2017/3/10

『国家はなぜ衰退するのか』4  お勧めの1冊

違法性が確認できないので参考人招致できないというのは論理的ではない。違法性があれば、司法のマター、国会が出る幕はない。

それにしても、「こうした事件よりも北朝鮮のミサイルの方が重要だ」というのは額面通りでは、その通りだが、だから「こんなことで国会の時間を潰すのは無駄だ」というのには<無理筋>を感じる。どうも、こうした理屈を振り回す人は、そうした<無理筋>を通すことに矛盾を感じないのか、そうした思考回路が出来上がっているみたいだ。




『国家はなぜ衰退するのか』4
著者は経済と政治の双方の制度が国家の貧富を決めるという。p75 そして経済制度は政治と政治制度だとする。p76

この著者も世界の格差が生まれたのは18世紀末以降だという、その前はそれほど差は大きくなかったという。p84


追記:
このことは『10万年の世界経済史』の著者も『21世紀の資本』のピケティも述べていた。そこから出る結論は著者により様々だがこうして3人の異なる理論と結論をもつ著者が同じ理解をしてしていることは注目すべき。このことが我々一般的な常識からかけ離れているだけに特に重要だ。


経済格差は気候でも地理的違いでもないとして、その理由にコロンブスが新大陸を発見した時は熱帯地帯の方が、温帯地域より文化的に上だったし、インカやアステカと当時の北米やアルゼンチン地帯の旧石器文化を対比させる。p86

ここで著者らは『役に立たない理論』として第2章で批判するなかで、あの進化生物学者で『鉄、銃、病原体』の著者でもある、ジャレット・ダイヤモンドを批判する。p88 著者らによれば、彼の仮説に代表される風土説はまさに『役に立たない理論』の1つだと。例えば、スペイン人がインカやアステカを侵略した時、スペイン人の所得と彼らの所得の差は2倍にもなっていなかったが、現在は6倍あまりになっているという。風土や地理的環境になんら変化がないにもかかわらずである。p89

また、当時のインカやアステカの文明は北米の新石器時代のそれよりはるかに進歩していたが、それはやがて覆される。p93 同様なことは中東でも然り。世界で最初の町が建設されたのは現代のイラクだし、鉄が最初に精錬されたのもトルコ、中世になっても中東はテクノロジーが活発に開発利用された場所だった。それは、アッバース朝のバグダッドやホラーサンをあげれば十分だろう。

次に西アフリカの例を挙げる。コンゴはヨーロッパから優れたテクノロジーをとりいれることができたが、実際にとりいれたのは奴隷を捕まえることができる武器=「銃」であり、鎌や車輪で農業の生産性を挙げるものをとりいれることはなかった。何故なら『奴隷を輸出する方がはるかに儲かった』からだ p98

さらに最近の中国についての言及もある。大躍進や文革で、数百万人を餓死に陥れた経済政策から、近年の急速な発展を示している国だが、それは無知から脱出して正しい知識を指導部がとりいれたからではない、と著者はいう。そうではなくて、『とう小平と盟友が(かれらはライバルに劣らず利己的だったが)党の指導体制や方針を根本的に変えたからだ』と。p107
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