカの戦争」支援に、
2) また、それに加え「テロとの戦い」としても、
その延長として、インド洋の給油活動をするのは仕方ないのかな?と思う。 

歴史に「if」はタブーだけど、もしアメリカがイラクに手を出さなければ、もっと違った展開もあったのではないかと悔やまれる。 アメリカは3兆ドルの戦費をかけ、4000人以上のアメリカ兵の犠牲者をだし(イラクの犠牲者は別にして)なおかつビンラディンを見失った。しかもアフガニスタンの情勢はますます悪化している。

日本の選択肢は限られている。その中でも同盟国アメリカの大統領が誰かは重要。「トホホのブッシュさん」のような人がまた次期の大統領になればその未来は暗い。さて、現実のオバマさんとマケインさん。どうなることやら。

まだまとまっていないが、将来の為のデータベースとして、
937年国王オットー1世がマルデブルグの聖マウリティウス修道院を受給者として発給した国王証書で、

『マルデブルグについては、反自由人18家族と隷農20家族、小作人1家族を…』p53

これから、合計39家族が受給された。中世初期の家族数が4〜4.5人だとするなら、
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/113/trackback

38家族 x 4〜4.5人=156〜175.5人となる。そのような規模で支えられる初期のマルデブルグ修道院の規模を考えると、

例えば同じ史料より、『大規模な修道院は3,000から8,000マンス( 1マンスは平均して12ヘクタールの広さ) の土地を所有している』 と述べているが、実際には、その倍と見て差し支えない。二流の教会は1,000から2,000マンス、小規模な修道院でも、300から400マンスの土地を所有していた。ここで云うマンスはほぼ1家族が保有する面積と考えてよい。だからこれは38マンスに相当する。 これでは余りに小さ過ぎる。

これらの矛盾を解消する方法としては、聖マウリティウス修道院が既にある程度の資産を保有していて国王による寄進はそれに追加されたものと考えればあるいは納得いくかもしれない。 あるいは初期の聖マウリティウス修道院は実体がなかったと考えることも可能である。

また、この本の中で、異教徒(pagani)と蛮族(barbari)の言葉の区別をめぐって、

『元来「管区(pagus)の民」を意味したpaganiは… 』p42

という記載があるが、別の本ではこのpagusはフランス語でpaganus、すなわち農民を意味した言葉とも関係ある。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/81/trackback
時代とともにpaganiは「イスラーム教徒」p47 を意味するようになり、やがて「異端」を意味するようにもなる。このように1つの言葉が時代とともに内容が変遷することは注意すべき。
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2008/8/30

『信仰と他者:寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史』   お勧めの1冊

「寛容と不寛容」という言葉が、このところ頭の中で渦巻いていた「文明の衝突」と何らかの関わりがありそう。

『信仰と他者:寛容と不寛容のヨーロッパ宗教社会史』 深沢克己・高山博 編、東京大学出版会、2006年初版。

1989年のフランス革命200周年記念事業として、パリ第一大学フランス革命史研究所長、ミッシェル・ヴォヴェルの主催による「200周年記念学会」が開かれたということだが、p8 このミッシェル・ヴォヴェル、17〜18世紀のプロバンス地域の庶民の遺書2万件の遺書を解析し、中世から近世にかけての「生死観の変遷」を分析したというあのM・ヴォヴェルに違いない。(2000年、4/11書き込み分)
http://www.greengrape.net/bbs/rbbs_2000_0505.html
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/149/trackback

この生死観の話題も、あるblogでの話題と絡まっている。 共時性?
http://blog.livedoor.jp/tomokerock8/archives/52120545.html#trackback

この本の著者によれば、ヴォヴェルは正統的ジャコバン史観の支持者とか。p28 「生死観の変遷」と、「ジャコバン史観」というのが今ひとつ頭の中で結びつけられないが、ま、そういうことなのでしょう。

編者はこの本の冒頭で、歴史上の事柄に対する近代的「寛容」という概念の応用に注意を喚起し以下のように述べる。

『(現代の)「寛容」概念を近代的意味に解釈し、それを「他者の受容」と同義に用いている点に問題があり、ナントの勅令は同時代にとって否定的、消極的な寛容として理解され、17世紀末以降ジョンロックなど少数の思想家により肯定的、積極的概念に転換された』と述べる。p19
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2008/8/29

文明の衝突  

ハンチントンの「文明の衝突」を読んだのは随分むかし。 この本には不快感を持ったし、歴史認識のレベルが低いと感じたこともあり無視した。 …しかし、今から考えると彼の本には影響を受けたと思う。 確かに彼の歴史認識のレベルは低い、しかし彼の「直感」はよく当たっていると感じた。私の記憶に間違いなければ、彼は以下のように述べていたと思う、

<イスラーム世界と西欧文明は所詮違う、だから相互理解は困難。 お互いに余り関わらない方がよい>

最近のテロ事件なども見聞きするとそんな意見が何となく説得力をもつ。しかし、イスラームと西欧が異なるというのは誤り。西欧史を知れば、多様な西欧が「西欧」と成り得たのは、イスラーム世界を意識したからこそである。 何でも自己を意識するのは他者を意識すればこそ。E・サイードもこのように述べている。

『…いかなる文化も単一で純粋ではない。すべての文化は雑種的かつ異種混沌的で、異様なまでに差異化され、一枚岩ではないのだ』

そのことについて一番よく判っているのは実は、我々日本人自身。古代以来、中国文化に大きく影響を受け、近代からは西欧文化に影響された。 日本文化創成のプロセスというのは、これら外来の文明を自らに取り込みながらも、同時に日本人としてのアイデンティティーの為に絶え間なく自・他の境界線を引き直していく過程ではなかったか? 

…にも関わらず、ハンチントンの「文明の衝突」論はそれなりの説得力を持つのは何故か? アフガニスタンでのペシャワール会、伊藤さん事件を聞いてそんなことを考えた。
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2008/8/28

実に残念 & 太陽熱   

ペシャワール会の伊藤さんが遺体で確認されたとのこと。実に残念。聞くところによれば、アフガニスタンの治安はこれまで以上に悪化しているとのこと。あの戦争が何だったのか反省する必要があるように思う。 当時、自分としてはアフガン戦争は「仕方なかった」と考えていたのだが。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/720/trackback

このところ朝は涼しい。太陽熱温水器も何とか今朝までは十分な温度を保っていたが、この天気だと明日はガスに頼らないとシャワーは無理かもしれない。
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2008/8/27

今朝のニュースから & 我らの役目  

北朝鮮「核無能力化を中断」 とのニュース、余りにも予想通り、言葉もない。
任期切れで焦った「トホホのブッシュ政権」のまたしても失策。 素人でも筋書きが読めるような田舎芝居はもうやめてもらいたい。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/1094/trackback

アフガニスタンでペシャワール会の職員が拉致されたとのこと、無事に解放されてもらいたい。ペシャワール会といい、アフリカで活躍するロシナンテス会といい、日本の存在を世界に示す貴重な組織。それにしてもQ大出身者が共にその会の創設に活躍しているのが偶然か?
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/736/trackback

彼らの真似は出来ないけど、せめて彼らの存在を若い人に知らせる役目はできるし、そのくらいはしたいと思う。
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2008/8/26

『国富論』2  

トヨタはプリウスなどハイブリッド車2車種を9月1日から値上げすると発表したとか。 モデルチェンジを伴わない乗用車の値上げは34年ぶりとか。
http://www.excite.co.jp/News/economy/20080825/20080825E20.077.html

ちなみに私のプリウスは特別仕様車(273万円)だったので、これが281万になる! これだけガソリン価格が上がればハイブリッド車の一人勝ち、強気ですな。早く購入してラッキーだった!♪

『国富論』
十分理解したわけではないが、とりあえずまとめておこう。いずれ役に立つかもしれない。 それに記録しておかないとすぐ忘れて、読んだことが無駄になってしまう(汗)

著者は、日本にはPCの次のシステム(peer to peer)を開発する能力があるとして、その先駆けとしてi-modeを取り上げる。p119 

…私もi-modeが出たときは「i-MODEおそるべし!」として漠然とした可能性を感じたものだ。(2000年、11月12日書き込み分)
http://www.greengrape.net/bbs/rbbs_2000_1115.html

『アメリカ経済が回復した(1980年代)後も、(アメリカの)大企業はリストラを続けました。今度は「業績をよりよくするために」従業員の数を削っていったのです。今や景気と雇用関係は全く関連性をもたない、おかしな時代になってしまいました。背景にあるのは、資産や人件費を削ってROEを上げれば企業の株価も上がるという悪しき風潮です。』p152   著者はこのことが、これがアメリカ産業の空洞化を招いたと述べる。

『アメリカのベンチャー企業は既に基幹産業をつくっていくだけの力を失いつつある。そのもっとも大きな理由がベンチャーキャピタルの肥大化に伴うマネーゲーム化にある…』p170
『日本の企業はこれまでの長い不況下にあって積極的な設備投資を控えていたこともあり… こうした内部保留は、新しい技術開発に使うべきであって。財テクやバブルで浪費するのは論外』p219
『アメリカのビジネススクール流の経営手法を鵜呑みにして、物作りという伝統を無視してソフトウエアー産業やサービス産業だけに注力すればPUC(彼の造語で、Peer to
peerを可能にする物を含むシステム)分野で日本のもつアドバンテージを放棄することにもなりかねないのです』p220

このように、何度もモノ作りの大切さが強調されている。物を作ることは実は資産を必要とするので必然的にROEは低下する。これは現在の株価を決める指数にかかればマイナス点となるが、それに惑わされずに物とソフトが一体となった次世代のシステムで日本は先手を打てと著者は述べる。
*ROE(株主資本利益率)=利益/株主資本(資産―負債)x100(%)

著者はこうも述べる、
『ホワイトナイトやポイズンビルといった、ビジネススクールで教えるもっともくだらないことがもてはやされる』p206 

確かにちょっと敵対的買収が世間を賑わせいた時、これらの言葉はマスコミにもてはやされていた。これらがくだらないことだと著者は一刀両断する。

ところでこの著者は既に1981年に光ファイバーを起業しているかなり先輩。Stanford大学で一緒だったことがあるかと思っていたが、それはないようだ。p181

 
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2008/8/25

オリンピックが終わった  

昨日からの専らの話題は今後の中国の政治経済の行方。 経済では余りよい話はない。政治は2つの見方がある。開放しつつあるというものと、以前として閉鎖的だという見方。

私は問題は今後の行方だと思う。 今まで閉鎖的だったのは事実だし、今でも閉鎖的なのも事実。先の北京滞在ではそれを実感(ネットのフルタリング)もした。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/1103/trackback

しかし一方で、今の中国におけるネットの普及と、特に携帯の爆発的普及
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/1102/trackback
を考えるとこれまで通りに共産党独裁、あるいは情報統制がうまく行くとはとても思えない。これから中国は変わらざるを得ない。問題はそれに共産党がどう対応するかでしょう。

それから、昨日のTV特番では中国における暴動の発生も話題になっていた。 2005年以降中国は国内における暴動発生数を公表していない。 増えたという人、減ったという人との論争だったが、常識で考えれば公表しないのは「増えたからだ」ということでしょう。
http://diary.jp.aol.com/applet/salsa2001/1127/trackback

今朝の『ビジネス展望』では、またしてもサブプライムの話題。最近はこれさえ話題すれば事足りるような感さえある。 曰く、「アメリカの住宅価格が底入れしないと問題は何時まで経っても解決しない。その為には公的資金の導入が必要」との意見。これも代りばえしない。

例え、住宅価格の問題を解決しても、マネーはその次のターゲットを求めてまた動くでしょう。何も根本的な解決にはならないと思う。やはり、昨日も述べたように、投機マネーの規制が必要だと思うが、株価至上主義者には口が裂けても言えないことかもしれない。
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2008/8/24

昨夜のSalson & 結果が全て  

<昨夜のSalson>
右腰に違和感を感じつつSalsonへ。 自重しようと思っていたことも忘れてガンガンいく。 右腰の違和感は右膝からきたものだと思うが、腰というのが気になっていた。しかしそのうち忘れてしまう。 今朝もやはり違和感がある(涙)

本当にSalsaが好きなんだと思う、歳をとって(今でも十分オジさんですが)踊ることができなくなったらどうなるだろう、他に特に趣味もないし少し不安になる。

<結果が全て>
今朝の「報道2001」で不動産バブルの崩壊が話題になっていた。売れ残りが首都圏だけで1万戸もあるらしい。 原材料価格や供給過剰という基本的原因もあるようだが、何よりも金融の問題があるらしい。そんな中で「現金」が用意できる再販業者が儲かっているとか。 

つまり資金の自己調達ができる会社が儲かるという構図。 銀行はいま1期でもディベロッパーが赤字になれば融資をしぶるらしい、昔は3期だったとか。 …さてこれからは「国富論」から<推察>した私の勝手な考え、間違いがあれば是非誰か指摘して貰いたい。

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銀行は以前のように担保物件でなく、ROEで企業を評価するので企業は資産を売り払い、内部保留金を株主に配当し、見かけ上ROEを上げる。 しかしこれでは結果としてどんどん自己資金を失い、ますます銀行に頼らざるをえない。 これではジリ貧、負のスパイラル? 
間違いがあれば是非指摘して貰いたいが、短期的な視点しか今の金融世界が持っていないのが問題だというのは多分間違っていないと思う。 あの「国富論」の著者が述べていたようにそれを抑制するような施策があるはず(ただし米英が反対しているとか)是非アメリカの追従だけでない日本独自の施策をしてもらいたい。少なくともヨーロッパには賛同国があるはず。
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一方で竹中氏はいぜんとして、アメリカの株価は上昇している、改革をしろという。 その考えがまさに「株価至上主義」そのもの。 その「株価至上主義」が産業の空洞化を引き起こしているとの「国富論」の著者の指摘には彼はどう答えるのだろう。 竹中さんには色々学ぶところがあったが、「結果」から判断すれば、どうも彼の理論には間違いがあると判断してよさそう。

追加:色々問題的が指摘されたなかで官製不況も指摘された。 建築基準法の改正がタイムリーな供給を阻害しているとか。 …しかし、それはおかしいのではないか? 何故、建築基準法の改正がなされなければなかったのかそれを考えてもらいたい。 アゲハ事件が日本の建築物に対する信頼を一挙に失わせてしまった。

信頼と希望はお金より人を元気にさせると思う。
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2008/8/23

けだるい土曜日  

今日は朝から「仕事モード」にならず。 blogに書き留めるべきことも頭に浮かびません。脳機能低下状態。たまにはいいでしょう。

しばし朝から天神のシアトルズでネットしながら、まったり過ごす。ここだと駐車場料金もプリウス1時間無料の市の駐車場が近くにあるのでGood。 隣には朝から勉強している中学生?くらいの子。 最近スターバックスとかでも多いですね〜 図書館より快適なのは判るけど…

後1時間もしたら仕事モードに入らねば!! 既に今日やるべき実験も立てていますからね、というか経時測定系の実験、途中で取りやめるわけにはいきませぬ。

<追加>
朝書かなかったこと;
『国富論』3章まで読んでblog用にまとめようとしたが、引用ばかりになってしまい。どうも自分の言葉で説明することが出来ない。 …自分の言葉で表現出来ないということは理解出来ていないということ。blogに書き込まないことにした。

どうも歳をとってくると新たな分野を理解する力が低下する(涙) 記録力はどうにでもなるが、理解力が低下すると救いがない。 会計操作の仕組みとか、判らないと今時の会社が「マネーでマネーを生み出す」仕組みが理解出来ないようだ。 「馬鹿は損をする」ということか?
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2008/8/22

燃費と冷房の関係 & 今朝の『ビジネス展望』  

今朝も涼しく、久しぶりに冷房なして23kmを運転、平均燃費が20.8から21.1kmまで向上した。数字上はわずか0.3だが、480kmの平均燃費にこれだけの変化を与えるわけで、これは大きい。やはり冷房の有無は燃費にかなりの影響を与えていることが判る。冷房を入れる前後で25kmから20km/Lの変動という数字も事実だろう。

今朝の『ビジネス展望』では、中国経済が曲がり角に来ているという話題だった。中国を取り巻く経済環境は他の国ととりたて違いがあるわけではないが、やはりこれまであまりにも中国が急成長していいたことがその原因にもなっている。また特に私が注目したのは、2010年の段階で労働人口がほぼ増加をやめ、2015年より減少に転じるという予想だった。これには中国がこれまで長年とってきた「一人っ子政策」がある。 …ここでも人口論の登場。

西欧中近世史家であるToddを知って、これまでの歴史観を覆すような彼の理論には最初非常に抵抗があったが、今ではかなり影響されている。とりわけこの人口論は色々なところで応用している。10年前の歴史に対する視点
http://www.greengrape.net/hiroshi/
からすれば何とかわったことか。 

当時歴史の対象として、美術品や建築様式に注目をしていたのだが… しかし、最近ではこの変化こそが進歩だと前向きに考えるようにしている。
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