2018/3/31

斜陽産業 & 『社会人のための現代中国講義』9  お勧めの1冊

from DL to UL
「マスゴミ」という言葉が流行っている。同時にこの言葉を使う人の傾向もだいたい見当がつく。
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私は、現在のマスコミは斜陽産業なので少し気の毒に思っている。それはインターネット時代の到来でそれまで超花形産業だったこの業界が一気に、本当に突然に、斜陽に転落したからだ。その変化に巨大なマスコミ自身がついていけない状況にある。なぜそんなことが起こったのか? 理由は世界が「Downloadする世界からUploadする世界」に「The world becomes flat」に転換したからだ。
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P2P era
次に斜陽になる業界は何か? それについてはすでにここで述べたように、P2P eraの到来とともに、すでに銀行が、そしてその次に自動車業界が斜陽産業となるだろう。
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『社会人のための現代中国講義』9
時系列でこれらの調査をしているのは著者らのグループを含め世界で4つ、中国人民大学、中国社会科学院、ハーバード大学。そしてその結果はほぼ同じ。中国は危機的だというジャーナリストの報告に対し、これらの研究では安定だと。これはサーヴェイの限界かもしれない。p260 とししつも他の人がやっても同じ結果だろうと極めて謙虚な姿勢。ここにむしろ信頼できると感じる。

一般に「勝ち組」の方が政府に対し批判的。p246 農民工の不満は都市に長く住めば住むほど高くなるが、実は6年たつと入れ替わる。「移動」が心理的安全弁になっていると著者らは分析する。p249 この場合の移動は他の都市の場合もあるし、帰郷の場合もある。

1997年時点ではお金持ちでない人も中流意識を持っていたが現在では実際に獲得している富により階級帰属意識が形成される。p254 それゆえ、階級帰属の割合は変化がないと思われる。

結果的に共産党政権はガバナンスが良くできている一方で民意に敏感。それは選挙がないからで、日中関係においても世論を気にしている。p259 これは1つヒントになる。

中国の場合はNGOが認められないので、その代わりとしてSNSが機能している部分があるという。p266  それだけではない。やはり選挙がないことも大きいだろう。 ただし、SNSの履歴が当局により追跡されている。ネットを監視している五毛派が200万人いるとか。p269 
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ここで民主派弁護士、浦志強氏の話題が出るが、彼は以前ここで紹介した『中国農民調査』の発禁処分に対しても活動したみたいだ。p279 
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2018/3/30

『社会人のための現代中国講義』8  お勧めの1冊

<産経の記事曰く>
http://www.sankei.com/column/news/180328/clm1803280006-n1.html

『(滴滴やmobikeの)罰則で人々に品行方正を強要せざるを得ない… 罰則などなくとも、品性ある行動が日常の日本人』 
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本当か? 日本も「村八分」があり「世間の目」がある中で躾けられてきたのではないか? まるで生まれた時から日本人には品性があるかのような発言には「自惚れるにも程がある」と言いたい、実に笑止千万。




『社会人のための現代中国講義』8
9章の「和諧社会実現の理想と現実」の部分は非常に落ち着いた議論で信頼できるものだと感じた。冒頭著者の園田氏(東大・東洋文化研)は『ジャーナリストや政治学者がショッキングなケースを分析することには、それなりの意味がありますが、私はそういうアプローチはとりません』とした上で、社会学の考え方の1つにフレームというものがあるとし、<人がある事物を評価する際に、評価する側の個性が反映される>とする。p238

実に同感。そして20年以上前から中国崩壊論が声高に唱えられ、人民から政府が嫌われているとしているが現実もアンケートからもそれは確認されないことを示す。p239  その典型は黄文雄氏の『それでも中国は崩壊する』 だろう。 現実は違うというのに、何故「それでも」なのか? 一読するだけで、内容が具体性に欠け、観念的になりすぎ、事実や数字の上に仮説を検証するという立場からはほど遠いと簡単に判断できる内容だった。ま、結論が先にあり、それに従い現実を判断するから当然でしょうが、しかしそのような本は世の中に溢れている
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著者らが1997年から2010年にかけて数年ごとに定点観測によるアンケートから得られる結果をもとに解析したものを示す。それによれば、まず高学歴化と富裕化が進んでいる。しかし興味深いのは、同じような状況にあったかつての日本では「一億総中流」という意識が生まれたのに中国では自分が6割の人が自分は下層あるいは中流の下という自己意識を持つということ。p243

要約すれば現実として格差は広がり、自分の位置が良くなったという感覚はない。ところが生活が向上した、としたとする層が7割5分に存在するということ。p244

しかしこれは分からないわけではない。「拡張クズネック曲線」で説明できる。
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2018/3/29

SNS vs blog & Lab note &『社会人のための現代中国講義』7  お勧めの1冊

<SNS vs blog>
むかしmixiやfacebookなどのSNSを盛んに利用していた時期があった。今でもアドレス(FBの2つのアドレスを含め合計3つ)は残しているが全く利用していない。(後発のTwitterはアプリすらダウンロードしていない) 別に喧嘩別れをしたわけではない。むしろリアルで会えば親しく付き合える人たちばかりだ。では何故、止めてしまったのか? 

それは同じ考えや趣味を持つもの同士が常時SNS上でべったり付き合うことが「時間の無駄」と感じ始めたからだろう。同じ趣味や同じ考え方の人たちとの付き合いは「ほどほどの距離感」を持っていた方がよい。それよりも考え方に違いがあり、かつ「適度な緊張感」のある人たちとの付き合いの方が刺激があり、学ぶものがあるというのが結論

もちろん違いがあるだけに注意はしないといけない。基本的に「批判」は相手の庭ではやらないようにしている。批判は自分の庭で。 相手の庭ではせいぜい参考意見を述べるに止めるようにしている。それがうまくいっているかどうかは怪しいが…



<実験ノート>
過去10年間の自分の実験ノートを研究室に残す、全部で14冊。それより以前のものはすべて廃棄処分、ダンボール箱にして8個分、すごい量。 

さて物理的に残す10年間分、14冊のノート。1冊A4紙250枚として500ページ. 合計で7000ページ分。1年間で700ページですか…  教授になって自分で研究する時間が少なくなったにしてはそれなりの量? それと過去四半世紀分はハードディスクの形でデジタル情報として保管。(下の写真の右端のスマホ型の黒いディスク)あのSTAP細胞事件以降、最近はすべてこうしてハードコピー(ノート)の形で残さないといけないことになっている。(Big dataはどうするの?)

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『社会人のための現代中国講義』7
中国では意外と「特区」みたいな先行試みを地方でして、その制度がうまくいくかどうか試すことがあるらしい。 もっとも、やる側はそれが強酸糖の方針に合うかどうか最初はヒヤヒヤものだとか。そういえば請負制も安徽省とか四川省とかの田舎で最初やったとか。p226
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<データーベースとして>
現在の憲法は1982年に改定されたもの。つまり計画経済時代のもの。本来ならば全面改定が必要だが、それだと政治的論争が高まるので部分改正=接木でなんとかしているとか。p228

李克強総理は法学部卒で習近平氏は法学博士だとことなので、「大化け」も起こるかと思っていたが、著者によれば、習近平氏は法律の専門家ではないとか、意外だった。p233
それならば「大化け」は無理かな?
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2018/3/28

論理の道筋の問題  試行,指向,志向、思考

先日のblogについて批判?が来た。それに対しては否定したが、考えて貰いたい。監視カメラが世界一多いのは英国であるが、それをもって「英国は監視社会」だという人は聞かない。ところが中国だと監視社会と普通に人は云う。またフィンテックが世界一進んでいるのは北欧、例えばスウェーデンはダントツだが、これをもって「スウェーデンは監視社会だ」と云う人は誰もいない。ところが急速にフィンテックが進みつつある中国ならばお金の動きが個人に紐つけされているので中国社会は監視社会だという。

中国が監視社会なのは間違いないが、それは監視カメラの数のせいでもなければ、フィンテックのせいでもない。その論理の道筋が間違っているというのが私の意見。



こうしたことに何故、執着するのか? それは

「監視カメラやフィンテックを日本に導入すれば日本は監視社会になる」という論理を振りかざす人が出てくるからだ

かつて国民背番番号制というのが随分前に議論された。これは当時の野党がそれこそ監視社会になるということで潰れた制度だったが、今遅まきながら個人番号制度という形で実用化されつつある。もしあの時国民背番番号制が導入されていたら、どれだけ日本は先進的な社会になっていただろう!

また現在、監視カメラは犯罪の摘発に強力な道具になっているだけでなく、リアルタイムの交通情報や災害対策に効果があることは誰しも認めるところであるし、フィンテックは社会を極めて効率の良い社会に変身させるだけでなく、脱税などの犯罪防止にも有効だ。それが両方共、日本が世界に遅れをとってしまったことが悔やまれる。



追伸(数字の訂正も含む):
Wikiによれば、監視カメラとは、様々な目的で監視を行うためのビデオカメラのこと。主な用途としては、防犯、防災、計測・記録などがある。一般的に防犯目的の場合は防犯カメラ、防災目的の場合は防災カメラとも呼称される。広義にはカメラ単体ではなく、撮影した映像の伝送・処理、記録、表示機能を含むシステム全体を指すことがある。英語ではsurveillance cameraともいうが、防犯目的の場合はsecurity camera と呼称される場合が多く、また一般的に映像監視システムのことをその映像信号伝送方法である closed-circuit television(閉鎖回路テレビ)の略語を用いて「CCTV」と呼ぶことの方が多いが、最近インターネットやLANを介した映像伝送を行うネットワークカメラの登場、普及により、仕様や機能的に本来のCCTVと呼ぶカメラは少なくなりつつある。

なお、昔は英国が一番多かったが、直近のデーター(Wiki)では、人口当たりの監視カメラの台数が多い国は以下の通り。これを見ると確かに中国の伸びはすごいが意外なことに韓国や日本もそれなりの数がすでに稼働しているのがわかる。

韓国(6.4人/台)2015年
中国(8.1人/台)2017年
アメリカ(10.8人/台)2016年
イギリス(11人/台)2014年
日本(25.4人/台)2016年

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2018/3/28

新テスト&論文アクセプト&『社会人のための現代中国講義』6  お勧めの1冊

火曜日朝、北朝鮮要人の北京訪問のニュースが飛び込んできた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO28617730X20C18A3MM0000/?nf=1

現時点で何も判らないがやはりクリティカルポイントにそろそろ達したということではないか? 最近の米軍や自衛隊航空機の事故の多発も北朝鮮情勢とは無関係ではないと感じてきた者としては戦争回避への試みが進行しつつあると思うのだが、どうだろう?

此処とかも探すがもちろん記事は見つからない。
http://news.qq.com

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<新テスト>
『数学は正答率が2・0%、4・7%、8・4%と全問が1割未満で、無解答率が46・5〜57・0%だった。正答率が低すぎると受験生を選抜できないため、入試センターは難易度を調整する方針。』とのこと。本当か? 
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180326-00000047-asahi-soci

自分で解いた時はそれなりの正答率だったが… 
「まんざらでもないね」と一人ご満悦(爆)
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<論文>
PNASに投稿した論文がアクセプトされる。これは共同研究の成果で大部分の仕事は中国側でなされたもの。いずれにしても目出度い、目出度い♩ IF=9.661と久々の大ヒット!

目下投稿中の別の論文、これは100%国産(笑) まずはNatureと高望みしているが、これは「落とされて元々」の気分(笑)ちなみにNatureのIF=40.137 これまでNatureに受理されたことは一度もない(汗) 投稿してすでに1週間が過ぎているので「望みなきにしもあらず?」 




『社会人のための現代中国講義』6
関志雄氏は「バブル崩壊はない」と見ている。理由は、1)シャドーバンキングの大きさはGDPの3割程度でそれほど大きくない(といっても2012年時点で22.9兆円)p190 2)銀行のバランスシートの外にあるので損出が生じても銀行は補填する義務はない。p191 3)不良債権率は低下している。アジア通貨危機の時の30〜40%から、現在では1%程度 (2014年時点)で、今後多少増える見込みだが。4)いざという時には政府により救済される。5)中国では資本移動が制限されている。6)外貨準備が日本の3倍ある。p192

中国政府の方針は漸進的改革で「やりやすいところから進める」ということらしい。著者は「これは小泉改革とは違う、小泉改革では一番抵抗勢力が強い分野からメスを入れた」と指摘しているところが面白い。p193 日本はこのままでは中国と競合する分野が増えてくる、日本も先に進まないといけないが、その為には衰退産業を守っていてはダメだという。実に同感だ。p202 今、まさにこの「衰退産業の保護」を掲げているのが、あのバカちんトランプで米国の行き先が見えて来る。

農業については解放後、農業の雇用率が全体の7割から3割まで低下したが、GDPに占める割合も3割から1割に低下したという。p196

面白いことが書かれてあった。それは日本の高度成長期に公害が酷くなったが、環境対策に力をいれたのは日本では中央よりもむしろ地方政府だったという。これは地方政治で勝つ為の選挙対策でもあった。ところが中国ではそれがないので中央は頑張っているが地方が動かないと。p205
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2018/3/27

『社会人のための現代中国講義』5  お勧めの1冊

遠藤氏の『トランプ、中国に知財制裁――在米中国人留学生の現状から考察』を読む
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20180326-00083114/

知的財産権侵害の土壌として同氏は、

『アメリカに集まる118万人の留学生のうちの35.3万人が中国人で、全体の約30%で常に1位。2位はインドで19.4万人。最近では中国人留学生の低年齢化傾向が強くなったが、2016年で高校卒(学部入学)が10%、学部卒(大学院入学)が30〜40%で、あとは大学院生が修士課程から博士課程に行くケースや、中国で博士課程まで終えたが他の研究コースを選ぶ者などがある』  とする。 

つまり最後のカテゴリーが(トランプが言うところの)知的財産権侵害と呼ぶ状況を引き起こす主体ということだろうが、しかし、これはなかなか難しいところ。 逆の立場になればそうした知的エリートを米国は世界中から掻き集めてその成果を自国のものとしていることでもある。 他の研究者なり組織が完成した知的財産の中国本土への漏洩でない限り簡単に「侵害」とは言えないはずだ。

昔、私が留学していた頃に日本の留学生(あるいはポストドク?)がクローニングした遺伝子の情報を日本に持ち出したと言って大学が訴訟になったことがあった。 昔から米国のポストドクや研究員の成果が彼を雇っている大学の知的財産なのか、本人のものなのか議論になるところだが、基本としては大学や企業、ひいては米国のものということになっている。しかし以前、青色発光ダイオード(LED)の発見で企業と争った中村氏の場合は発見者のものとなったなどケースバイケース?
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さて問題は、昔は日本人留学生の「知的財産の侵害」が話題になったことがあったが、今ではサッパリ聞かない。いまは中国の留学生に限っているということ。日本の出番がなくなったということは実は逆の意味で大変なこと。


『社会人のための現代中国講義』5
2012年以降の危機は4月に石原都知事が尖閣を購入するといいだし、当時の民主党政権の不手際で胡錦濤のメンツを潰し、2013年安倍首相が靖国に参拝し中国のナショナリズムに火をつけた。領土問題はどの国も『我が国の領土だ』としか言えない。どの国も国民のナショナリズムには抵抗できない。ここは国民がより冷静に高次元で判断できないといけないとの指摘、同感だ。p152

経済の面では2011年時点で国有企業は13万5682社ある。そのうち4万社が中央政府の管理下にあり、残る9万社は地方政府が管理しているとか。前者の人事権は共産党中央組織部が掌握している。p164 また後者には県や区のような小さな行政区にも存在するとか。p162

7章は関志雄氏による「経済の行方」。同氏は信頼出来る人だと常々感じている。
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都市戸籍を得たら土地使用権をタダ同然で村に返すことになるので、都市戸籍取得を躊躇している。 これが農地は更地のまま放置され土地不足を引き起こす。p188 開発のための土地が不足しているにもかかわらず、使える可能性のある土地は凍結されているということだろう。
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2018/3/26

ためにする議論  試行,指向,志向、思考

訂正あり(2018.3.27)


先日よく見に行く人のblogで、中国の監視カメラの多さとキャッシュレス社会が典型的な監視国家の代表として議論されていた。しかし事実を精査すれば前者の監視カメラの数は英国の方がはるかに多いし、キャッシュレス社会では北欧の方がはるかに先を行く。まず結論があってデーターを集め議論する、典型的な「ためにする」やつだろう。

監視カメラについては、セコムや「世界ウイグル会議」の記事に詳しい。
https://www.secom.co.jp/flashnews/backnumber/20150708.html
http://www.uyghurcongress.org/jp/?p=3551

前者によれば、英国では2012年段階で、監視カメラ数は450万台。英国の都市で市民が1日にカメラで撮影される回数は平均300回と推計されている。一方中国は1,000万台(2011年)とさらに多いが人口比で比較すれば英国が群を抜く。ただし、後者の「世界ウイグル会議」の記事では中国も将来人口比で世界一の英国に並ぶ勢いとしている。現在、これらの数字はさらに増えているだろうが、比較できる同年資料が見つからなかったが英国が監視カメラの数でダントツなのは以前からよく知られた事実。いずれにせよ中国だから監視カメラが多いわけではない

次にキャッシュレス社会につては東洋経済の記事が参考になる。
http://toyokeizai.net/articles/-/213258
電子マネーの名目GDP比比較、2017年> → キャッシュの名目GDP比比較
スウェーデン 2%
英国 3.7%
米国 7.9%
EU 10.6%
日本 19.4%

<キャッシュレス決済比率、2015年>
日本 18%
米国 41%
韓国 54%
中国 55%

ここでも中国だから個人がリンクされるキャッシュレス社会に移行しているわけではなく全世界的流れだ。

キャッシュレス決済の最大の利点は効率化。瞬時に本人の銀行口座からダイレクトにマネーが引き落とされる仕組みでP2Pの代表。
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現在、日本の製造業はミリ単位の合理化を続けているが、経理などのバックヤードは、非効率なビジネススタイルを守っている。労働力不足の日本こそこうした合理化が一番必要なはずだが、何故なのだろう?

その理由として著者は地方銀行の平均的な純利益の額は約147億円(2016年)だが、その約13%はATM手数料で稼ぎ出している。また、ATM手数料だけで利益を稼いでいるセブン銀行では、純利益261億円のうちの99%をATM手数料で稼いでいる。そういう銀行に安易にキャッシュレス化を進めてしまうと、銀行経営の悪化に直結すると言う。それだけでなく余剰人員の解雇の問題もあるのだろう。

東洋経済の記事に対する読者のレスの方が参考になり、面白かった。例えばこうした書き込みがある。

<コストについて>
(1)カード会社に3%も搾取される。 これは事実だ、カード会社は暴利を貪っていると批判する人も多い。

(2)店側が決済デバイスの導入費、維持費、決済手数料を嫌ってキャッシュを望むから、それに合わせてしまう。

しかし、現金取扱がほんとにローコストだろうか。入金の手間、管理のコスト、自動化できない帳簿などコストは相当かっているはず、ここはきちんと数字を出してもらいたい。中国では串焼きの屋台屋さんでもアリペイやwechat payでやっているのが多いことから考えると導入にコストがかかるとはとても思うないのだが?

(3)スーパーや小売業であればおつりを用意するために、わざわざ銀行に行き手数料を払って小銭を用意している。 それは知らなかった! まさかここでも銀行は手数料を取っているとは!

<安全性については>
カード持っていない人がどういう人が冷静になって考えた時、意図的に持っていないならまだしも「不可能」な人もいる訳で、そういう人は信用情報上何らかの事故があった可能性が否定できない。

これはなかなか辛辣なことを指摘する。まさに「信頼できない人は、自転車も借りれない、タクシーも呼べない、部屋も借りれない」ということだろう。
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2018/3/26

『社会人のための現代中国講義』4  お勧めの1冊

『社会人のための現代中国講義』4
東シナ海と南シナ海は第一列島線を越えなければ中国が海洋国として打って出ることができない地政学的環境にある。したがって、覇権主義を発想することも、逆に協調主義を発想することも可能な選択肢。p119 

これまでの中国海軍には連合艦隊を持つことがなかった。それに対し日本は5つの地方隊のほか、4個護衛艦隊による連合艦隊を持つ。

2013年に中国は初めて3つの北海艦隊(渤海、黄海)、東海艦隊(東シナ海)、南海艦隊(南シナ海)を合わせた連合艦隊演習をはじめたばかり。しかしその後現在までに3つの空母をもつ艦隊を準備する計画がある。ただし空母は航空機という非常に高価な戦力を多数積んでいるにもかかわらず、穴1個でもあけば無力化するリスキーなプラットホームで運営するには護衛艦隊がなしには無用の長物のみならず壮大な無駄となる。p125

これまでの歴史として、1978年の中越戦争でのベトナムの敗北が南シナ海での6つの岩礁を占拠し構造物建設を可能にした。1991年米軍がフィリッピンから撤退した後、南沙諸島を中国が占拠した。 このことからこれまでの中国は可能であれば現状変更する国。p131

<豆知識>
「領海侵犯」というのは国際法解釈では領海に外国の軍艦が通過してもそれだけでは違反にならない。これ海洋強国の英米が定めた「自由航行権」からくる。p127
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2018/3/25

銀行と自動車関連産業の未来 & 悲惨な大学教育 & 『社会人のための現代中国講義』3  お勧めの1冊



いま、バカちんトランプの貿易戦争?の恫喝により、日本の株価も米国の株価に引きずられて下落している。しかし本当に日本の鉄鋼などの業界が大きな損失を受けるのか疑問だ。私が理解するところでは、今の日本の鉄鋼はハイテク素材なので価格に上乗せできるだろうし、そうなると困るのは米国も同様。 一度、そのことを彼に気がつかせる方が有効。そのために政治の力が求められる。


<銀行と自動車関連産業の未来>
これから淘汰や再編成が行われる産業は「銀行」と「自動車関連産業」だと予想される。 

実際、銀行はフィンテック時代に直面し既に大きな変化が始まっている。数万人のリストラが開始されたのはその象徴。ここでもGAFAM+2の影が見える。 
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一方の自動車産業界はまだ明らかな兆候は出ていないが、自動運転とシェアリング・エコノミーの融合で将来、車の販売数は下落するだろう。「技術」はすぐやってくるだろうが、「意識」の変化(所有から共有あるいは借用)には時間がかかるだろうから少し時間に余裕があるかもしれないが。その間にメーカーは今の「製造業」から「サービス業」に変身しないといけない。かつてのIBMがそうしたように。特に高齢化社会の日本では社会的要求はどの国よりも高いはず、むしろこれを有利に利用すべき。
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高齢者がスマホで自動運転の送迎車を呼び出し利用する。車を購入する必要も、維持費も、駐車場も、自動車保険も不要だし、事故の心配もない。(一度これらの総額がどれだけになるか計算してみてはどうだろう? 車を持つことが如何にコストがかかるかわかるはずだ)

一方で車の所有者は自動運転車をこうしたシェアーエコノミーで24時間稼働させて稼ぐことができる。駐車場もいらない。せいぜい充電や修理の時だけ駐めるくらいだ。そうなると、コストパフォーマンスは最高になる。 そこに今のメーカーは変身すべきだろう。否、そのように変身できないメーカーは市場から撤退するしかない。それが「製造業」から「サービス業」への変身ということだ。



<悲惨な大学教育>
内田氏が『受験生のみなさんに』という記事を書かれている。
http://blog.tatsuru.com/2018/03/23_0849.php

実に同感で、私も最終講義では及ばずながら同じような内容を学生さんと同僚(最終講義は公開講義)に話した。
http://blue.ap.teacup.com/salsa2001/5181.html
http://blue.ap.teacup.com/salsa2001/5180.html




『社会人のための現代中国講義』3
第4章はよくマスコミに露出する東大の川島真氏による「外交、歴史と現実」。

1928年の山東出兵、1931年の満州事変にしても多くの国民が支持し、それにより軍部の暴走を政府が追認しなかったのが現実だということ。p73 民間のナショナリズムの方が暴走しやすいのは戦前の日本と現在の中国で共通性がある。p74

興味深いこととして、『環球時報』が最も引用しているのが日本の『産経新聞』だということ。p109

これには驚いた。てっきり朝日新聞かなんかだと思っていたが、ここらは是非数的証拠も出してもらいたいし、それは可能だと思うが。事実だとすると色々な意味で『環球時報』と『産経新聞』は「同じ穴のムジナ」と言えそうだ。どちらもタダで全部読めるという事が全て本性を現している。

面白いことが1つ書かれてあった。それは中国の歴史(現代史)が専門の川島氏は毎年、日本のセンター試験に相当する「統一試験」の歴史の問題を解いてみるそうだ。ところが同氏のような歴史専門家でも8割程度しか解けない。それは歴史の教え方が政策の変更によって、日々変化しているからだとか。p112  

それは知らなんだ! それほど歴史教育というのは「生まれが卑しい」ということだろう。それと、中国の大学では「やってはいけない」と指定される事柄があるが、それは「皆がやっていること」の裏返しだということだとか。p113 これはよく分かる、校則というのはそなんなものだ。「授業中にはスマホを使うな」だとかと同じこと。これには笑ってしまう。
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2018/3/24

<郷土史探訪;玄ボウの墓>  

土曜は晴天で桜も開花しはじめた、散歩には最適に日和。というわけで、ほぼ隔週でいく太宰府図書館から歩いて10分程度の場所に観世音寺に行くことにした。 中央に観世音寺、道路を挟んで案内図下に図書館が位置する。

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その境内に玄ボウ(日方、この字を入力すると文字化けする)の墓があることは以前から知っていたが、実際に訪れたことはない。これ幸いに車を図書館の駐車場に置いて、観世音寺まで歩いてみた。(境内に駐車場があることが後でわかった)

先日『空海の企み』を読み、空海が玄ボウに繋がる系図があることが書かれてあった。そこでにわかに興味を覚えたのが理由。正面の案内図には何故か玄ボウの墓は紹介されていない。道鏡的な人物ということで人気がないのかもしれない。しかし所詮権力闘争の敗者、古代史に興味がある人ならば訪れてみたい史跡だろう。ちゃんと紹介した方がよいと思う。

彼は阿倍仲麻呂や吉備真備とともに唐に渡り、玄宗皇帝により三品に准せられたほどの学僧。帰国後は宮廷で権力を振るい権力闘争の果て敗れ、ここ観世音寺(AD746完成)の別当に左遷後(AD745)伽藍が完成した翌年に死去した。造立供養の年は人の出入りも多かっただろうし、多分毒殺か暗殺ではないのか? 当時はこのように権力闘争に敗れ左遷後、1〜2年して死去することが多い。偶然とは思えない。その玄ボウの墓は下の写真に示す、鑑真により設けられた三戒壇の1つ西戒壇の裏に存在する。講堂の左横、民家の隣に目立たなく存在する。

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講堂の裏手にある下の写真、僧房跡の延長上に位置する。

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講堂と金藏の間に五重塔の心礎がある、建物の基礎だから当然だろうが、かなり大きいことがコントロールとして置いたカバンとの比較で判るだろう。

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