15日の対ベイスターズ戦(横浜スタジアム)で、金本選手が先発メンバーから外されました。
真弓監督には重圧のかかる決断だったでしょうし、タイガースのファンとしてもとても寂しいことですが、この時期のこの決断は、真弓監督の英断だったと思います。
先のスワローズ戦では大チョンボを犯しましたが、今回の決断はそれを帳消しにするものです。
15日の試合は負けましたが、これでチームが整って、優勝戦線へ立て直すことができるのではないでしょうか。
さしもの金本選手も、肩のケガがまだ完治にはほど遠いのでしょう、先発復帰後もチャンスでの凡打が続き、むしろチームのブレーキになっていました。
打てないこともさることながら、守りの弱さももろに出て、左翼へ打たれるとほとんどフリーパスで二塁を奪われていたのです。
投手にも、左翼へ打たれたくないという意識が働きますから、それがピッチングの幅を狭める原因にもなっていました。
ただ、これまでファンにいい思いをさせてくれた大選手ですし、復活へ向けて本人が血のにじむような努力を重ねていることもわかっていますから、いまになって先発から外すということは、あまりにもむごいことのように思えていました。
金本選手の扱いを考えるということは、ファンには心理的なタブーになっていました。
今シーズンは金本選手と心中することになってもしかたがないな、とぼくなぞはそんなふうに考えてもいたのです。
ですから、金本選手を先発から外すなどということは、真弓監督にはできないだろうと思っていました。
もしできるとしたら、ドラゴンズのあの非情な落合監督くらいだろうな、と。
真弓さんはようしないだろうと考えていたのです。
ぼくじしんは、どっちかというとようしないほうですし。
しかしそれを真弓監督はやりました。
もちろん、本気で優勝を狙うには、それが不可欠の手なのです。
金本選手が攻守の両面で大きな弱点になっていたのですから、それを克服するのは指揮官としては当然です。
真弓さんも追いつめられての上のことでしょうが、大きな勇気をふるいました。
タイガースはこれでつっかえていたものが取れるでしょう。
遅きに失したかもしれませんが、しかしどこまで巻き返せるか、そこにはまた楽しみも出てきます。
ジャイアンツとドラゴンズに連勝するようなことになったら、わかりませんよ。
もちろん、金本選手には肩をしっかり治して、以前のように活躍できるときが早く来るよう祈っています。
ぼくらは、かれがどんなに偉大なことをしてきたか、それを決して忘れません。
彼は大きく傷ついているでしょうが、その傷はぼくらもじぶんのことのように感じています。
復活を、せつに、せつに、祈っています。
それに、金本選手はベンチにいても、選手たちの大きな精神的支柱ですし。
もちろんファンにとっても大きな精神的支柱ですし。

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