病気をしてから、よく、どんな言葉に励まされたか?という質問を受けるのですが、「この言葉をきっかけに私は前向きになりました!」というような、劇的な言葉はあったあろうか・・・。
どんな言葉で励まされたかというより、どんな状況で、どんな表情で気持ちを伝えてくれたかということの方が印象深く、私の心の中に刻まれています。
いつの頃からか、「頑張って」という言葉は、頑張っているひとに対して使うものではないとか、無責任な言葉だ!などと、特に病気の人を励ますのには相応しくないような風潮がありますが、私は、そんなことはないと思います。
私は「頑張って」というエールにどれだけ励まされてきたでしょうか!相手がどんな気持ちで発したメッセージか、そして、それに対して自分がどう受け止めるかが大切なんだと思います。
さて、先日のある番組でのインタビューでも、「どんな言葉に励まされましたか?」という質問を受けました。私は、病気がわかったとき、主治医が「人生のまとめをしたほうがいい」というような内容の言葉が励みになったと答えました。受け止め方によっては悲劇的とも取れるかもしれませんが、私はそうではありませんでした。
私ががんだと分かって気持ちが揺れている時に、はじめて私の命と向き合ってくれたのが主治医であり、治療法の他に年齢の近い私に「人生のまとめを・・・」という一言を言ってくれた、あの時の表情やタイミングがやはり、心に深く刻まれたんだなと思います。
昨日の受診の時、血液検査で微妙に数値の変化があった私に、会うや否や真剣な表情で迎えてくれた主治医の顔を見て、初めて会った時も、こんなふうに診察してくれたな・・・と思い出しました。
気持ちが込められた言葉。
気持ちが込められた言葉を受け取る心。
言葉にできない気持ち。
それを察する心。その気持ちを受け取る心。
こころ。
ココロ。
心。