2016/6/1

『環境考古学への招待』3  お勧めの1冊

「リーマンショック並みのリスクとは?」 という題で久保田 博幸氏がアゴラに寄稿されている。 

結論から言えば、安部氏の言う「新興国リスク」以上に「債務残高の異常な大きさと中央銀行が財政ファイナンスのような行動をしている日本にこそ潜んでいる」と結論されている。
http://agora-web.jp/archives/2019446.html

経済音痴としては今の時点で、事の真偽は判らない。しかし、少なくとも、安部氏の言うことよりも久保田氏の説明が納得いく。



『環境考古学への招待』3
何が植えられていたかの章で、ここでは結果だけ述べられているが、これは同位体効果と呼ぶ現象を使った発掘土壌に過去どのような作物が植えられていたかを推定する手法の紹介がある。以前ここでも紹介した方法。
http://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/4496/trackback

高校の化学では同位体間では最外殻の電子軌道上にある電子(価電子)の数が同じなので化学反応性には差がないと教える。しかし厳密には化学反応における同位体効果と呼ぶ現象が知られている。

すなわち、C12とC13の間での質量差は13/12=1.0833、つまり8%程度。二酸化炭素で計算すると2%程度になる。それゆえ気孔から葉緑体への拡散のような光合成の動的なプロセスでは質量数の大きいC13の割合が低下することが考えられる。 事実C3植物よりC4植物の方がC13をより多く含むことが判っている。C3の植物としてはドングリ、米、麦。C4の植物としてはトウモロコシ、アワ、ヒエなどがある。p72  だからトレンチを掘って最地下層にC13の比率が高く、上の地層でC13が減っていけば最初アワなどが栽培され、その後麦が栽培されたなどというような仮説が立てるられる。

そのほか、「花粉分析」を使った解析から、スギやヒノキの風媒花は大量の花粉を出すが、草木類は虫媒花で花粉の量は少なく花粉分析は難しい。ところが古代のトイレ跡にこの虫媒花の花粉がよく見つかる。そこから著者はこれら草木類の「花」が食用にされていたと推定する。p70

こうした物理化学的、顕微鏡的、さらには分子遺伝学的解析が考古学に与えたインパクトは非常に大きい。
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