2017/10/31

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』6  お勧めの1冊

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』6
『アメリカ人は長い間、公平な社会、機会均等の社会を誇りとしてきた。しかし統計の数字はその逆を示している』 p130と著者は述べる。これはすでにいろいろなところで見てきたことで驚くべきことではない。わかりやすい数字は社会の流動性を示すグレート・ギャツビー Great Gatsby曲線だろう。
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これで1つ注目すべき点は、横軸にジニ係数、縦軸に世代間の所得弾性値を取ってみると、それがほぼ相関する点。つまり

<高所得又は低所得は親から子に世代をまたいで受け継がれる>

という点。ジニ係数が高いほど、社会に流動性が無くなるという点。この資料ではまだ日本は流動性がある社会ということになるが、近年日本のジニ係数が米国並みに上昇してきた。さて直近の数字はどうなっているのだろうか?

また、スーパーリッチが増えれば、消費は落ち込むというのを著者は簡単な例でわかりやすく説明する。実在の富裕層(ロムニー夫妻)を例にとり、年収2,170万ドル(二十数億)の家庭はどんなに贅沢をしても年間の年収の一部で生活費はまかなえる。しかし、もしこの2170万ドルを500人で割り、1人あたり4万3400ドル、つまり年収500万円以下の年収とすると、ほとんどが消費に回されると。非常にわかりやすい。
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2017/10/30

2017/6/14 ~2017/10/30   人文科学系参考文献リスト

4ヶ月半で32冊程度。1月で8冊として1週間に2冊。中には1週間以上かけて読んだ本もあるし、途中で読む価値がないと考え中断した本もあり様々。

中でも面白かったのはBitcoinとも関係する、『ブロックチェーン革命』。それに勉強になったのは、まだ半分しか読み終わっていないが、『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠 = The Great Divide』かな?



2017/10/30 『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』5
2017/10/29 『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』4
2017/10/28 『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』3 
2017/10/27 『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』2 
2017/10/26『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』
2017/10/25 『日本と中国経済』6 
2017/10/24 『日本と中国経済』5 
2017/10/23 『日本と中国経済』4
2017/10/22 『日本と中国経済』3 
2017/10/21 『日本と中国経済』2
2017/10/20 『日本と中国経済』 
2017/10/19 『2020年世界経済の勝者と敗者』3
2017/10/18 『2020年世界経済の勝者と敗者』2 
2017/10/17 『2020年世界経済の勝者と敗者』
2017/10/16 『耶律楚材』3
2017/10/15 『耶律楚材』2 
2017/10/14 『耶律楚材』 
2017/10/13 『経済は、人類は幸せにできるか?』4 
2017/10/12 『経済は、人類を幸せにできるか?』3 
2017/10/10 『経済は、人類を幸せにできるか?』2 
2017/10/9 『経済は、人類を幸せにできるか?』 
2017/10/8 『紫禁城の月』4
2017/10/7 『紫禁城の月』3
2017/10/6 『紫禁城の月』2
2017/10/5 『紫禁城の月』 
2017/10/4 『<世界史>の哲学 イスラーム篇』 
2017/10/3 『暴走する資本主義』6 
2017/10/1『暴走する資本主義』5 
2017/9/30 『暴走する資本主義』4 
2017/9/29 『暴走する資本主義』3
2017/9/28 『暴走する資本主義』2
2017/9/26 『暴走する資本主義』 
2017/9/25 『文明はなぜ崩壊するのか』 
2017/9/24『榊原英資の成熟戦略』3
2017/9/23 『榊原英資の成熟戦略』2 
2017/9/22 『榊原英資の成熟戦略』 
2017/9/21 『中国のムスリムを知るための60章』8
2017/9/20 『中国のムスリムを知るための60章』7
2017/9/19 『中国のムスリムを知るための60章』6
2017/9/18 『中国のムスリムを知るための60章』5
2017/9/17 『中国のムスリムを知るための60章』4 
2017/9/16 『中国のムスリムを知るための60章』3 
2017/9/15 『中国のムスリムを知るための60章』2 
2017/9/14 『中国のムスリムを知るための60章』 
2017/9/13 『中国を追われたウイグル人』2 
2017/9/12 『中国を追われたウイグル人』 
2017/9/11 『円安待望論の罠』4
2017/9/10 『円安待望論の罠』3 
2017/9/9 『円安待望論の罠』2 
2017/9/8 『円安待望論の罠』
2017/9/7 『世界史の極意』5
2017/9/6 『世界史の極意』4
2017/9/5 『世界史の極意』3
2017/9/4 『世界史の極意』2 
2017/9/2 『世界史の極意』 
2017/8/31 『フランスの中世社会』4
2017/8/30 『フランスの中世社会』3
2017/8/29 『フランスの中世社会』2
2017/8/28 『フランスの中世社会』
2017/8/28 『日本経済の明日を読む2014』7
2017/8/27 『日本経済の明日を読む2014』6 
2017/8/27 『日本経済の明日を読む2014』5
2017/8/26 『日本経済の明日を読む2014』4
2017/8/26 『日本経済の明日を読む2014』3 
2017/8/25 『日本経済の明日を読む2014』2
2017/8/24 『日本経済の明日を読む2014』 
2017/8/23 『21世紀仏教への旅』 
2017/8/22 『揺れる移民大国フランス』 
2017/8/21 『和の国富論』 
2017/8/20 『転換期を生きるきみたちへ』2
2017/8/19 『転換期を生きるきみたちへ』 
2017/8/18 『海賊と商人の地中海』6
2017/8/17 『海賊と商人の地中海』5
2017/8/16 『海賊と商人の地中海』4
2017/8/15 『海賊と商人の地中海』3
2017/8/14 『海賊と商人の地中海』2
2017/8/13 『希望の資本主義』2
2017/8/13 『希望の資本主義』 
2017/8/3 『海賊と商人の地中海』 
2017/8/2 『ブロックチェーン革命』6 
2017/8/1 『ブロックチェーン革命』5
2017/7/31 『泰山』3 
2017/7/30 『泰山』2
2017/7/29 『泰山』 
2017/7/28 『ブロックチェーン革命』4
2017/7/27 『ブロックチェーン革命』3 
2017/7/26 『ブロックチェーン革命』2
2017/7/25 『ブロックチェーン革命』
2017/7/24 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』10 
2017/7/23 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』9
2017/7/22 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』8
2017/7/21 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』7
2017/7/20 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』6
2017/7/19 『逆転の大中国史』3
2017/7/18 『逆転の大中国史』2
2017/7/17 『逆転の大中国史』 
2017/7/16 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』5
2017/7/15 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』4 
2017/7/13 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』3
2017/7/13 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』2
2017/7/12 『日本はなぜ貧しい人が多いのか』
2017/7/11 『学問への旅、ヨーロッパ中世』6
2017/7/10 『学問への旅、ヨーロッパ中世』5
2017/7/9 『学問への旅、ヨーロッパ中世』4 
2017/7/7 『学問への旅、ヨーロッパ中世』3
2017/7/6 『学問への旅、ヨーロッパ中世』2
2017/7/5 『中国の妖怪』3 
2017/7/4 『中国の妖怪』2
2017/7/3 『学問への旅、ヨーロッパ中世』 
2017/7/2 『中国の妖怪』
2017/7/1 『泥の文明』3 
2017/6/29 『泥の文明』2 
2017/6/28 『泥の文明』 
2017/6/27 『海を渡った人類の遥かな歴史』6
2017/6/26 『海を渡った人類の遥かな歴史』5 
2017/6/25 『海を渡った人類の遥かな歴史』4
2017/6/24 『海を渡った人類の遥かな歴史』3 
2017/6/23 『海を渡った人類の遥かな歴史』2 
2017/6/22 『海を渡った人類の遥かな歴史』
2017/6/20 『イタリア異界物語』2
2017/6/19 『イタリア異界物語』  
2017/6/17 『最後の資本主義』7
2017/6/16 『最後の資本主義』6 
2017/6/14 『最後の資本主義』5 
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2017/10/30

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』5  お勧めの1冊

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』5
ジョセフ・スティグリッツが大きな格差が経済を毀損するとする理由として3つ挙げている。
1) 機会均等の崩壊=資産である人材を最も生産的な方法で活用できない。(人)
2) 拡大した不平等は効率性を低下させる。つまり有能なエリートが生産的で健康的な分野から金融セクターに流れるために、生産力が量・質ともに低下する。(物)
3) 現代経済は“集団行動”を必要とする。p126 (社会)

しかし、彼が本当に問題とするのは、「上位1%が自分に都合のいいルールを作る力を持ち得る」ことだと考える。

<データーベースとして>
不動産バブルは、真の資本(工場や施設)に対する投資が減少する。つまり、資本利益率が減少せず、平均賃金が上昇しない。p119   

現在アメリカ人の上位1%の富裕層はフローで所得の25%を懐に入れ、ストックで40%を所有しているが、25年前にはフローで12%、ストックで33%しか所有していなかった。p124 その原因の1つはキャピタルゲイン減税があるとする。p128

著者は『不平等は20世紀の資本主義の問題ではなく20世紀の民主主義の問題だ』とする。p123
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2017/10/29

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』4  お勧めの1冊

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』4
著者はいう、アメリカは既に機会均等の国ではないと。p107 しかし、言葉で言うだけではそれは理解されない。やはり数字で示すことが重要ではないか? それについてはグレート・ギャツビー曲線を見せればよい。これは社会の流動性を示す指標でラテンアメリカや中国では豊かな階層は次世代も豊かになり、貧しい層は子供の層も貧しい。米国はその集団に次ぐ流動性のない国。因みに日本は北欧とヨーロッパの中間。
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ここで著者はあのピケティーを取り上げる。そして、彼ピケティーの結果からクズネッツ(1971年ノーベル経済賞受賞)の説が1980年以降の実態からみて正しくないことを指摘する。p114 

そう!ピケティーは何か説を唱えたのではない。淡々と数字を、事実を調べ上げただけだ。それを日本の某経済評論家は「ピケティーの説は荒い」などと、本人がちゃんとピケティーの本を読んでいないことを示す「墓穴を掘った」(爆笑)。

ただステグリッツはピケティーに100%同意しているわけではない。それはピケティーが提言する、『世界規模で資本に課税する』が実現可能だとは思えないという点だ。p115 それは私も残念ながら現時点ではステグリッツに同意する。

またここでも、グローバル化した世界では量的緩和で貸し付け量の増加と貸し付けコストの低下をもたらしても「マネー」は世界中のより有利な場所に飛んでいくので「一国マクロ経済」は成立しないと述べている。p118
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2017/10/28

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』3  お勧めの1冊

<おどろいた、すごい内容だ>
期限内に読まないといけないと思い、『The Great Divide』を中断して、耶律楚材の『西遊録』とついでに『長春真人西遊記』を読み上げた。ともに短い紀行記で簡単に読みあげることができ、十分間に合った。

『西遊録』にはがっかりさせられたが、次の『長春真人西遊記』は詳しい内容であることに気がついたが、最初の段階では「円仁の『入唐求法巡礼行記』ほどではない」と思っていた。ところが、読み進めるうちにとんでもない、非常に貴重な史料であることが判った。きっとこの史料を元に歴史学や考古学に大きな影響を与えるに違いない。さて、どうなのだろう? 

ご存知の方がいれば教えていただきたい。いずれ『長春真人西遊記』については何回かにわけて紹介予定。



『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』3
著者は、ストックオプションは不正会計に繋がりやすく反対している。p74

そして、個々の失敗の原因はほとんど1つに帰着すると述べている。それは

市場には自己調整能力がある

という考え方だとも。この欠陥のある経済哲学を受け入れた時、現在のような状況になるのは必然だともいう。p78

2008年、タイムに寄稿した著者のコラムにはストックオプションとともに、COEに多額の報酬をもたらすようなインセンティブ構造が「えせ資本主義」をのさばらせる根本的問題だと主張する。p100 

さらにグローバル化で経済の相互依存性が高まると「1国主義」が通用しなくなるとも。p101 これは以前、グローバル化によるマクロ経済学の終焉を話題にしたが、そのこととつながる。
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2017/10/27

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』2  お勧めの1冊

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』2
主犯の1つとして名指しされたものに、あのAIGがある。p44 これを巡っては当時私も、「戦犯に多額のボーナスを出した」と批判している。日本のバブル崩壊の時は散々批判したアメリカだが、いざ自分の番となるとそう簡単ではないことを示した例。
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著者はトリクルダウンではなく、トリクルアップが必要だとしている。すなわち、中下流層に手を差し伸べれば、経済全体に恩恵が行きわたるとする。p47  また、2007年に出した論評「ブッシュ氏の経済学の成績」でジョージ・ブッシュ氏を“最悪の大統領”の称号に相応しいと述べる。p66 私は経済ではないが、彼ブッシュ氏をいつも「トホホのブッシュ氏」と呼び、米国史上、稀にみる愚かな大統領と評価している。
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また金融システムを管轄する当局者がデリバティブの危険性を承知しながら <政府が規制をかければ、イノベイションを阻害する> として何の手も打たなかったことについて、

イノベイションには言葉自体にプラスの意味合いはない、良いイノベイションも悪いイノベイション(=嘘つきローン)もある』 という。p70

そして投資銀行と商業銀行の垣根を取り払った時、組織は投資銀行の文化に席巻され “Too big to fail ”の下、『儲かったら私のもの、損したら納税者が代わりに払うもの』という文化に汚されたというようだ。
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どうやら彼は定型的なケインジアンのよう。そして「市場は万能でもなければ、神の手などもない」、だから政府は市場をコントロールする責任があるという。p19 

彼は情報の非対称性でノーベル経済学賞を受けたと聞くが、私の勝手な想像では情報収集能力の上位の者が利益を独占するということなのだろうか? 何方かご存知の方がいれば、「そうではないよ、実はね…」と説明していただきたい。
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2017/10/26

自国を顧りみれ!  試行,指向,志向、思考

昨日のblogの内容は1週間以上も前に書いた内容だが、たまたまupした日が中国のチャイナ7の決定日と重なり色々思うところがあった。

昨夜は1日中、「チャイナ7」の話でニュース番組は持ちきりだった。その中では、例のように中国経済の「危なさ」や「独裁体制」「権力闘争」について識者がいろいろ偉そうに語っていた。しかし翻ってみてどうだろう?

この四半世紀、中国は格差と民主主義の欠落を抱えつつも5億人の人民を貧困から脱却させた。一方で日本は企業の内部留保は巨額なものとなる反面、労働者の実質賃金は低下し、米国でも平均的なアメリカ人家庭の生活ぶりは四半世紀前よりも悪化した。 さらに、Robert B. REICH氏はアメリカの白人女性の平均寿命が1990年から2008年の間になんと、5歳も短くなったことを、またE. Todd氏はアメリカ成年男性の死亡率の上昇を指摘した。

現実がどうであれ、中国共産党は多くの人民を貧困から小康状態に持ち上げ、その一方で米国でも日本でも中間層が没落し、米国ではスーパーリッチが富を独占し、寿命という究極の幸福値が低下している。また、かつて「1億総中流」と半ば自嘲的に語られた日本は米国並みのジニ係数を記録している。
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隣国の悪口を言うのもいいが、まずは自国を顧りみれ!
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2017/10/26

『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』  お勧めの1冊

やはり王岐山さんは勇退されました。
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『世界に分裂と対立を撒き散らす経済の罠』
ジョセフ・E・スティグリッツ著、徳間書店、徳間書店、2015年初版

「はじめに」で著者は言う、

『平均的なアメリカ人家庭の生活ぶりは四半世紀前よりも悪化している… (一方)中国は、高度の不公平と民主主義の欠落を抱えつつも5億人を貧困から脱却させた』p18

確かに納得できる。結果的に共産党は多くの人民を貧困から小康状態に持ち上げた。それに対し、西側、特に米国では中間層が没落した。ロバート・B・ライシュ(Robert B. REICH)氏は『最後の資本主義』の中で、アメリカの白人女性の平均寿命が1990年から2008年の間になんと、5歳も短くなったことで、またTodd氏はアメリカ成年男性の死亡率の上昇で今回のトランプ現象を説明した。手法や現実がどうであれ、共産党が上に述べられたような目覚ましい成果をあげたのとは対照的だ。
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また、著者は冒頭、この本の中で『不平等は総需要と経済そのものを弱体化させる』と繰り返し述べる予定だと宣言する。p28 

歴史的にみても王朝末期には経済格差がとてつもなく広がり、社会が不安定化することが知られている。明を滅ぼした李自成が農民反乱を蜂起したころのジニ係数は0.62。 また清末の太平天国の乱の際には0.58と言われる。 
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http://wedge.ismedia.jp/articles/-/543?page=2

著者はあの「世界大不況」の主犯が金融セクターで、不況後も経営陣には巨額のボーナスが提供されたが、そのボーナス制度それ自体が過剰なリスクテイクと近視眼的行動の原因だとした。p35
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2017/10/25

『日本と中国経済』6  お勧めの1冊

<明日25日にチャイナ7が決まる>
おそらく、王岐山氏は勇退するだろう。年齢制限もあるが、彼がもし本当に『紫禁城の月』のファンで周りにもこの本を薦めているということなら。それ以外の選択肢は考えられないが、どうだろう?
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習近平政権は盤石だが、彼にはあまりよい印象はない。浙江省時代、彼が努めて目立たないようにしていたと知人から聞いていたが、そういう点にも習近平氏が非常に慎重で権力闘争に生き残ってきた人物といえそうだ。
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一方で彼は法学博士の学位もつが、これまで司法の独立を阻む、法政委員会を少しずつ骨抜きにしてきたとも聞く。それが事実ならば大化けする可能性もなきにしもあらず。いずれにせよ、なかなかわかりにくい人物のようだ。
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彼の任期中に中国は世界一の経済大国になるだろうが、その巨龍の横に住む我々はよほど腹を括っていなければならない。
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<リスク管理意識の欠如>
軍事基地付近の写真を撮ってスパイとして日本人が逮捕されたことで、中国は怖い国だとの議論がなされていた。しかし、軍事基地の近くでそうした行為をすれば、逮捕されるのが普通で、むかし関東のどこか(?)の米軍基地内に入り薬莢?を拾っていた農婦が射殺された事件があったが、ご存知ないのだろうか?

アメリカ本土でもカルフォルニアのLivermoreの空軍(?)基地では許可なく侵入すれば「射殺される」とはっきり看板が出ていた。80年代のことだが、今でも多分そうだろう。曰く、”Deadly Force Authorized”

https://www.flickr.com/photos/textexin/20241174102


こうした議論は平和な国、日本におけるリスク管理意識の欠如を示すもの。



『日本と中国経済』6
ここであの『趙紫陽極秘回想録』が話題となる。その中に趙紫陽氏と胡耀邦氏の間に深刻な路線対立があったことが記されている。胡耀邦氏が理念先行で、急進的な改革派、趙氏は現実的だったとする。p198

この『趙紫陽極秘回想録』は読んだことがあるが、主に敵対者である李鵬氏と江沢民氏との軋轢の記憶はあるが、胡耀邦氏との間でも路線対立があったことは記憶にない。
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著者は今後、労使間の軋轢を一時的にそらす目的でナショナリズムが持ち出される可能性を指摘している。このようなことは以前からよく知られていることで、Toddは「階級闘争とナショナリズムは補完的に働く」と指摘していた。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/58/trackback

また著者は『中国経済の実力を正当に評価せよ』との提言もあげている。巷では中国の統計は信頼できない、出鱈目だという評論家が多い。またそうしたタイトルの書籍も沢山本屋に並んでいる。しかしこの著者によれば、『(こうした)統計の「誤差」が具体的にどのような部分から生じるのかという点について、おおよそコンセンサスが形成されている』と述べ、『中国のGDPは大嘘だ、と声高に言いつのる議論が横行することは非常に困ったことだと思います』と述べている。p275 

実に同感だ。嘘だ、出鱈目だというのは容易いこと、その信頼にかける統計の隙間から見える真実を抉り出すことそこ本物の分析力だろう。

統計が信用出来ないと騒ぐ前に、統計の嘘を見抜く力をつけよ」ということだ。そしてそれはいつも数字を見ていないと身につく技能ではない。
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2017/10/24

『日本と中国経済』5  お勧めの1冊

『安倍政権は嫌いだが、自民でなければ信頼できない。それに、いつまでも安倍氏が首相というわけでもない』  と、こんなところだろうか? 

無党派層としては、究極の選択になったが、いつも通りマッチングサイトでの結果通りに投票し、指向とは異なる結果となったが、これもまた民主政治。



『日本と中国経済』5
戦後から72年の国交回復までの日中関係は非常に勉強になった。漠然と知っているつもりでいたが、自分の知識がいかに浅いものであるか実感した。

さて著者によれば、戦後から徐々に日中関係は経済を中心に回復してきたが、それは矛盾を無意識的にさける形で進行してきた。日本は政教分離、中国は政経不可分の立場を表面化させないような経過だったようだ。p148

その背景として中国は当時の冷戦下、比較優位な労働集約型軽工業よりも、富国強兵政策から資本集約型の重工業中心の経済を進めたが、これには農村・農民の収奪により成り立っていた。p149 

またこの歪な経済計画は生産要素の過不足を調整するためにバッウファーとして農村からの「臨時工」をすでにこの頃から大量に使っていたということは知らなかった。数字としては都市工全体の10%、水利・建設工関係は40%にものぼったとか。p150

てっきり改革開放以後の急速な発達に伴う「盲流」だと思っていた。
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さて、その日中の経済関係が最初に断絶するのが、あの岸内閣のとき、著者は以下のように述べる。

『岸は戦前官僚として満州国の経営に関わり、A級戦犯容疑者として… 反共、新台湾の姿勢で知られ… 岸の在任中に(日中関係は)大揺れを経験することになります』 p153

そう! 彼は冷戦下、CIAへの、かつての敵に協力する形で大陸での戦争犯罪を、そして多くの日本兵を死に追いやった罪を不問にされたわけだ!

やがて回復しはじめるが、これには62年半官半民のLT貿易が始まることによる。LTとはそれに貢献した2人の日本人(T)と中国人(L)の名前からなずけられたものだとか。p162

ところが、66年日本共産党と中国共産党の間に修正主義論争が起こり、また断絶が起こる。日共は「文革批判」はじめる。p168

その後佐藤内閣の「台湾条項」や台湾との「日華平和条約」を巡って、日中間で齟齬が起きつつも70年、中国の国連復帰により事実上経済の面では回復がみられ。最後にあの1972年のニクソンショックが起こるわけ。この年田中首相と周恩来との歴史的、日中共同声明が出され日中国交回復が行われる。

1つの図の中にこうした多くの出来事が見事に示されるのは大変勉強になる。

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