2013/6/30

『銃・病原菌・鉄』 24  お勧めの1冊

著者はさらに旧大陸と新大陸の違いを家畜の有無で説明する。即ち、新大陸(南北アメリカ)では大型野生動物が絶滅したのに対し、ユーラシア大陸では家畜化可能な多くの野生動物が存在し、事実13種が家畜化された。他方新大陸では僅か1種、ラマ/アルパカが非常に限定された地域のみで家畜化されたに過ぎない。このことは家畜から人への伝染病の進化が限られたものになったことを意味する。確かにユーラシアはその点で多くの伝染病が発生しそれに対して抵抗性をヒトは獲得していったが、新大陸ではそのようなことが起こりにくかった。つまりスペイン人が感染症とともにやって来たときバタバタと倒れていった。

また、家畜としては馬の存在が大きい。軍隊に使用できる家畜は馬を除いてない、これを持つ旧大陸と持たない新大陸その軍事力における差は大きい。p223 

さらに穀物については、カナダの穀倉地帯やアルゼンチンのパンパなど、後に大穀倉地帯になる条件をもつ土地があったにも関わらず、ヨーロッパ人がそれに適した穀物を持ってくるまでは不毛の地だったということ。これは『ひとえに、栽培化可能な植物が乏しかったから』であると結論つける。p224
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2013/6/29

『銃・病原菌・鉄』 23  お勧めの1冊

『銃・病原菌・鉄』 23
ニューギニアにおけるオーストロネシア人の拡散は、インドネシアやフィリッピンの場合とまったく正反対の結果をもたらした。即ち、彼らが前者では拡散できなかったのに対し、後者では先住民を追い出してしまった。何故か?

著者はこの答えにニューギニア高地には彼らが来る前から食糧生産が行われ石器時代には世界で最も人口密度の高地域だったからとする。p215

つまり著者が結論としたことは、

食糧生産=農耕をはじめたら人口が増大し、それに伴い、伝染病に強くなり、さらに様々な技術が発達する。そのようなことは狩猟採集民の集団には起こらないことで、これが両者の力の差を生み、農耕民は進出する先で狩猟採取の先住民に遭遇すれば彼らを追い出すことが出来る。

ということらしい。
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2013/6/28

ニュースを読む  震災ー原発事故

『食品中の"放射性セシウム"から受ける放射線量、福島は震災発生年の1/5になり、現時点で放射性セシウムから受ける放射線量は推計0.0038mSv/Y。他方、元来食品中に含まれる自然由来の放射線カリウムは同0.14〜0.22 mSv/Yで大幅な変化は認められなかった』 とか、
http://news.goo.ne.jp/article/mycom/life/mycom_816364.html

このニュースは2つの点で注意すべき。

半減期30年を考えれば、放射能そのものがなくなるわけではないので、この1/5という数字の意味するところは、放射性セシウムは何処かに「隔離」されているか、あるいは「拡散」してしまったということ、別に無くなったわけではない、拡散であればリスクは周囲に広がったことになる。

それともう一つ、自然放射能はカリウムだけでも0.14〜0.22mSv/Yあるということ。 自然も人工も放射線障害には差はない、不要な心配はナンセンス。

いずれにせよ原発事故から2年3ヶ月、小児がんがもし発生するならチェルノブイリの事故を教訓にするなら4年後くらいから上昇しはじめるはず。それまで監視体制を怠らないことだと思う。
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2013/6/27

『銃・病原菌・鉄』 22  お勧めの1冊

今朝のニュースによればHONDAが中国専用の自動車を販売するらしい。車体は彼らの好みに合わせ、無骨でスマートフォン対応のカーナビを備えるらしい。

むしろ何故今までそうしなかったのか不思議なくらい。中国で売ろうとすれば当然の選択でしょう。特に後者は若者受けにいいのでは? カーナビの普及はスマートフォンを皆使うのでそれほどよいようには思えなかったし、中国人は大きくて見栄えのいいやつが好みだからね。




『銃・病原菌・鉄』 22
ベンガル湾にあって中国南部から遠く離れていたアンダマン諸島においてのみ、中国南部で使われていた言語ファミリーに属さない言語が生き残っているが、これらの言語はもともと東南アジアで使用されていた言語で、現存していない、数百もの言語の最後の生き残りである。p187

これは面白いこと。この諸島は確かに異質な存在だね。
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2013/6/26

『銃・病原菌・鉄』 21  お勧めの1冊

昨日の『ビジネス展望』では多国籍企業の税金逃れ対策に国が乗り出したとの話題。しかしなかなか簡単にはいかないだろうと感じた。

タックスヘブンの国への逃亡は極端な例だが、そこまであからさまでない、様々なレベルでこの方策が行われているようだ。その例にアップルやスターバックスという有名どころでも、国の税金体系に応じて利益をある国では出して、他で赤字にし、連結決算にすれば税金逃れが出来るということをやっているみたいだ。

しかし、国という枠内で税の体系があり、それに対し多国籍企業が対応するのは必然的な動きだろう。


『銃・病原菌・鉄』 21
17章は「オーストロネシア人の拡散」
冒頭、外海に漕ぎ出す事が出来る画期的なカヌーについて、この丸太カヌーの両側に腕木をつけて安定性を保つものでこれにより島々を行き交うことが出来るようになったという。p200

著者は言語学的証拠と考古学的証拠を挙げこの人々が中国南部沿岸からまず台湾に渡り、そこからさらに太平洋に広がっていったと述べる。p202

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これに対しマレー半島、スマトラ経由での拡散の可能性については、言語学的分岐と合わないと否定する。

また東南アジアについてはオーストネシア人の拡散は、既にそこで農業をおこなっていたオーストロアジア人やタイ・カダイ人がいたので、彼らに対して優位に立つことなく奥深く入り込むことはなかった。p206
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2013/6/25

『銃・病原菌・鉄』 20  お勧めの1冊

都議会選挙で自民、公明が圧勝したとか。多分この分では参議院でも同じようになるだろう。

それにしても2009年、民主が圧勝した時から何とかわったことか! あの時、いみじくも、

『それにしても民主が勝ち過ぎ。 ある程度勝つことは政治の安定や力強い政策実行の為に必要だが、圧勝はまずい。 緊張感が無くなるとろくな事はない。 』 

と述べたがその通りになった。
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あの後、『自民党の再生と発展が期待される』という言葉に共感し、

『頑張れ自民党!』 

と述べたが、果たしてそうなったか? とても疑問だ。
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『銃・病原菌・鉄』 

16章は「中国はいかにして中国になったか」 というもの。

冒頭著者は

「今日の中国は、政治的にも、文化的にも、言語的にも1つにまとまった国」であると思われているが、遺伝子レベルで考察すれば中国が統一されているとの思い込みはあり得ないと言う。p172

中国の言語は8つの主要言語(これらは北京語と一括されている)の他に130もの言語が使われている。この130の言語のうちには使用人口が数千人程度のものがある。p175

中国の言語ファミリーは4つに分類される。最も広く分布しているものは、「シナ・チベット語」ファミリー。それ以外のファミリーは断片的に分布し、その以外の言語ファミリーを使う人々の「大海原」にちりじりに浮かぶ「小島」のように見えるとも。

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その中でも「ミィオ・ヤオ語」ファミリーはかつてはまとまっていたと思われるがその他の言語グループが彼らの地域に拡散した結果、彼らを言語的に同化した結果と思われるとか。この分散が起こったのは2500年以内のことと思われる。現在、タイ語やラオ語やビルマ語を話す人々の祖先はみな、過去のある時点において、現在居住している地域の近くに中国南部から移動してきた。p178

これはもしかすると越の国から漢族に追われて南方に移動した人たちではないか? 
越の滅亡の時期BC334年。つまり2400年程前。
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もともと中国南部には「ミィオ・ヤオ語」ファミリーや、「オーストロアジア語」ファミリーや「タイ・カダイ語」ファミリーに属する言語を使う人が住んでいたが、「シナ・チベット語」ファミリーの人々に取って代わられたとか。p179

感染症は食糧生産の副産物であると著者は云う。腺ペストも天然痘もインフルエンザも中国が発祥地と著者は推測する。p183
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2013/6/24

『銃・病原菌・鉄』 19  お勧めの1冊

NHK日曜特番にて
元外交官の岡本氏曰く、

『アメリカのマスコミは尖閣諸島の事を「岩」と表現する』

小規模日中衝突の際は日本独自に解決しないといけない。大規模の場合アメリカは出る。 では中規模衝突の場合は?

参考になるのは北朝鮮による韓国軍艦の撃沈事件。四十数名の死者が韓国軍に出た時、アメリカは出てこなかった。日本には戦後、軍事衝突の経験がない。

<以下は個人的意見>
戦争経験のない首相がはしゃいでいる。終戦を軍人として迎え、自決しようとした過去をもつ元政治家に対して「売国奴」よばわりする戦争経験のない石原氏のような人物もいる。




『銃・病原菌・鉄』 19
小規模血縁集団から首長社会へと大きくなる過程で、首長の存在や権威を正当化するためのイデオロギーが必要となる。その点において宗教こそピッタリのものだったのだろう。社会が1つの宗教を共有することで、赤の他人同士が、お互いに殺し合う事なく一緒に暮らす為の下地が出来たとする。p104

確かに宗教は長いこと社会の連帯を支える強力なイデオロギーだった。その後近代に入り民主主義や社会主義、共産主義などのイデオロギーがそれに取って代わるかのように思われたが、いずれも宗教程の力を発揮する事はなかった。 否、現代ではそのぶり返し現象すら起こっている。 それを以前、

『神の復讐』 と呼んだことがある。
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国家の崩壊の社会的影響は壊滅的とし、その例にAD407-411にかけて起こったローマ軍とその治政者の撤退と貨幣制度の引き揚げで起こった例を著者は示すが、全くこのことは初耳だ。 確かにローマが一時期現在のイングランドを支配していたこと、そしてやがて撤退したことは知っていたが、それが社会の崩壊を引き起こしたことは初耳、何時か調べてみたい。p106

15章で著者は彼の思想の成立に重要な下地を与えたオーストラリアとニューギニアでのフィールド調査と結論を述べる。この2つの地域は距離的に近く(90マイル)、その間を隔てる海も島伝いに移動が可能(カヌーで行き来出来る距離=10マイル)であるにも関わらず、ニューギニアの文化はオーストラリアのアボリジニーに影響を与えなかったという。その理由は著者によればその環境の違いにあるとのこと。p133

<データーベースとして>
因に世界に6000ある言語のうち1000がニューギニアに集中し、その半数は言語人口500人程度とか。p146
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2013/6/23

歴史教育 生まれが卑しい?  

報道2001で「遺伝子検査」が話題になっていた。冒頭、「科学は暴走するからコントロールしないといけない」と述べた政治記者がいたが間違いだろう?!

科学は暴走しない。科学を政治や金儲け、さらに戦争に利用しようとする人が暴走する。監視の対象を間違ってはいけない。



昨日の書き込みをしながら「歴史教育」というものについても考えてみた。

元々歴史教育なるもの、西欧史から判ることは、国家主義の成長の過程で生まれたもの。 日本の歴史教育も同じようなものだろう。

   『生まれが卑しい』 と云うのは言い過ぎか?

しかし、その卑しい出生であるにしても、現代の歴史教育がその桎梏から逃れようと努力をしている事は事実だと思う。またそうでなければ歴史教育の価値はない。その努力をあの中国の教科書の中で垣間みたと云えば余りにも逆説的だろうか? 

「中国の歴史と社会」 
中国中学校新設歴史教科書の中で「澶淵の盟」についての解釈を2つ提示して、学生に議論させるというもの。 日本の教科書でも見た事はない試み。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/1786/trackback

ただ、その教科書の中でも中国現代史になるとその姿勢は一変する。

ま、これは仕方ないだろう。
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2013/6/22

再度歴史認識について  試行,指向,志向、思考

一昨日話題にした小谷哲男氏の論説と
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3249/trackback
小春日和さんの書き込みに触発されあれこれ考えてみた。
http://blogs.yahoo.co.jp/xdjm65/8843284.html

日頃より歴史、特に現代史を学ぶことは難しいと感じている。何故なら、過去を学んでいるようで実は今此処にいる自分の立場も絡んでくるからだ。そのことを最初に気がついたのはフス革命を学んだとき。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/58/trackback

チェコの歴史という遠い国の歴史を学んだ時に気がつくというのは、一見奇妙のようだが実は理にかなっている。

何故なら、第三者的に考えることが出来てはじめて、人はこのことに気がつくものだから。私が日本現代史を考える場合に、完全に第三者的な立場に立つ事などはほとんど不可能だろう。

よく歴史を学ぶことを新幹線の車窓から見る景色にたとえることがある。観察者である私は客観的に観察しているつもりでも実は新幹線に乗り高速で移動している。車窓の景色は後ろに向かって飛び去っていくようだが、実はそれは大地に根を張った大木であるかもしれない。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/923/trackback

そのように考えるうち、歴史学の究極の目的は、実は自分自身の姿を思い描くことにあるのかもしれないと思うようになった。 目に映る対象の動きを相対的に思い描くことで、自らが何処から何処に行こうとしているのかを知る事が究極の目的ではないかと。 もちろん、これは余程鍛錬しないとできる事ではないが…


そのような発想の転換は1つの歴史的出来事について(それは唯一無二の出来事ではあるに違いないが)それを見る観測者の状況により、どのようにでも解釈できるということを気がつかせてくれる。
 
…昨今の様々な歴史観を巡るゴタゴタも結局そのことにつきるだろう。
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2013/6/21

『銃・病原菌・鉄』 18  お勧めの1冊

<データーベースとして>
中国の大学生数
1998年108万3600人
1999年159万7000人
2006年500万人突破
2012年680万人
2013年699万人(過去最多)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130620/chn13062009320002-n1.htm

大学卒業生の1/3しか就職がなく、初任給は精々3,000〜4,000元程度



『銃・病原菌・鉄』 下巻
著者は日本人が、効率のよいアルファベットやカナ文字でなく、書くのが大変な漢字を優先して使うのも、漢字の社会的ステイタスが高いからだと云うが、果たしてそうだろうか? p60(下巻)

一度でも漢字の代わりに仮名で全部文章を書き換えたら如何に判りにくく手間がかかるか、誰でもすぐ判ると思うが? この点に関しては明らかに著者は間違っていると思う。

現代イスラーム社会は、比較的保守的だが中世においては最も革新を受容する社会であったとの指摘は正しい。p67

著者はこの流れが反転したのは西暦1500年以降だとする。もしそうならこの時イスラーム社会で何が起こったのか?

人類史上には「強力な技術を自ら放棄し、その理由がよくわからない社会が存在する」とし、その例に鎖国時代の日本(鉄砲等)と、中国で外洋船が使われなくなった例を挙げる。多分これは明時代を指すのではないか?

著者はそのような事が起こった理由に共に「孤立した社会」だったことと「人口が十分に大きく」その中で全てが廻る事が出来た点を指摘する。
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