3連敗してしまいましたねえ、ジャイアンツに、東京ドームで。
それも、完敗どころか、惨敗でしたねえ。
撃破されちまいましたねえ。
金本選手の必死のプレーには涙さえこぼれそうになりましたが、いかんせん、いくら超人鉄人といえども、たったひとりの戦いでは…。
向こうには、小笠原選手を筆頭に、イ・スンヨプ選手、ラミレス選手、阿部選手、高橋選手、谷選手、それに伏兵の坂本選手…。
なかでも第3戦は金本選手の2打席連続ホームランで、今夜こそは、と思いましたが、その必死の、美しい2点も、まるでB29の大編隊の報復のように、一気に8点の逆転劇。
事実上の玉砕(ぎょくさい)でしたねえ。
まだ同率で1位に並んでいるじゃないか、ほんとうの戦いはこれからじゃないか、と実況中継の解説者は言ってましたが、それはもうカラ元気ですねえ。
あんな力の差を見せつけられては、さすがに夢を追うこのトラキチも現実を直視するほかありません。
なにか不運なことが起こって負けたのなら、まだ希望も持てますが、完璧に力でぶったおされてしまいました。
金本選手があんな必死の形相(ぎょうそう)で切り込んでいったのに、ほかの選手が続けませんでしたねえ。
金本選手の前後を固めるはずの3番の今岡選手は今はもうボールが怖くてならないようで、打つにも守るにも腰が引けていましたし、5番の鳥谷選手はいつもの例の“クール”さで満塁の大チャンスにも内野へポワーンと凡フライを打ちあげていました。
せめて新井選手がいてくれたら、と思いましたが、それは勝負事に禁句のタラレバばなし。
ここぞというときに、そこへじぶんひとりでも突っ込んでいく、そういう主体的な選手がタイガースには少ないですね。
ほんとうにシンがあるのは、金本選手とその新井選手くらいでしょうか。
全体に調子がいいときには、全体の波に乗ってみんなでワッと進んでいきますが、選手個人の主体力が弱いので、いったん崩れはじめるとたちまちガタガタ。
そういえば、第二次世界大戦のときの日本軍がそうでした。
指揮官たちはそれぞれの戦場で主体的な判断ができないものですから、最新兵器で固めたアメリカ軍に対して、明治時代からの教科書どおりただヤミクモに白兵戦を挑んでは、兵士たちをどんどん犬死へ追いやりました。
兵士たちも軍国教育ですっかり主体性を封じられていましたから、突っ込め! の命令のまま、ほかにどうしようもなくどんどん犬死していきました。
あとはもう統制を失って、ジャングルのなかを敗走に次ぐ敗走。
補給もなく、飢え、病にたおれ、ゲリラに追われて惨殺され、まさに犬死いがいの何物でもありません。
(ちなみに、イギリス軍は主体性のかたまりみたいな貴族の家系が指揮官を務めていて、軍隊も崩れはじめてからがずいぶんシブトかったそうです)。
終わりですねえ、残念ながら。
グッバイ2008年ペナントレース。

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