3ヶ月ほど前に、亡きお祖母様の着物を下さったお客様から
「この着物で何か祖母の思い出の品を」というご依頼を受けておりました。
時間かかりますよ

と言ったのですが
「急がないから」と言って下さったのと、
すべて私に任せて下さるとのことだったので、やらせて頂く事にしました。
その時たくさん着物を頂いたのですが、どうしても私を呼ぶ?一枚がありました。
それは、お祖母様が大事にされていたという黒留袖。
とっても凝っていて粋で、何度も着ていたことが解るものでした。
そのお客様は、間もなく他県へお嫁に行かれるとの事。
私も祖母と同居で育ちました。
祖母の口癖は「しまちゃんの花嫁姿を見るまで死ねない」でしたが、
2年前、私の結婚式を前に亡くなってしまいました。
90過ぎまで頑張って生きてくれたのに、花嫁姿を見せてあげられなかった・・・
それは仕方ないことですが、残念な気持ちもありました。
きっとお客様もそんな気持ちを持っているであろう、
お祖母様も天国から「遠くへ嫁ぐなんて、うちの孫大丈夫かいな」と
心配しているであろうと思い、お祖母様の想いのこもった着物を嫁入り道具に
加えて頂こうと思いました。
まずは気軽に使えるちっちゃいもの。
黒留の紋を切り抜き、カードケースに仕立てました。
他の2つの布もお祖母様の羽織です。
もひとつ、帯留。カジュアル着物用ですね

家紋が向蝶なので、チャームも蝶2匹で。
これはフォーマルバッグ。がま口金具はアンティークのものです。
ビーズフリンジもつけてみました。
これは、中振袖から作ったのですが、
形が私的には・・・な出来なので、オマケ的な感じで。
これもがま口金具はアンティークのもの。
先週お届けしてきましたが、とっても喜んでくださって良かった!です

私としても、こういった想いのある着物を扱わせて頂くのは、
難しくも楽しい製作でした〜
勉強になりました。ありがとうございます!!

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