2017/3/14

『国家はなぜ衰退するのか』7  お勧めの1冊

<幽霊話>
日曜いろいろな放送局で3-11関連の話題が流れていた。その中で印象に残ったこと1つ。 

震災後に「幽霊」騒ぎがあちこちで起こっているらしい。否、「騒ぎ」にはなっていない。淡々と幽霊との遭遇を語る人がいるとか。特にタクシーの運転手さんがよく体験されるとも。そしてそれは「無賃乗車」として淡々と処理されているとか。この話を聞いて、この幽霊話が「作り話」というよりは、「やはり幽霊を見る人がいるんだよな〜」という納得感の方が素直に出てきた。 

我々の感覚そのものが一種の幻であり、この世界は脳が便宜上(この場合は震災という苛烈な体験からの補償反応として)一時的に構築したものだとの理解に立てば十分に納得できること。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/22/trackback


<脱原発は可能か?>
2011年の電気使用量に対し2016年は69.9%、ガス使用量は79.5%。水道だけは特に気を使ってないので、変化なしの98.4%。 電気は3割の節電。ガスは2割の省エネ。個人のレベルでは脱原発は可能? 

なんでも「数字でナンボ」の議論から入らないと具体性は見えてこない



『国家はなぜ衰退するのか』7
著者は典型的な制度派、そして収奪的な政治・経済制度であるかぎり<持続的>な成長は起こらないという。ただし、成長が全く起こらないとは著者は述べていない。収奪的であるがゆえに、収奪的すべき富を生み出さないといけないから、政治的に経済活動を刺激することはできるという。p177 その例として、キューバやハイチ、ジャマイカといったカリブ海における砂糖産業や、スターリンによる工業化をあげる。p180 しかし、どちらも奴隷や、ロシアの農業を犠牲にした。

ここで訳者は「収奪的」という言葉に対比させて「包括的」という言葉を当てている。この意味がよくわからない。本来は原著を辿らないといけないのだが、これは今後の課題。一般的にはcomprehensiveか、inclusiveだろうが、「収奪的」の対比語としてはどうか? どうも正確に表現していない気がする。

ここで著者は2つのグループ、アフリカのコンゴに流れるカサイ川を隔てて生きる2つの部族を対比させる。この2つの部族は共通の起源と同一系の言語をもち衣食住を含め文化もほぼ共通だが、1つの部族(ブショング族)は豊かで、他方(レレ族)は貧しい。その違いを政治制度で説明する。前者は大幅に中央集権化され高度な構造を持っていたが後者にはそれがない。p189 また後者が20歳で結婚し、若いうちから農業に従事するのに、後者は35歳で結婚し畑仕事をはじめるが、それまでは戦いと襲撃に明け暮れているという。p190 いずれも収奪的制度を持つが、前者はそれでもある程度の経済的成功が見られるとも。p191 しかし、やがてヨーロツパ人(ベルギー)が19世紀にこの地に訪れるまで後者(グバ王国)にはこれ以上の成功はなかったとも。

ここから、ソ連がその収奪的政治制度によりある程度の成功は認められても、それ以上には発展せず、結果的に崩壊したこと。p191 さらには、現代の中国の猛烈な経済成長すらも将来的な持続的発展の可能性は低いとしている。p209 ところで、ここでも挙げたように、この本には多くの箇所で現代の中国の経済発展についての予測なり診断が簡単になされている。明言はされていないが、著者の予測するところは明らかだ。それ故この本の真価は近い将来、正当に評価されることになる。
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ