今朝も寒いですが、日中は16℃まで気温も上がりそうです。
昼から1件の往診の予定です。
加齢性黄班変性症の患者さんにiPS細胞で作った網膜色素上皮細胞のシートを埋め込む臨床実験がこれまで行われてきました。
これまでの実験は視力をよくするものではなく、術後の安全性を確認することが主な目的でした。
今回神戸市立神戸アイセンター病院が、健康な人のiPS細胞から作った視細胞になる「神経網膜シート」を失明寸前の網膜色素変性症医の患者に移植する世界初の臨床研究を、大阪大学の審査委員会に申請しました。
来年度にも手術を実施する予定です。
これが成功すると、今までほとんど見えていなかった人が、少し見えるようになるかもしれません。
網膜色素変性症は有効な治療法はなく、徐々に失明していく病気です。
日本国内に数万人の患者がいるとされています。
今回の計画では、2人に片目ずつ、iPS細胞から作った視細胞になる直前の「前駆細胞」を使い、直径1ミリ程度のシートを1〜3枚入れます。
極めて小さい移植面積のため、劇的に見えるようにはなりませんが、移植部分の視野が改善すれば、枚数を増やすことで、治療成績を上げることにつながります。
視細胞移植は、神経回路の形成などに時間がかかるため、手術後1年をめどに機能や安全性を評価することになります。
他人のiPS細胞を使用するため、拒絶反応が起こる可能性があり、免疫抑制剤を使う予定ということです。
いよいよ視力を回復させるための再生医療が始まります。
これからの結果に目が離せません。
楽しみです。

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