神戸の青谷にコープミニ青谷という店があるんですが。
今年はこれで2回も商品棚の表示価格と違う値段を請求されました。
いえ、たいした品物ではないんですがね。
コープ自身が発売しているカン入りのトマトジュース(食塩添加分)。
棚の表示価格が68円だったので、200円の梨といっしょにカウンターに出したら、278円の請求が来たんです。
あっ、ぼくが棚で見間違えたんだ、とそのときはそういうふうに思って、言われるとおりに払いましたが、どうもシックリしないので、帰りにもういちど棚を見にいったら、やっぱり68円なんですね。
ああ、またか、と思いました。
ちょっと前にも同じようなことがありましたから。
組合員向けにけっこう大きく割り引いたくだものが売り出されましてね。
で、ぼくは組合員証を出してそれを買ったんですが、店員さんが求めたのは一般の顧客向けの高い金額だったのです。
ずいぶん額が違いましたから、そのときはもう一目瞭然(いちもくりょうぜん)で、すぐ訂正してもらいましたが、けど、気がつかないでいたらそのままですよね。
今回はたった10円のことだったし、お客も混んでいたので、店員さんに口で注意しただけで、そのまま帰ってきましたけどね。
店員さんがタルんでいるのか、それともコープもムリな合理化を進めて、人員不足から目が届かなくなっているのか。
コープというのは、もともと神戸で貧民の救済に専念した賀川豊彦(神戸生まれ)が、貧しいひとびとの生活を守るために創設したものです(1920年、神戸購買組合)。
神戸では生活協同組合(灘神戸生協、コープ)といえば、市民の尊敬さえ受けてきたのです。
長年にわたって神戸市民がコープを支えてきたのは、単に商品が安く手に入るというだけではありませんでした。
そこには賀川豊彦の精神に対する深い敬意が脈々と流れていたのです。
じっさい、神戸ではまだ多くの市民が「コープさん」とサンづけで呼ぶほどです。
しかし、コープが全国規模になって、いまや不祥事も珍しいことではなくなってしまいました。
信用をどんどん食いつぶしている格好です。
昔の生協を知るものには、今のこのテイタラク、さびしいかぎりです。
賀川豊彦は資本主義の暗部と懸命に闘いましたが、いまのコープは、賀川が闘ったその資本主義の暗部に巻き込まれていく気配です。

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