昨日の冷たい雨もあがり、昼からはお天気も回復しそうです。
流行を続けている風疹。
妊婦が感染しないように注意が必要です。
国立感染症研究所 感染症疫学センターは、2018年10月23日「風疹急増に関する緊急情報:2018年10月17日現在」を公開しました。
要約すると
2018年第1〜41週の風疹患者累積報告数は1,289人。
第40週までの累積報告数1,103人から186人増加。
2008年の全数届出開始以降では、2018年は2013年、2012年に次いで3番目に多く、2017年(93人)の14倍の報告数となった。
2018年第1〜41週までに、先天性風疹症候群の報告はないが、過去には2012年に2,386人、2013年に14,344人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風疹症候群が45人確認された。
先天性風疹症候群の発生を防ぐためには、妊婦への感染を防止することが重要であり、妊娠出産年齢の女性及び妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要がある。また、現在の風疹の感染拡大を防止するためには、30〜50代の男性に蓄積した感受性者を早急に減少させる必要がある。
地域別には東京都(432人:第40週から70人増加)、千葉県(234人:第40週から18人増加)、神奈川県(163人:第40週から31人増加)からの報告が100人以上と多く、埼玉県、愛知県でも50人を超えて、それぞれ90人(第40週から12人増加)、71人(第40週から10人増加)となった。
第41週は東京都、神奈川県、千葉県、愛知県、埼玉県の5都県以外に、福岡県(8人)、岐阜県、大阪府(各4人)、沖縄県(3人)、北海道、茨城県、静岡県、三重県(各2人)からも複数報告された。
首都圏での風疹報告数増加が継続する一方で、首都圏以外の地域からも報告が認められ、報告がない県は第41週時点で6県のみである。
推定感染源は、職場の同僚/上司・職場で流行等、「職場」と記載があった者が94人と最多で、家族29人(夫8人、兄弟6人、姉妹2人、子8人、父3人、母2人)、コンサート/ライブ等23人、旅行/出張17人、通勤途中8人、友人/知人14人等の記載があった。
報告患者の96%(1,235人)が成人で、男性が女性の5倍多い(男性1,062人、女性227人)。
風疹はワクチンによって予防可能な疾患である。
今回報告を受けている風疹患者の中心は、過去にワクチンを受けておらず、風疹ウイルスに感染したことがない抗体を保有していない集団である。
感染症流行予測調査の2017年度の結果を見ると、成人男性は30代後半(抗体保有率(HI抗体価1:8以上):84%)、40代(同:77〜82%)、50代前半(同:76%)で抗体保有率が特に低い。
2018年の風疹患者報告の中心もこの年齢層の成人男性であることから、この集団に対する対策が必要である。
全文
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/rubella/181017/rubella181017.pdf

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