ラジオ福島の大和田新アナウンサーが、先日、石川県のある小学校から贈られたランドセル18個を、相馬市内の保育園に届けたというニュースを聞きました。
このランドセルを預かったのは、福島県内の男性。この方は、近くの小学校、保育園、幼稚園に、このランドセルを使ってもらえないかと申し出ましたが、すべて、断わられたとの事。理由は、新品ではないから。この男性から、大和田アナウンサーに長い手紙が届きました。そこには、贈り主である石川県の子供たちの善意を無駄にしたくないということが書かれており、そこで、預かった18個のランドセルを、大和田アナウンサーが相馬市の保育園に届けたのです。園長は、いただいた善意を大切に、子供たちに感謝の気持ちを教えていきます、と話してくれたそうです。
全国からの支援を必要としている福島県。「新品はもらうけど、中古はいらない。」そんな思いが、福島県の復興の障害にならなければと願っている、と大和田アナウンサーは仰っていました。
この話を聞いた時、私自身の経験と重なるものを感じました。
私も、病気のことが、テレビなどのメディアで紹介され、多くの方に励ましていただき、支援される側になりました。私の病気には「治療法がない」と言うことが取り上げられると、身近な方から、そして、全国の方から、サプリメントや健康食品、思想本など、様々なものが届きました。それも、高価なものばかりでした。
でも、私は私なりの方法で闘病しているので、そういった贈り物が届き、正直、困ってしまいました。とは言え、「役に立てて欲しい」、「少しでも病気の進行が遅くなるように」という「思い」が込められた贈り物。
いろいろと考えた末、失礼かとは思ったのですが、詫び状を添えて、送り返すことにしました。高価な品をせっかく送っていただいたのに、使わずに部屋の隅に置きっぱなしにしているよりも、その品を有難く使うことができる方に使ってもらった方がいいと思ったからです。
なので、「新品でなければ受け入れらない」と言った幼稚園・保育園にも、なんらかの事情や背景があったのではないかと思います。
私は今、「支援される側」から、震災後は被災地を「支援する側」として様々な活動をはじめたところです。自分の経験を通して、支援したいという思いだけで行動するのではなく、支援された方の迷惑にならないように、本当に必要なものは何なのか?被災地(受け取る側)の情報を正確に把握し、もっともっと相手の立場になって考えて行動しなければならないと思います。
さて、ここで一曲。
震災後、ラジオ福島の大和田新アナウンサーが、震災から撮り続けた写真をスライドにまとめたものがありますので、紹介します。曲は、福島県浪江町の門馬よし彦さんです。私は数ある復興ソングの中で、この曲が一番好きです。聴いているひとに、寄り添うような音楽。
是非、どうぞ!