2017/9/30

究極の判断 & 『暴走する資本主義』4  お勧めの1冊

<解散総選挙>
安倍さんとしては「今なら勝てる」と思っての解散だったと思う。新党準備が整う前の奇襲作戦? ところが民進党は解党・希望の党への合流という「禁じ手」を出してきた。これで一挙に政局が流動化して 

真珠湾のつもりがミッドウェーとなりかねない」事態となった。 

それと年末以降、つまり中国の党大会後で、かつ米軍の準備が整った時点でアメリカは北朝鮮で行動を起こす可能性がある。それならば、その前に総選挙をという判断があったかもしれない。案外、駆け引き上手のトランプさんのことだから、

「シンゾウ、実はね」 くらいは囁いたかも?

しかし、一旦戦火が開けば韓国はもとより、中国も日本も甚大な被害を覚悟しないといけない。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5088/trackback

戦争を避ける努力を日本もすべきだと思うが、果たして安倍氏にそれができるか? トランプさんの口車に乗ったかどうかは知らないが、「対話でなく圧力」と言ったくらいだから、それはないだろう。そうすると、最悪のシナリオも考えないといけないだろう。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5061/trackback

今回の選挙は私にとって選ぶべき選択肢がない選挙だが、それならば、「最悪のシナリオを避けるべき行動をとる」というのが1つの判断になる。


役場で各種証明書の自動交付機が廃止になった。これまで窓口の空いていない夜でもカードで戸籍証明や印鑑証明などがとれていたので重宝していたが廃止になる。これに代わるもの(他の自治体はコンビニ交付)は今のとこと予定されていないようだ。係りの人に何故廃止になったのか聞いてみたが「契約切れ」という返事しか返ってこなかった。多分セキュリティーの問題があったのだろう。ネットで調べてみるとやはり全国的にこの交付機が廃止になっている。
http://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000018194.html
http://www.city.suginami.tokyo.jp/guide/annai/kuminjimusho/1004466.html

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『暴走する資本主義』4
3章では「我々の中にある二面性」が話題となる。つまり、

『消費者として、できる限り効率を上げなければ、別の店で買い物をすると脅し、投資家として、十分な収益をもたらさなければカネを他に移す』 として圧力をかけ、勝ち組に莫大な富を、負け組に突然の失業をもたらしたという。p132

お買い得品は給与カットか、失業をもたらしたと。その結果、輸入品にまけて職を失った製造業労働者は新しい職についても給与は2002年段階で、平均13%低く、また自動化で転職を余儀なくされた人は平均12%給与はダウンしたとか。p136 

あるいは、1980年段階では、大中企業の8割以上の労働者は確定給付付年金を受け取っていたが、2006年には3割まで落ち、なんの保証もない確定拠出型プランに移行されたとか。p140 確定拠出型プランというのは一時「日本版401k」として有名になったが、個人が運用しないといけないし、当然運用ミスもある代物。企業によっては全てこれに変更されたところもあるとか聞いたことがある? さぞかし企業は身軽になったことだろう。

1950からほぼ平行に推移していた、時間あたりの生産量と時間あたりの実質賃金は1980年以降乖離が起こっていることを数字で示す。p141 実にわかりやすく、数字できちんと検証されているので信頼性がある。この図↓ は先日も出したものと同じ

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2017/9/29

『暴走する資本主義』3  お勧めの1冊

<私には自信はない>
1945年から戦争観が変わらず、今日の世界情勢に対応できない「平和主義」に対するshinzei氏の辛辣な批判。それに対し一言、私見を述べてみた。
http://shinzei-co-led.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/shinzei-77f2.html

blog主の主張、それは判らないではない。事実そうした平和主義に対し、違和感を感じている自分がいる。しかし考えてみよう、戦後70年以上、日本は1人の戦死者も出さずにきた。

一方、世界最強の軍隊を持つ米国はイラク戦争だけでも4,000人の戦死者を出し、その遺産とも言えるISとの終わりのない戦争を今尚闘っている。そしてその同盟国、韓国は直接本国と関係のないベトナム戦争に参戦し5,000人の犠牲者を出したと聞く。もし集団的自衛権を認めたら当然日本もアメリカの戦争に傍観者ではいられない。それだけの犠牲を払う覚悟があるのか? 

実際に日本人戦死者を出したとき。これまで「1人の犠牲者を出してこなかった70年間の事実」に対して、それでも「正しい選択であった」と胸を張り主張できるか? 

…少なくとも私にはそのような自信はない。




『暴走する資本主義』3
2章の「超資本主義の道」はとりたてて特別なことが書かれているわけではない。米国の巨大企業がどんどん70年代以降に力を失う過程がこれまで色々なところで論じられていたことが繰り返し説明されている。

ではなぜ、1970年以降状況が変わったのか? 著者はこれを「消費者と投資家がより多くの選択肢を得た」からだとする。p70 

一方、ピケティはそれをr > g の不等式で表していた。どちらが正しいかは判らない。しかし「事実」は両者の間で同意されている。違いは理論。もっともピケティは理論を語らない。彼曰く、

『論理的必然ではなく、歴史的事実』 だと。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4451/trackback

素人判断ではやはりグローバル化とネット革命ではないかと思う。グローバル化により企業は最もコストの安い場所に生産地を移し、安価な労働力を使い安い製品を作り出してきた。これだけグローバル化が進むと「マクロ経済」が成り立ってこなくなると述べた経済評論家がいたが、それはそうかもしれないと思う。

そしてIT化は、それまで大手により独占されていた市場に様々な組織が参入できるようになった。さらに規制緩和がそれを後押しした。そして終幕が著者のいう<見せかけの黄金時代>を支えた『巨大寡占企業や労働組合の崩壊』だとも。p76, p81  
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2017/9/28

王岐山は陳廷敬を真似る? & 『暴走する資本主義』2  お勧めの1冊

<王岐山は陳廷敬を真似るだろう>
遠藤先生のコラムに、王岐山の去就が話題になっている。『年齢オーバーした王岐山を留任させる』か? と。
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20170925-00076127/

それはないと思う。王岐山の愛読書が先の『紫禁城の月』で、周りにも勧めてもいるとのことだったので、彼がこの本の最後の場面、陳廷敬が宮廷を離れる場面を忘れているはずはないから。 

訳者のyichintangさんに私のこの疑問について伺ったら、やはり最後のところは私が思った通りのことだったらしい。

http://blog.goo.ne.jp/yichintang/e/2fbfd72a70f4422ed29dd5bba103ae6a#comment-list

『紫禁城の月』については、いずれここで紹介する予定。



『暴走する資本主義』2
1945年から、1975年にかけて著者は「黄金時代」のようなもの=「見せかけの黄金時代」だとする。p20 p68 共産圏と資本主義圏の間で冷戦が行われていたが、実は同じように「計画経済」が進行していたという。即ち、米国の大企業で進行していた大量生産は「時間と資本」の固定化を必要としていてリスクはとれなかったことから、競争と革新よりもスケールメリットを追求した。そしてそれを遂行するためには労働組合との1本化した交渉の方が有利だった。p51

ここで著者は1913年から1969年までの「所得最上位層の階層の所得が全個人所得に占める割合の図」を示すが、これによれば少なくとも1969年まではその割合は低下していた。これは是非、トマ・ピケティが示した図と比較する必要がある。p50 
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4449/trackback

追記:上の記事を書いたのは1週間ほど前だが、今日Uploadするにあたり、改めて出典を見てみたらこの図はトマ・ピケティが2003年に出した論文(Quarterly Journal of Economics 118, no1)からの引用だった!! 通りで!

つまりこの時代=「見せかけの黄金時代」は「経済と政治の融合」の時代で巨大企業は大量生産のスケールメリットにより生産性を上げ、その恩恵は労働者も政府を介在として享受したということだろう。p63 

この状況が変化するのは1970年以降、急激に格差が広がることになるのは既にピケティの『21世紀の資本』で見てきた通り。
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2017/9/27

どこかに「間違い」あるいは「嘘」があるにちがいない  試行,指向,志向、思考

今朝(火曜)のニュースによれば、2012年12月からの、所謂<景気回復>は、『いざなぎ景気』を超えたとか。しかし実感がともなわないとも。

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ニュース解説者はその理由に 「景気のレベルアップの程度が低いから」 というが、それは違うのではないか? それよりも、景気と労働者の実質賃金の乖離が理由だろう? そして、その分の「富」はどこかに逃げて行った。事実そのようなことが米国では1980年以降に起こっていた。

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また別の論者は賃金を上げるためには 「生産性を上げる」 ことこそ重要だとも。そして、そのためにはITにより自動化を進め、労働市場を流動化し、より生産性の高い分野に人々が移らないといけないと述べていた。 しかし米国で2000年代初頭に起こったことは全く逆の事実を示している

先日読んだばかりの『暴走する資本主義』の著者、ロバート・B・ライシュ氏によれば2000年初頭の米国の場合、ITによる自動化で転職を余儀なくされた人の平均給与は以前に比べ12%ダウンし、 労働市場流動化の結果、労働者の給与は平均13%低くなったと述べている。p136
 
このライシュ氏の述べたことは間違いなのか? それとも米国と日本は基本的に異なった原理で動いているのか?? はたまた、こうした数字を知った上で先の論者はテレビで解説していたのか? それともこうした数字すら知らない? 

いずれにせよ、どこかに「間違い」あるいは「嘘」があるにちがいない。




…生産性の高い分野に人々が転職で移らないといけないのは理論的にはその通りだが、大部分の人はそうできない。転職の大抵は生産性の低いまま、否、逆により生産性の低い分野への転職が実態だということ。だから米国では平均賃金が13%低下したのだ。 

次の疑問はなぜ、日本は米国に遅れて同じようなことが起こったのか? ということだが、やはり最初に米国に起こったことと同じ状況が次に日本で起こったということではないか。グローバル化による、玉突き現象をいま我々は見ているのではないだろうか? もしこれが事実ならば、次に起こるのは中国だろう。中国は次なる新興国、インドなどから追撃されるだろう。

我々はしばしば歴史的事実、19世紀初頭(正確には1820年頃)、世界のGNPの25%が中国で、20%がインドで生産されていた事実を忘れている。
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2017/9/26

『暴走する資本主義』  お勧めの1冊

『暴走する資本主義』
東洋経済新報社、2008年初版。

これは以前6回にわたってこのblogで紹介した、『最後の資本主義』の著者、ロバート・B・ライシュ(Robert B. REICH)氏による10年前の著作である。 
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4951/trackback

普段、時系列を逆に読むことはせず、常に新しい本を選択する方だが、今回はたまたま手にとって読み出したら判りやすく、かつその時点では同じ著者の新しい本を読んでいたことに気がつかなかったのでつい読み始めてしまった。ま、先の著作が生まれた経緯を知るというのも無駄というわけではないだろうし、すぐ読めてしまうと感じているが、途中で無駄だと感じたら中断するかもしれない。

冒頭のやや長めの「序文」で著者は 『資本主義はパイを大きくすることで、そのパイをどのように切り分けるかは、社会全体が決めることだ』という。p4 

確かにそれはそうだ、そこに我々の社会では「民主主義」の役割があるということだろう。しかし、この民主主義は決して資本主義社会の必要条件ではない。それについて著者は、

『民主主義にとって資本主義は必要条件だが、資本主義にとって民主主義は必要なものではない』

という。そしてその例に中国を挙げる。

とても判りやすい説明だ。p12  だから「政府が自らの利益のみを追求する少数の権益によって運営されている」と感じる人が1964年にアメリカでわずか29%だったものが、2000年には逆転している現状を示し、資本主義が大成功したのに対し、民主主義は弱まったことを示す。p6

こうした動きを支えたものに人々が著者の言う「偽善的行為」を行ってきたことを指摘する。例えば、(ウォルマートで)中国やインドからの「お買い得品」ハントに余念がない人々が米国の労働者の賃金や雇用の減少を憂う、という「偽善」である。p10

著者は、「ウォルマートは資本主義社会のルールに従いビジネスを展開しただけ」だという、そして重要なことはそのルールを作るのは我々民主主義国家の住民なのだと。p18 実に判りやすい論理展開である。
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2017/9/25

肩すかしの 『文明はなぜ崩壊するのか』  お勧めの1冊

『文明はなぜ崩壊するのか』
レベッカ・コスタ著(Rebecca Costa)、原書房、2012年初版。

読みやすい本。一気に読めたが、どうも違うなと感じた。 結論が断定的で、その論理が明瞭でない。例えばこうした議論がでてくる。

『嘘つきを見抜くのは右脳がうまい』p45
『アハ、エウレカの瞬間(=複雑な状況を打開する解決策が生まれる瞬間)は、思考が袋小路に入り込み、行きづまったあとに起こることが多い』p49
『ひらめきとは進化が行うゆっくりとした補正作業である』p50

かなり杜撰な論理展開である。何も根拠を示さない、否、根拠とするものが根拠になっていない。これではとてもついていけない。限界だな、時間の無駄と感じて本を閉じた。

試しにアマゾンの書評を見てみた。結果は賛否両論。星5つも3つあるが、星2も3。平均3.6。そんなものだろうと思う。星2つを出した人は「床屋政談」。もう一人の人は「肩すかし」と、特に後者の意見に納得。
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2017/9/24

『榊原英資の成熟戦略』3  お勧めの1冊

日曜夕方、いつものように『小さな村の物語、イタリア』を観る。北イタリア、フリウリのボルダーノの村。一度前に観たということにすぐ気がついたが、ワインを飲みながら最後まで観る。何度も見てもよい番組はそんなにない。もしかするとイタリアは「成熟社会」の先輩かもしれない。見ためだけだと言われそうだが、それでもGDPとは関係なく人々の豊かな暮らしがそこにあるような気がする。
http://www.bs4.jp/italy/onair/259.html

先日はじめてイタリア、トスカーノに行ったが期待を裏切らない緩やかな時間が流れていたような気がするが、旅人の思い込みにすぎないのか?
http://blue.ap.teacup.com/salsa2001/4882.html



『榊原英資の成熟戦略』3
1820年の時点で世界の総生産の29%が中国、16%がインドだった。p171 それは茶、陶器、木綿の輸出国だったから、両国は人口にして1位と2位、国土(陸地)面積にしても4位と7位の国。それが近代の中で後進国になったのはイギリスが三角貿易と産業革命でインドからの木綿の輸入を逆に輸出にもっていったこと。日本は逆に鎖国と集約的農業で自給体制を確立したことで逆転したことによる。p191 p241 

従って普通にこの両国が今後発展すれば、世界の大国になるのは当然ということだろう。日本はすでに成熟した社会なので(豊かで、健康で、安全)成長戦略よりも成熟戦略が必要だという。p241 確かにそうだ。そして、最後に今の日本に必要なことは成長よりも再配分で格差の小さい国にすることだと提言する。p255

教育について同氏は、私と同様にペーパーテストが一番公平な選別方法でAOや推薦は上手くいかないだろうと述べられているが、p209 これは経験上間違いないと断定できる

そして最近のSNSは「身内の者との、仲間内のコミュニケーションを高めるだけで、異質の人々とのコミュニケーションには逆効果で、まさにこれこそ現代日本人が必要なことだとする。実に同感。学生に事あるごとにSNSの危険性を指摘しているのもそれが理由。p245
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4986/trackback

そこで著者は学校教育の場ではスマホや携帯を取り上げるべきだと提案されるが、p246 これについては、経験上なかなか上手くいかないだろうと考えている。それより上手にスマホ利用を誘導する方がよい。実際私のクラスではローカルルールとしてスマホの教室での利用を許可している。(校則では禁止)そしてスマホの計算機能や検索機能で優劣を表示することで、差別化を試みている。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4907/trackback

また読者の中で定年を迎えた人へ対しては「健康維持」に努めてもらいたいとも、健康であれば頭の回転も維持できると。p248

それはまさにその通りで、これが課題。幸い今は仕事でかなり動いているが、来年、65歳の定年以降これが私の最大の課題になる。頭の回転については、できるだけ専門以外の分野の本を毎日読んでblogに要約し頭を鍛える習慣ができているので今後も続けたい。このblogにも歴史や経済、あるいは少し専門を外れた分野の論文紹介をするのもこれが理由。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/5066/trackback

また、特に経済は数字が沢山出てくるので頭の体操に大変よい。ピケティーの『21世紀の資本』などを読むのは多数の数表を見ながらの理解でその意味では大変訓練になった。
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2017/9/23

『榊原英資の成熟戦略』2  お勧めの1冊

以前、研究倫理のFDで外部から招聘した人への質問に対する回答がようやく来た。以下のサイトの(1)への回答。平成27年8月18日より適用とのことだが、私が質問して返答できなかったのが同年の8月8日。10日後だが、これはもしかすると私の質問で慌てて決めた(笑)
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4148/trackback

実験データー、画像等の保存期間=原則として論文発表後10年。
資料=論文発表後5年。
(平成27年8月18日より適用)

登録は必要だが誰でも、イーラーニニグできるみたいだ。
https://www.netlearning.co.jp/clients/jsps/top.aspx



『榊原英資の成熟戦略』2
著者も日本の格差拡大の原因は富裕層の増大ではなく、貧困層の拡大であるとしている。p79
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4784/trackback
そしてグローバル化がこれだけ進むと、一国の経済政策で賃金を上げるのは無理になってきているとする。p85 新興国と先進国の間で多くの職業の賃金は収斂する傾向があるからだ。そして旧態依然なビジネスモデルで新興国と同じ土俵で争うことがブラック企業を蔓延させている原因だとする。p86 

中国は2020年に人口減少の局面に入る、これは生産人口の減少ではなく、総人口のことだ。p88 生産人口はとうの昔(2012年ごろ)に減少しはじめている。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/3316/trackback

国際化により、高級官僚や大企業のトップの世界がこれまでのゼネラリストから、スペシャリストへの主流の転換が進んだ。『ある分野でプロであることが、他の分野でも生かされる』というもので、今までの「すべてのことに通じ、人間関係を最重要視する「サラリーマンの時代」が終わりつつあるとも。p118 こうした流れを知ることはこれからの人には重要でしょうね。

マクロ経済は閉じた主権国家を前提にして構築された学問なので次第にその有効性をうしないつつあると著者はいう。p124 これはなんとなく判る。その意味で日本とは正反対に、中国のような国内に大きな格差を持つ国をマクロ経済学的に分析して「バブルが近ずいている」との判断がこれまでことごとく外れていたのもそれが理由かもしれない。

水野氏は『日本は今、GDPの2.2倍の実物資産が積み上がっている、すると投資機会が消滅して資本の行き場がなくなり、金余り現象が起きてきた』 と分析されているみたいだ。p141 もしこのように構造的なものならば、金余りは今後とも変わらないということになる。そしてそんな中で人々の関心は生産から、環境・安全・健康に向かうとも。p142
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2017/9/22

『榊原英資の成熟戦略』  お勧めの1冊

<残念に思う2つの引退>
世間を驚かせている1つの引退はあの安室奈美恵。ファンではなかったが、四半世紀をスーパーアイドルのまま駆け抜けた人だったと思う。様々な事件があったにも関わらず、これまでその人気を維持できたのは本当の実力があったからだろう。 

もう1つは、それなりに納得させられるものだったが、個人的には非常に残念に思う引退。それが自民党の谷垣氏の衆院選不出馬表明。事実上の政界引退ではないかと思う。信頼できる政治家だと思っていたので実に残念だし、非常に不運だったと思う。



『榊原英資の成熟戦略』
榊原英資著、東洋経済新報社、2014年初版。

冒頭、日本に成長戦略はいらない、必要なのは成熟戦略だと著者はいう。そして、成長戦略を求めるのは『高校生の息子と比べておかしいオレの背はなんで伸びないんだ』というのと同じだという。

実に分かりやすい例え。p22 先進国でインフレ率が低下するのはグローバリズムで世界的経済交流が進み先進国と発展途上国の物価レベルが緩やかに収斂することが理由だとする。つまり発展途上国の安い品物が物価を押し下げる。日本が特にインフレ率が他の先進国に比べデフレ気味なのは日本が東アジアにより深く経済的に結びつけられ競合しているからだと。p32 これは確かに分かりやすい説明。もっとも判りやすい説明が常に真理というわけではないと思うが、、、?

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そしてこれだけグローバリズムが進むと一国の金融政策で物価をコントロールすることは難しいとも。p34 

同氏も円安になったからといって実態は輸出が伸びた証拠はないと断言される。ここは野口氏と同じ。p54 そしてこれからの日本には基本的に円高の方がよいと言われる。榊原氏も私の理解と同じことを言われているのにちょっと安心。素人の戯言というわけではなさそう。

ただし『規制緩和で日本の経済は再び成長する』というのは幻想だとも。なぜなら日本はすでに成熟社会になっている本質的に成長は止まったからだというわけだ。p71

同氏は言われるとなんとなく説得力がある。私は規制緩和でもっと日本は伸びしろがあると思っていたが、それは間違いなのだろうか?
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2017/9/21

『中国のムスリムを知るための60章』8  お勧めの1冊

編集委員、中沢克二氏の『「習近平・王岐山」連合、党大会控え共青団たたき』の著名入り記事。曰く、
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21257930Z10C17A9000000/

『共青団は「娯楽化」批判により、社会科学院に合併され政治的には完全な解体された。その意図は、習のような「紅二代」にとって全国に根を張る共青団の勢力は、党と組織を牛耳る上で邪魔になるという。 …そして、『共青団が推す「ポスト習」候補、胡春華氏の行方がどうなるか』 として、中沢氏は筆を置く。

こうした派閥抗争視点で中国の人事や政策決定が語られることが多い。 話としては面白いが「本当だろうか?」との思いがいつも湧く。

今たまたま『紫禁城の月』という本を読んでいるが、これも小説として楽しむよりは、官界小説として本の内容が現実の中国政治の何を語っているのかという興味に引きずられ正当な読み方をしていないように感じる。 公に政権を批判できない社会ではこうした歴史小説にかこつけて政権批判をすることが普通だから当然といえば当然かもしれないが、どうも良くない。


『中国のムスリムを知るための60章』8
戸籍制度の例外として農村の寄宿学生が都市部の清真寺に長期滞在することが見逃されていたらしい。これにより個人的ネットワークが築かれていったとか。p324

ここで浙江省義鳥の巨大卸売市場でイスラームコミュニティーが存在することを例にあげて紹介する。当時、2〜4万人のモスレム人口があるとか。p354 これは2000年段階の義鳥の人口91万人に比較すると相当な数。ここにアラビア語を習得した回族が活躍しているとか。p356

<データーベースとして>
ウイグル人人口:新疆1,002万人(2009年)、p42 カザフスタン22.5万人(2009年)、クルズクタン4.9万人(2009年)。ウズベクスタン3.6万人(1989年)と新疆地区が最大。カザフスタンの旧首都アルマトウは亡命ウイグル人が集まり中国側に東トルキスタン独立運動の拠点になるのではないかとの懸念を引き起こしている。p344
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