2016/12/30

マカオ着/アモイの間違い  

もしやと思い。通常アクセス禁止のteacupに接続するとOKだった。

昨夜は結構遅くマカオについたので以上。また詳しく帰国後。



<忘れないうちに1事>
泊まった外資系ホテルでは日本のテレビも含め様々な報道を観る事ができた。

稲田防衛大臣が靖国参詣をしたことを伝えていたが、国で少し報道の仕方が違うことに気がついた。サンプル数が少ないのでどのくらい全体像を表しているかわからないが、一言。

中国のCCTVなどではあまり大々的に報道されていない。テロップで出たくらいだ。一方、English speaker用の番組では安倍氏の真珠湾慰霊とセットで報道されていた。これはどういうことなのか? 欧米系のマスコミではやはり多少の疑いを持って見ているということなのか? 中国や韓国がそうなのは理解できるが、欧米系でもそのような見方があるのは残念だ。

それにしても稲田さんもこうした反応がある得ることが十分に予測できたと思うが、思慮が足らないなと思うがどうだろう? 安倍さんは嫌いだが、先の訪問にそれなりの評価をした者としては、それに水を差すようなことをした稲田のおばさんには残念な思いがした。

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2016/12/27

Drug repositioning 2 or Statin again?!  教育

27日から1週間ほど中国に行ってきます。このteacupはアクセス禁ですのでしばらく更新できませんが、backup siteには書きこむかもしれません。
http://blog.goo.ne.jp/bigsur5252

向こうでの予定は、、、  わかりません(笑)




1つの薬を売り出すまでに、莫大な費用と10年以上の時間がかかる。それゆえ、すでに使われている医薬品の新規の薬理作用を見出し、別の治療に使えるようになれば時間とコストが大幅にカットできる。そこで最近流行っているのが、このDrug repositioning。その2弾目


Statin Again!

またStatinの別の効果?最近、Nature に報告された日本人研究者の論文。

注意! 専門外なので内容に間違いもあるかも?


Statin treatment rescues FGFR3 skeletal dysplasia phenotypes
Nature 513, 507-511 (2014)



患者のfibroblastからiPS cell 樹立し、これを軟骨に分化すると42day でSafranin O染色性出現 (Fig1a) これは自然に見られるものより大きい変化、in vitro故か?(スクリーニングには有利)

mutant typeのFGFR3タンパクの発現は分解抵抗性により上昇、feedbackでmRNA発現は抑制
(Fig 1b)

発現をみるとmarker のSOX9は14 dayまで共に上昇。その後mutantでは減少、正常では上昇
正常ではさらにday 14以後にmarkerのCOL2A1とACAN上昇、mutantでは減少
(Fig. 1d)

顕鏡化の変化は14dayまで同じだが、28dayではmutantでapoptosis誘導され、増殖低下(Fig 1 f)

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shRNAでmutant typeを抑制すると回復する。(Fig. 2 bd) →確認

Statins rescue TD1-iPS-derived cartel (Fig. 3)
必ずしもHigh throughputではない=statinが軟骨細胞に対するanabolic effectあることが報告済み
Safranin O染色性回復(Fig3 a) 増殖回復(Fig. 3b) 分解復活(Fig 3c) ⇄ mRNAの発現回復(Fig 3d)

Mutant typeのFgfr3ACHのtransgenic miceモデルでの効果:毎日注射 回復

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2016/12/26

『画像のなかの中国と日本』  お勧めの1冊

ヨーロッパでテロが続く。今度のドイツのテロもチュニジア出身の移民だったらしい。彼らがソフトターゲットを狙う戦術に移った以上。テロはこれからも続くだろう。またロシアの飛行機が墜落したらしいが、果たしてこれは事故なのか? それともテロなのか? 

そうしたテロはアジアに波及することはないのか? いや、アジアは別というのは甘いだろう。インドネシアでもかつてテロがあったし、フィリピンやバングラディッシュでもキナ臭い動きがある。これまで比較的安全だった日本もオリンピックを迎え、テロ時代に入るかもしれない。難儀なことだ。



『画像のなかの中国と日本』
東田雅博著、山川出版社、1998年初版。

流し読み出来る内容。少なくとも半分以上読んでも挿絵の紹介にとどまり、それ以上の深い分析を感じないが、どうだろう?

驚きだったのは19世紀の後半(1852年)になっても、英国の『パンチ』と呼ばれるイエロー・ジャーナリズムに描かれる日本は、300年前に描かれるものと大差ない全くの無知によるものだったという事実。例えばそこに描かれる日本人は黒人だった。p059

中国の近代化と日本の近代化に対するイメージの違いは前者が旧態にしがみついた姿に描かれているのに対し、日本のそれは「滑稽なほどに」外国の風俗や制度に対する急激な熱狂を「冷ややかに」見ていたようだ。p103

さて、ここまで読んできたが、如何だろう? これから先も読む価値があるのだろうか?
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2016/12/25

『異端者の群れ』6 & 大学の価値  お勧めの1冊

<大学入試と入社採用の違い>
「大学の根幹にかかわる入試、進化が必要」
宮内義彦氏の経営者ブログより。
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO10975900S6A221C1000000/?df=3

語られていることは納得できる。しかし企業と大学では求めるものが違う。そこに入試と就活の違いがある。

企業であれば求める人材は「知力」よりも「実行力」であるし、また試験については「公平さ」よりも「結果」が問われる。しかし大学はあくまで学問と教育の場。知力を磨くことが最重要であり、それ以外の能力は二次的な関心事。例えば大学では、少しくらい生意気で非常識な若者でも能力があれば「良し」
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3482/trackback

また入試は「教育の機会均等」が至上命令。それを就職採用試験と混同するのは大きな間違いだろう。むしろ就職試験においては学歴や成績に惑わされない、それこそ企業独自の千里眼が求められるのではないか? それが今まで学歴などで採用していた企業側に問題があるのではないか? 

何よりも根本的間違いは、大学は就職のための予備校ではないということ。アップルのジョブズやマイクロソフトのゲイツのような若者に「創造性揺籃の地」であることが大学の真の役割であるということだ。だから彼らは大学卒業証書を必要としなかった。しかしかれら自身が語っているように大学は創造を育む環境を与えた。それで十分なのだ。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/2426/trackback


『異端者の群れ』6
現代我々が見るカルカッソンヌの城は、城壁に囲まれる面積に比べ、明らかに巨大すぎて過剰すぎることを著者は実際にその周囲を歩いて回ることで気がつく。p238 事実この城が今の形をとったのは13世紀後半から14世紀にかけてのもので、アルビジョワ十字軍時代のものではない。カペー朝が南仏を支配した後、南仏制圧の要塞として改修増築されたものらしい。p239

カルカッソンヌでの戦闘がほぼこの十字軍の勝敗を決したようだ。その後は十字軍に参加した諸侯たちは帰国しはじめ(特にイギリスとの攻防を控えたイル・ド・フランスの諸侯についてはここにいつく余裕はなかたらしい)そこで後を任された、シモン・ド・モンフォールの活躍になる。それからは手持ちの軍勢に限界があることからも、この城を拠点に反乱の狼煙が上がると放射状に鎮圧に向かうような状態だったらしい。

まとめてみると、

当初(法王主体ではじまり)国王を疎外してはじまった十字軍が、結局は国王の征服戦として収束した。p310

ということみたいだ。ただし、その結果、(狭義の)異端者は完全にいなくなったわけではなく、鎮圧されたのは異端を支持する地元の権力構造であり、狭義の異端者は活動こそ不自由になったが、ほとんど無傷で残っていたと。またそれがその後の「異端審問」が盛んになった背景がある。著者によればこの異端審問こそがアルビジョア十字軍が歴史に残した最悪の落とし子だとする。p316
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2016/12/24

『異端者の群れ』5 & 天皇誕生日に思う  お勧めの1冊

<天皇誕生日に思う>
内田氏が『街場の憂国論』で日本が、

『(天皇制という)経済合理性になじまない制度により、この国がかろうじて統合されている事実に直面することになる』 と指摘していた。

個人的には天皇制は『Fade out でなくFade away』にしたい立場だとかつて述べたことがある。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3406/trackback

『積極的に天皇制廃止をいうわけではない。(しかし)そのような伝統があるということが時に浮かび上がるのはそれなりによいことだと思う』 という消極的な立場?

それが内田氏の指摘により、気付かされたような気がする。そう、天皇制というものを日本の統合の「象徴」として私が認めているというだけでなく、それ以外にこの国を統合するものがないことに対する密かな信仰告白だろうか? 

だから、Fade out でなくFade awayなのだ。「消え去る」のではなく、時にそれが国民全員の意識の中に時として「よみがえる」状態を好ましく思っているということなのだろう。

<譲位>
いろいろな人が譲位について、意見を述べている。その中であの櫻井よしこ氏の言葉の中に、当女史が天皇自身については想いをはせることなく、制度の維持をなによりも大切に考えていることが判り、成る程ねと感じた。女史にとっては天皇の人間としての存在には無関心ということだろう。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4150/trackback


『異端者の群れ』5
異端の支持者は新興の商人が多かったらしい。p201
ここでピレネーの領主、フォア伯が出てくる。p205 まさにあの『モンタイユー』の舞台である。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/153/trackback

あの物語の中で登場するフォア伯は、教会に対立するというよりもパミエ司教に圧迫されて、彼の押し付ける羊の十分の一税を村民に課したような話になっているが、ここでは率先して教会を襲ってその所有する財産を強奪する立場で描かれている。どちらが正しいのか、あるいはここで語られるフォア伯は『モンタイユー』で出てくる伯の先代なのか? 今のところ不明。

フォアはピレネーの北の山麓、ガロンヌ川の上流の山岳地帯である。さらに上流に、あのモンセギュールやモンタイユーに至り、逆に川を下るとパミエ、さらにトゥールーズに至る。
https://www.google.co.jp/maps/@43.1232546,1.8869215,9z

さて、アルビジョア十字軍に話は至る。トゥールーズの大司教は放逐され、代わりに登場したのがフルク・ド・マルセイユ。p213 彼こそ、かつての吟遊詩人のフーケ・ド・マルセイユに違いない。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/40/trackback

この十字軍を起こしたのは法王のインノケンティウス3世であるが、彼はこの地の「切り取り勝手」を明示し、p220 これが北フランスの騎士達の欲望を掻き立てた。この十字軍による南仏の蹂躙がカペー朝が本格的にフランス全土を支配する契機になったと他の本で書いてあった。
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2016/12/23

『中国が普通の大国になる日』3  お勧めの1冊

『中国が普通の大国になる日』3
中国には、以上書かれたような様々な経済上の問題があるが、それでももっと根源的な問題に比べれば今までの問題は個人的には軽いと考えている。その根源的問題というのが「人口学的危機」と呼ぶもの。

まつ1つ目の危機は、巨大な人口を抱える中国の少子高齢化。そして2番目の危機が男女の人口アンバランス。ともに今ここにある危機だ。わかっているが容易に解決法が見当たらないもの。もともと歴史的問題というものはそうしたものだが。

2010年時点で、男女のアンバランスは20歳以下で3,000万人女性が足らない。歴史的にみれば100年ほど前に同じような状況があったと著者はいう、その歴史教訓によればそれが農民一揆を引き起こしという、その例が「太平天国の乱」だとも。こうした人口問題は一度歪みが生じると解決が難しい問題。p157 

「太平天国の乱」が男女比率のアンバランスから生じたとする説は初めて聞いた。
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2016/12/22

Drug repositioning  教育

1つの薬を売り出すまでに、12億ドルと10年以上の時間がかかる、創薬はリスキーな商売。それゆえ、すでに使われている医薬品の新規の薬理作用を見出し、別の治療に使えるようになれば時間とコストが大幅にカットできる。この試みをDrug repositioningと呼び、世界で進められている。

最近、Nature Cell Biology18, (2016) DOI: 10.1038/ncb3427 に報告された日本人研究者の論文。

注意! 専門外なので内容に間違いもあるかも?


キーワード
<変異p53>
p53 はもともとSV40 によりか癌化した細胞内でウイルス蛋白質に結合する分子量53kDaの細胞蛋白質をコードする癌遺伝子として同定された。その後、そのp53 遺伝子が癌細胞では欠失していることが明らかにされ、最終的にはこれが「既に突然変異を持つ」p53 遺伝子であったことか判明した。それゆえ、現在ではp53そのものは「癌抑制遺伝子」として知られ、「変異p53」がdominant-negativeに働き癌化の維持に必要とされる。

<statin>
著者らはhigh-throughput screeningによりstatin(HMG-CoA還元酵素阻害薬>コレステロール低下薬)がこの変異p53の分解に関与し癌細胞増殖抑制に働き治療への道を開いた。(Fig. 3)

<Protein degradation pathway>
Statin or MVKのKD→CHIP ubiquitin ligase-mediated nuclear export↑ > mutp53-ubiquitylation↑ > (UUU-mutp53⇆DNAJA1で相互作用が抑制され) > mutp53 degradation↑

<CHIPはHsc70-binding protein>

<DNAJA1⇆mutp53>
ヒトHsp40 family member(シャペロンシステム)のサブユニットでこのKDによってもmutp53の分解起こす。

<MDM2>wtp53>
p53のE3ユビキチンリガーゼとして機能しp53のプロテアソーム分解を促進する。これとは違う経路でmutp53はubiquitylation化され分解される。

Statins induce mutp53 degradation by CHIP

方法
1st screening & 2ndscreening (S. Fig.1)

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Saos2,p53 null mutantにp53R175H-Luc導入し、9000個の化合物をスクリーニングしてLuc↓の44個
44-8 = 36 = false positive
Top 10-3 = 7 = p53R175H自体の分解に効果なし or wtp53の分解(S.Fig1 b)
3 = lovastatin, atorvastatin, mevastatin

別のCell line, SK-Br-3 and U2OSでも確認、変異タンパク特異性確認 (Fig.1 a)
24hで効果あり(S. Fig1 c)
変異サイト:効果あるもの(conformational mutant)と、ないもの(DNA contact mutant)がある。 (Fig.1c, S. Fig 1e)
p53R248Wはfold/native型もunfold/denature型も発現する。IPでunfold/denature型のみ薬剤で低下させていることを示す(Fig.1d)

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StatinはmRNAの転写には影響しないが(S. Fig. 2a)、mutp53の分解を促進し(Fig 2a)これはUbq化の促進による(S.Fig 2c)

MDM2 (native p53のUbq化に関与)のKDは無関係(Fig. 2b, S.Fig.2d) 
だが、CHIP(=misfolded proteinのUbq化・分解)のKDで効果あり(分解抑制)(Fig. 2cd & S.Fig. 2e)
細胞内局在:statinは細胞質に移動させ分解させる。(Fig. 2 e)
LMB(nuclear export inhibitor)はrescueする=nuclear exportは必要(Fig. 2f)
shCHIPによるKDは完全にrescueする。=CHIPは必要(Fig. 2g, S. Fig. 2f)

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Reduced MVP mirrors statin effects on mutp53
Fig. 3aに示されるstatin以外の阻害剤は効果なし。(Fig. 3b)
MVA, MVPはrescueする=分解はmevalonate pathway の阻害で起こる。(Fig. 3c)
ただし、MVA-5PPでは起こらない。(Fig. 3d, S.Fig3b)
MVK(mevalonate kinase)のKDも分解引き起こし(Fig.3e, f) MVPの添加はそれをrescueする(Fig.3 g)
MVKのKD効果はCHIPのKDで解消される(Fig.3 h,i)
PMVK, MVDのKDは効果なし(Fig. 3j)

MVPのmutp53の分解についての役割はprotein prenylation(翻訳後修飾)とは独立している
  *疎水性のプレニル基をタンパク質(-Cys)に付加する反応(geranyl-geranylation, farnesylation)

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Statins favourable impede mutp53-tumor growth
これまでわかていること
@ Statinはタンパクのプレニル化抑制を介して癌特性を抑制
A mutp53はmevalonate pathwayをupregulateする
B タンパクのプレニル化を抑制するとmutp53発現胸腺細胞の3D増殖を抑制
今回、さらにstatinがmutp53発現がん細胞の増殖とコロニー形成を選択的(vs p53wt)に抑制(Fig. 4ab)
変異選択性もあり
R175H > R273H ≧ wt = null --- viability R175H > R273H=wt = null --- CFU
これはMVA添加でrescueされる(Fig.4 c) が、
同時にMVA-5PPでも部分的にrescue されるのはタンパクのプレニル化抑制との共同抑制効果?subG1 & G1/S (S. Fig.4c)ではKHOS/NP(p53R175P)で効果あるもU2OS(p53wt)なし。(S.Fig4c)
腫瘍増殖もKHOS/NP(p53R175P)、CAL33(p53R175H)で抑制するが、ただし体重変化なし。 (Fig 4d, S.Fig4d、e)
免染の結果 Ki67↓、caspase ↑(Fig 4e, S.Fig 4f)

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Statins reduce growth of p53 R175H MEFs
Tumorの初期ステージではp53wtとmutp53が共存する。それでp53wt/ mutp53のhetero状態でのStatin効果を調べた。
p53wt↑ → p21↑ → Growth↓, Aging ↑
     →PUMA↑ → Apoptosis
予想どうりStatinはmutp53持つMEF選択的にviability↓、CFU↓(Fig. 5a, S.Fig 5c))
腫瘍抑制効果もmutp53持つMEF選択的に示す(Fig. 5b)
興味深いことに、ヘテロでのStatinの効果はホモ {mutp53(-/-)と同程度} と同程度=wtp53の活性が十分ではない(Fig.5a, b)

wtp53の活性化を起こすdoxorubicin投与はホモでもヘテロでも同様の効果示し、(Fig. 5c) 下流のp21やBaxを発現上昇させる(Fig. 5d)(ただしmutp53やnullでは効果なし)
p21:p53依存性サイクリン依存性キナーゼ阻害因子=細胞停止起こす
Bax: p53依存性apotosis誘導因子

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DNAJA1 knockdown induce mutp53 degradation
CHIPはHsc70-binding proteinだがHsc70のKDは効果なし(Fig. 6a, d)
Hsp90は無関係=Statin処理で変化なし、Hsp90関連蛋白(EGFR, Raf-1, ErbB2)も無関係(S.Fig.6a)

その他にHsp40=DNAJがmutp53にbindすることが知られていた。Hsp40=DNAJは41 isoformsが知られていたので、その中なら幾つか選んで解析した。Hsp40, DNAJA1, DNAJB1など。
DNAJA1, DNAJB1のKDがmutp53R175Hの減少を示した(Fig. 6b)が、mutp53R156Pの減少はDNAJA1のKDのみ。(Fig.6c) さらに、DNAJB1のKDとL(statin)のダブル効果あるので、独立の事象。

DNAJA1のKDの効果はconformation typeのみ、DNA contact typeには無効果(Fig. 6 e)
CHIPのKDはDNAJA1のKDを無効にする。(fig.6 f)
DNAJA1のKD効果はCHIPのKD でrescueされる(Fig. 6 g) 
=CHIP によるnuclear export効果が分解に必要
LMB (leptomycin B=核外輸送シグナル阻害剤 )処理でも分解されなくなる。(S.Fig. 6 b)
CHIPとDNAJA1のdouble KDでUb化が過剰におこる?(Fig. 6h)

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DNAJA1 nullifies statins’ effect on mutp53
DNAJA1のoverexpressionで分解は抑制される(Fig.7 a-c)
L(statin)の処理7h(分解前)の時点でDNAJA1 のmutp53への結合が阻害され分解される(S.Fig a)。
このL(statin)の阻害はMVP添加でrescueされる(Fig. 7d, S.Fig.7 7b)
MVKのKDでの相互作用の阻害もMVP添加でrescueされる(Fig. 7e) ---細胞内の移動によらない
L(statin)の処理でmutp53とCHIPの相互作用を上昇させる(Fig.7 f, S.Fig.7c)

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結論:MVP↓→ DNAJA1-mutp53↓→CHIP-mutp53↑→nuclear export / Ubq化 →mutp53分解
(S. Fig. 7d)


Discussion
mutp53はmevalonate経路を上昇させることが知られている。そうなると、MVPの合成を上昇させprotein prenylationと、今回明らかにしたmutp53安定化により、癌細胞の増殖を上昇させるPositive feedback loopが出来上がる。

彼らの使用量は現在臨床で広く使用されている量よりもやや多い程度。
@MVPがどのようにしてDNAJA1とmutp53の相互作用に影響しているかは以前不明
(可能性:protein foldingの変化、翻訳後修飾, 他のタンパクの活性化や量的変化を介してのDNAJA1-mutp53の相互作用に影響?)
@他のHsp40/DNAJA memberについても不明
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2016/12/22

『異端者の群れ』4  お勧めの1冊

『異端者の群れ』4
アルルの古代円形闘技場は中世、砦に改造され騎士達のアパート(シャトー・デ・ザレーヌ)となったとか。知らなかった。面白い。p102
http://www.france-ya.com/lvp/tourisme/ville/arles/romain/index.htm

先に述べたように南仏は中世の一時期、完全に荒廃した。それを表すものとして、ラングドックに関する記述がカロリング朝の中央文書に最後に記載されるのがAD955で、その後、カペー朝の文書に現れるのがAD1134だとか。すなわち2世紀近くも中央政権との間に空白があったとか。p111

前回、異端による宗教会議がサン・フェリクスで開かれたという記述があったことを紹介したが、これを主催したのはコンスタンチノープルからやってきたニケタスという人物らしい。p117
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4762/trackback

ここで著者は、カタリ派の異端者が現世に背を向けた人たちであったにもかかわらず、地域社会の極めて広い範囲に支持されていたのは何故か?という問題にはいる。p179

その理由の1つに簡単に救慰礼を授けられる方法をカタリ派は考案した。つまり死期が近づいた重病人や重傷人に例外的にカタリ派による終油の秘蹟をおこない入信させる仕組みを作ったのだ。普通の人ではあまりにも厳しいカタリ派の禁欲生活に耐えられないだろうが、死期を迎えた人にはその可能性を開くというもの。p180

『既成の一切のモラルから解放されて、しかも安心立命を保証される… 特殊な精神的環境の中で現世の赤裸々な衝動、野心の命ずるままの行動を解き放つのに、これくらい見事な条件がまたと考えられるであろうか』と著者は言う。 p190
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2016/12/21

『異端者の群れ』3  お勧めの1冊

『異端者の群れ』3
ここで当時の農業についての記載がある。南仏では驚くことにこの時代収穫量は平均で、平地で3〜4倍、山間部では2倍程度という記録があるらしい。アジアやエジプトの古代と比べても極めて効率が悪い。古代エジプトでの収穫量は30倍とされている。確かにこの数字はロマネスク期以前の西欧中世期で3倍というのに相当する。それからほとんど進歩がないということだ。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/1509/trackback

それに対し、この時代、「革新の12世紀」を経た北フランスでの収穫量は8〜15倍まで増えたとか。p93
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/79/trackback

この理由の1つには技術革新の有無があるとのことだが、それ以上の問題として農場経営の不備があるらしい。それはあのサンジェルマン・デ・プレの史料で判る、緻密な経営とはおよそほど遠いとか。p94
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/113/trackback

その原因となったものが、法秩序のなさで、教会領や修道院の土地が無法者の領主により常に侵されていたとか。p95 いずれにせよ、南仏はイル・ド・フランスで見られた農業の飛躍的発展から取り残されたとする。p97 そのような分裂割拠の時代が南仏で異端が跋扈する条件をつくっていたに違いない。
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2016/12/20

『異端者の群れ』2  お勧めの1冊

『異端者の群れ』2
我々が果樹園を想像するとき集約的なものをイメージするが、著者によれば南仏のそれは最も粗放なものだとか。中世には殺虫や施肥はおろか、棚も作らず、地上から30〜60cmのところで芯を留めるだけだったとか。p59

著者は別のところで異端運動の展開とトルバドールの流行が時期的に並行していることに注目する。これらの発想の底に何か交響するものがあるのだろうかと語る。p67
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/40/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/107/trackback

南仏の歴史史料として、当時マルセイユの入江に要塞のように建つ、サン・ビクトール寺の文書集を取り上げる。これはサン・ビクトール修道院のことか? 
http://www.tabi2ikitai.com/france/j0301a/a01001.html

そして、それとともにあの有名なパリのサン・ジェルマン・デ・プレ教会の文書集も。p85 後者については何度かここでも話題にした。実に豊富な史料、第1級の史料である。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/113/trackback
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/28/trackback

この文書集の中にマルセイユ地帯が最初の世紀末の頃、一度荒廃したことが記されているという。曰く、

『…人の住みにし地も、こののち野獣の棲家と変じ果てり』p86

この理由として年代記はイスラームの侵入をあげている。p84 これについてはまたいずれ日を改めて。
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