昨日に続き 重松清氏の卒業 2作品目「あおげば尊し」です。
厳格な教師としてがんばってきた父親の終末期に、主人公の教師をしている息子と教え子との物語です。
父親は厳格なため、学生たちには愛されず、年賀状などのやり取りもない状態。
学校を辞めると とたんに人間関係が少なくなってしまう。
意識も薄くなりながら、今までの卒業写真を眺める父。
確実に死に近づいている中、主人公の先生のクラスの中に問題が起こってきます。
その小学生は「死」に興味を持ちます。
はじめは虫や動物の死。そのうち周りの子供たちまで一緒に動物の「死」に興味を持ち始めるので学校でも問題になっていきます。
その小学生は斎場の煙を眺めるようにまでなります。
しかし、大人たちは「それはいけないこと」とは言いますが、「どうして?」と聞かれるとキチンと説明ができません。
そこでクラスの学生たちに父親の介護実習を計画します。
今まで盛り上がっていた学生たちは静まってしまいましたが、問題の学生は介護の途中だまって父親の写真を撮ってしまいます。
それが許せなくて介護は一旦中止になります。
いよいよ死が近づいてきたときに・・・。
という お話でした。
「死」を考えるとき、いつも「生き方」を考えます。
できれば「死ぬ時」には、人に思われながら死ねたら幸せだな と思います。

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