昨夜、私の大好きな歌手「ちあきなおみ」さんの特集を民放で観ました。1992年に旦那さまがお亡くなりになった後は、一切の芸能活動を休止されていますが、彼女の天才的な歌唱は、多くの方が活動再開を待ち望んでいます。私もそのひとり。エディット・ピアフ、マリア・カラスに並ぶ歌手ではないかと私は思います。
番組の中で、たけしが、「こりゃ、ミュージカル観てるみたいだね。」と、ちあきさんの歌への感想を述べていますが、全くその通りです。私は、オペラの1シーンでも観ているかのような気持ちになりました。ゆっくりと歌の世界に誘われ、まるで、その世界に自分自身が存在しているかのようになり、歌い終わると、ふうっと我に戻る・・・、面白い映画やオペラを夢中になって観たときのような感じです。
特に、心の中は悲しみでいっぱいなのに、それを隠そうと気丈に振る舞い、笑顔で歌うところなんか最高!芝居ばかりではなくて、その声の表現と、間の取り方・・・計算されているのだろうか?一歩間違えばヤバイおばちゃん!?それぐらいギリギリのところで自然な表現をしています。
大抵、上手い歌手っていうのは、歌い出しから、「この人、歌がうまうな〜。」って思うし、歌っている間も安心しながら聴いていられます。楽しい曲は明るく、悲しい曲は暗く、確かに何かを表現しているように見える。でも、ちあきさんは、そんなことよりも「作品」を独自の世界で伝え、歌い終わった時に、聞き手の心の中に何かをそうっと残してくれます。
本当に大尊敬する歌手「ちあきなおみ」さん。到底、彼女のような天才的なところは真似できないけれど、歌い手としての醍醐味は参考にしたいです。
それにしても、あの表現は歌い込んであそこまで出来るのか、客観性はあるのか、計算しているのか、それとも、ありのままの姿なのか・・・。謎です。