2006/3/6

<青は藍よりいでて藍より青し>  お勧めの1冊

トッドは西欧の近代化には3つの要素が絡むと考えているようだ。それは象徴的に3つの国で示される。識字化に成功したドイツ、受胎調節に成功したフランス、そして産業革命に成功したイギリス。それぞれがそれぞれの国の人類学的基盤に繋がっている。

例えばドイツは家族構造として直系家族で知的遺産を跡取りに伝えることに熱心で、これは識字化に繋がる。またこの国が権威主義的プロテスタント化したこと(これも実は家族構造と関連あると彼は考える)は教会の権威から距離をおくことを要請したので識字化はさらに加速化した。

このような新しい見方はフランスの史学の伝統であるアナール派から出て来たものだとも思うが『青は藍よりいでて藍より青し』の諺通りだと思う。彼の新しい見方が初めてヨーロッパの知的世界に紹介された時、衝撃的だったのではないか? 彼の仮説で多くの今日的問題の解釈が可能なような気がする。勿論仮説は仮説、検証される事が必要で間違いが判れば捨て去ればいいこと。

もし彼の仮説が正しければ、人類の将来は決して暗いものではなく希望が見えてくるし、今我々が人類史上一大転換期にあることも読み取れる。トッドによれば、世界的な識字化というのは2030年頃に達成されると予想されている。『移民の運命』p51 彼はこの事態を「革命」と呼んでいるが、この識字化が急速に進んだのはどうやら前世紀以降のようである。文字の発明はおよそ紀元3000年に遡るが、人類が文字に関わる革命を隅々にまで実現するには5000年かかったということになろう』p51 つまり我々は歴史上、識字化の最終局面に立ち会う証人ということになる。また受胎調節もしかり多くの国で出産率が5〜6から2になったのは20世紀の出来事であるし、今後開発国でこの変化が急激に起こるであろうことは容易に想像される。このような急激な歴史的転換は多くの悲劇を生むだろうが、それを越えたところに明るい未来があると期待させられるのは私だけでしょうか?
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