2016/6/22

『コサックのロシア』4  お勧めの1冊

梅雨に本格的に入ったのか、培養室の結露がすごい。無菌室では結露が汚染の元になるので自動運転からドライに切り替えた。本来ならば自動で済むはずだが部屋の大きさなどで感知できないのかもしれない。もっともすでに建設して20年程経つらしい。機械そのものの機能が落ちているのかもしれない。


『コサックのロシア』4
ここで農民反乱を率いた、伝説のステンカ・ラージン(本名ステパン・ラージン、ステンカは愛称)の話は出てくる。この本を読むまで、てっきり「ステン・カラージン」と思っていた(汗) 

彼はコサックのはみ出し者だが農奴制の廃止や腐敗貴族や役人の打倒を掲げ農民や貧民の反乱軍を率いた。最後は政府軍に処刑されるも、後々まで伝説のコサックとして伝えられる。

著者は最後のあとがきで「ロシアをロシア的たらしめているものはその広大な空間だ」という。p291

そしてそれを守るため、国家と距離を置きつつもその拡張の尖兵となって戦ったのがコサックであり、そのロシアの血を強く引く集団は今でも存在すると著者はいう。それが新ロシアの中で復活しはじめたとも。この集団は新ロシアにあって、周辺の旧ソビエト諸国の民族紛争に介入する可能性を著者はここで指摘しているが、この本が書かれたのが2000年。もちろん現在のクリミア内戦の前である。しかしその前兆を著者は予言していたような気がする。

クリミアはもともと汗国の伝統を持ち、タタール系住民の地だと思うが、そこに多くのロシア系住民が移住してきたことが現在の内戦の原因だと聞いている。彼らロシア系住民の中にもしかしたらこのコサック的血が流れているのかもしれない。

最後に著者はソビエト崩壊後の新生ロシアが欧米型の民主主義国家の道をたどるものと期待されているかもしれないが、歴史と地政学的条件を見る限りユーラシア大陸国家として過去の伝統から離れることはないと断定している。p293

またその意味では同じユーラシア大陸国家である中国も可能性が高い。ただし、現在の中国はロシアと中央アジア諸国との間で国境問題を解決し、いまはその視線の先には東に向き太平洋、即ち東シナ海と南シナ海がある。大陸国家であった中国が果たして大洋国家として成功するかどうかは疑問があるが。今後の動きは目が離せないというところだろう。
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