これまで「在宅死のすすめ」、「終末期の過ごし方」といった、病院死について批判した本を何冊か読みました。がん末期患者や高齢者本人が、どのような選択をすれば穏やかに旅立てるか?残された家族や友人は大切な人の死をどうしたら受け入れられるか?大事な問題です。
病気が治らないと宣告された場合に限って書きますが、まずは、それでも僅かな期待に賭けて治療を続けるなら引き続き入院生活するだろうし、延命治療をしないなら退院を迫られるという話をよく耳にします。
延命治療なしで自宅での生活に戻るだなんで、弱った身体にムチを与えるだけだし、家族のサポートなしには日常生活を送るだなんて無理な話です。私はHeroくんと2人暮らしなので、協力しあっていくことを考えてみましたが、そうなれば彼に仕事を辞めてもらわなければなりません。朝7時には出勤し夜9時の帰宅ですから日中は私はたった一人で過ごさなければなりません。出来れば彼の勤務中には死にたくないし、終末期には安心して医療のサポートを受けたいです。
ちなみに私の家族構成は、父は8年前に他界、母は脳出血が原因で半身不随となり、数年前から特別養護老人ホームに入所中、兄は角館の実家に独りで住んでいます。兄は週に1〜2回はホームにいる母を訪ねて、洗濯したり、話相手になっています。他に私には関わりのある親戚はいないので、実家を頼る訳にはいきません。
そこで、在宅ケアを受けるか、緩和ケア病棟のある病院に入院するかを考えましたが、病院で死ぬことを選びました。今後、病状はどうなるかわからないので、在宅ケアと病院への入院を交互にするかもしれません。ただ、病院で死にたいという気持ちは変わりません。入院していれば、確かに不自由なことの一つや二つはありますが、代わる代わる親切な看護士さんが接してくれるし、ボランティアさんとの会話も楽しく、孤独から解放されます。
中には住み慣れた自宅で静かに死にたい、家族や親しい友人だけに看取られたい、そう思う方も多いと思います。どんな最期を迎えたいのかを決めるのは自分自身です。周りの方と話し合い、文書に残して自分の思いを伝えていくべきではないでしょうか?その願いを叶えるための方法も必然的に見つかるでしょう。
大切な人とのお別れ、よく話し合いましょう。