今晩は日暮里サニーホールへ安保克則くんのテノールリサイタルを聴きに出かけました。
彼は秋田県出身で、山形大学卒業後に東京芸術大学大学院に進み、博士課程を修了しました。私が芸大の学部に入学した時に、彼もちょうど大学院に入りました。山形大学では入れ替わりなのですが、彼が高校生だった頃に、あるコンクールで声をかけたことがありました。その時の安保くんが、このように活躍するとは!今晩のステージも、大胆でありながら、謙虚な演奏に、満員のお客さんも満足されたようでした。
前半がイタリア歌曲、後半はベル・カントのオペラ作品という、大変なプログラムでした。ドニゼッティの「連隊の娘」のアリアでは、超高音が何度も繰り返されるのですが、途中までは完璧でした!その後、アクシデントもありましたが、それがまた、彼をこれからも応援したいという気持ちにさせられました。
芸大で博士号を取得したとなると、まわりの方の期待の気持ちが大きいというのが、今日の客席からも感じましたが、安保くんは安保くんらしい演奏家になってもらいたいな、と思いました。
プログラムには一曲だけ日本歌曲が盛り込まれていました。それが「浜辺の歌」。故郷を思う気持ちと音楽を愛する気持ちは、自分と同じなんだなと、とても嬉しくなりました。
これからも色々な場所で彼の演奏を聴くことができることを楽しみにしたいと思います。