2021/5/15

『東南アジア』  お勧めの1冊

『東南アジア』
副題;池上彰の世界の見方、小学館、2019年初版。

有名な池上さんの本。簡単に読めるが内容は濃い。「はじめに」のところでこの本が中高生用に書かれたという紹介がある。p6 彼は難しいことを上手に分かり易く説明する天賦の才能がある。

冒頭にシンガポールを「明るい北朝鮮」と紹介する。形式的には民主主義国家だが政権党に極端に有利な仕組みがあり、政権交代が出来ないようになっているということらしい。p3 そうした国がどのように出来たのかも興味深い。このところ、ようやく東南アジアについて勉強せねばと思いようになった(汗)

日本人が英語が下手なのは1つには明治以降、日本語で高等教育ができるようになった先人の努力があるというのは納得できる。p35 それに対し東南アジアの国は植民地の歴史があるため宗主国の言葉で教育はなされたという面がある。

それに関連して、明治に日本が欧米の文化を日本語で表現した漢字を作成し、それが中国に逆輸入された。その例をたまたまこの李姉妹のサイトで「和製漢語」として紹介されている。
https://www.youtube.com/watch?v=v0MoHM53IzI

固有の音と意味を持つ漢字(表意文字)は簡単に現地の言葉に移植できないことより。表意文字の伝播は単に文化の伝播という文化現象としてのみ理解するだけでは不十分で、政治的意味合いがあると聞く。たまたま別の行きつけの「ちー」さんのblogでも話題にしたのだが、こうした現象は当時の中国の政治変化と無関係ではない。
https://ameblo.jp/changzi728/entry-12674466972.html

話を元に戻すと、日本がシンガポールを占領した時、中華系住民の大量虐殺があったということを日本は教育していないとの指摘はまさにその通りだと思う。p43 それでもそれ程反日運動が目立たないのは先のシンガポールの国の性質があるはず。

日本が大戦中に多くの住民を犠牲にしたのはフィリッピンとインドネシアとミャンマー。前二国は石油資源故に文字通り標的になったし、ミャンマーは連合軍がミャンマールートで中国支援を行ったから。それ故、この三國に対する戦後賠償金は東南アジアの中でも大きい。それにも関わらず、これら三國はそれ程反日ではない。

著者は中東やアフリカには物作りの伝統が弱く、東南アジアのようにはいかないと予想している。p53 チャイナプラス1はバングラディシュ止まりだと。さて、どうだろう? バングラディシュとパキスタンはそれ程違わないと思うが?
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