ここのところ、足の病巣のある部分に強い痛みを感じていましたが、麻薬系鎮痛剤を服用すると、歌声に影響が出るため、飲まずに我慢していました。声に影響があると言っても、日常会話には、全く問題はないのですが、「歌声」となると、そこは微妙なところです。コンサートのリハーサルだとしても、ある程度、万全な状態でやっておかなければ、安心して本番を迎えられないため、痛みを止めることよりも、声を優先することになります。
痛みで、夜も眠れないこともあったので、まいったな〜と思っていたのですが、以前、麻酔科でお医者さんをしている知人から、鎮痛作用のあるアロマオイルをもらったのを思い出し、早速、患部に塗ってマッサージをしてみました。「パナウェイ」という名前で、パナ(=ペイン)ウェイ、つまり痛みが去るという意味。
しばらくすると、すっきりとした香りにも癒やされ、痛みも次第に緩和されていきました。痛みは半減し、その夜は、久々に眠れました。それから、数日続けていますが、効果が出ています。これで、年末まで乗り切れそうです。
さて、そして、今日は、先月の治療の経過を見てもらうために、脳外科の受診をしました。塞栓術の効果はなかったようでした。頭部の転移腫瘍は、数ミリですが大きくなっているとのこと。でも、サイバーナイフ治療の効果も、これから経過を見ていかなければ判らないそうなので、今後の検査結果で一喜一憂しないようにと言われました。私もその通りだと思いました。
辛い抗がん剤の治療を続けている人に比べたら、私なんて、どうってことはないと思っていますが、やはり、頑張った結果が出ないというのは、がっくりくるものだな、と感じました。
でも、頭部の転移腫瘍を治療するにあたり、知恵と技術を駆使して全力で対応して下さった先生方や、励ましてくれた仲間のことを思い出したら、もう、充分すぎるほどの恩恵を受けているんだ、そのことを忘れちゃいけないと肝に銘じようと思ったところです。
脳外科の先生には、今日、私のCDをプレゼントしました。演奏活動のことも気にかけて下さり、いつか、コンサートも聴きたいな〜とおっしゃいました。こうやって、「人」として見てもらえることは、本当に嬉しいです。「人」として見てもらえると、患者も、お医者さんのことを、自分と同じ「人」なんだな、と受け入れられるんだと思います。
関係を築くまでには時間ががかかるのは、何も、お医者さんとだけではないと思いますが、私は、とてもいい先生方と出会えて幸せです。
まずは、今日できることをがんばろう。