社団法人日本柔道整復師会第35回近畿学会京都大会が10月17日(日)、京都大学百周年時計台記念館にて開催された。前年度より社団日整主催「近畿学会」となり近畿ブロックや他府県からの会員や近畿圏内の養成校から講師と学生が660名参加し、会場は満員で立ち見が出るほどの盛会であった。
萩原正・日本柔道整復師会会長は挨拶で「会員各位の日頃の研究の成果が発表され、その成果が着実に地域医療の臨床現場で大きく貢献するものと期待しております。社団法人日本柔道整復師会は、地域医療の現場で確固たる位置づけを得るためにも、医療・福祉・介護の分野で国民から求められる要望に如何に応えていくかを考え、中長期的展望にたっての諸政策に、執行部一丸となり最善をつくしております。何卒諸先生方の一層のご指導とご協力を賜りたくお願い申し上げます。」と述べた。
第1会場では開会式に引き続き、京都大学大学院人間環境学研究科・応用生理学研究室・森谷敏夫教授より「生活習慣病における運動と食事」の特別講演があった。森谷教授の専門は応用生理学とスポーツ医学で、生活習慣病における運動の重要性を説き、有酸素運動を推奨されておられます。
「体脂肪を調整しているのは自律神経であり、運動をしないと自律神経の活動が低下し、筋力が落ちて筋肉量も減る。基礎代謝も減る。その結果として太る。人間の4割を占める筋肉はブドウ糖や脂肪を最も大量に消費する“臓器“である。」「動かなければ必ず太る。痩せたければ無理な食事制限などせず、こまめに動く事」「一に運動、二に食事」もっといろいろな話を聞きたくなる程、とてもユニークでユーモラスな動きとお話で聴衆を引き付ける講演であった。
続いて第1会場では13題の会員研究発表が行われた。第2会場では近畿圏内養成校の学生によるポスタープレゼンテーションが行われた。第3会場では超音波画像観察委員会によるパネルディスカッションと実技が行われた。
滋賀県の会員は「運動痛に対しての検査法〜タッチテクニック理論から〜」清水豪士会員、超音波画像観察委員会によるパネルディスカッションでは「超音波観察の基本と基礎用語」真下盛吉会員、「超音波観察装置を使用した実験」川戸典知会員が発表した。実際に、フルーツゼリーや骨付き鶏肉を用いて超音波観察を行い、写り方の説明をわかりやすく行われ、超音波は難しいものでは無く、原理を理解すれば我々の臨床に非常に有効であるということを伝えていた。
滋賀県の会員は51名の出席でした。来年の第36回近畿学会は奈良県で平成23年10月30日に開催される予定です。会員の発表論文を募集しております。本会学術部まで提出をお願いします。

萩原正・日本柔道整復師会会長

森谷敏夫教授

清水豪士会員

座長・太田達志学術部員

前日の夕食会で挨拶をする伊部学術部長

京都大学百周年時計台記念館

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