様々なことがあった浪人生活、翌年私は日本大学にやっとの思いで入学した。
晴れてダフネの大学生バイト生としての人生がスタートした。
当時 学校は北習志野にあった 上北沢からの通学は1.5時間を要した。
京王線(笹塚)→都営新宿線(馬喰町)→総武快速(津田沼)→新京成(北習志野)→テクシー(大学)
遠いため津田沼の友人のアパートに泊まることも多々あった。ダフネのバイトは実験の無い日の遅番と日曜日だけになった。
友と酒を飲み、麻雀をし・・漫画雑誌を片手に歩いていた。
ある日のこと、少年ナントカいう雑誌をダフネに持っていった・・
テーブルに置いておいたとき、マスターが4階(住まい)から降りてきた、いつものように
マ:「おはよう」 我々:「おはようございます」
マ:「元気か〜今日は授業無いのか〜」我々:「はい・・ありません」「さぼりです〜」
挨拶を交わした。
すると、マスターは 黙ってマンガ本を手に持ちゴミ箱にポイ!
あわわわ〜と私・・
するとマスター語りだす
マ:「君ら学生だろ?この本”てんちゃん(違うけど)くんのかい?漫画なんて読むなよ、もっと読むものあるだろ・・」
バイト生全員 苦笑い・・
マ:「君達 ちょっと座れ・・マスターは、君らの悪口を言ってるんじゃないんだよ、説教してるんだよ、君ら学生は勉強するんだよ、特にてんちゃんくんなんか何にも知らないだろ、夜はアパート帰って缶ビールのみながら巨人がんばれ!なんてやってるんだろうに・・ひゃ〜やだね〜バカか君は」
この頃になって、やっと口をとがらせなくなってきた私に容赦のない説教だ。先にも話したが、とにかく卒業までに
「君ほどの鈍才はみたことがない、鈍才の最たる者だね〜」
と数え切れないほど言われ続けてきたのである。
慣れてくると快感にも感じることがあった・・ある種サディスティックな気持ちに酔うような感じさえしてくるのだった。
それ以来マンガ本は読んでいないだろう・・・やがててんちゃん青年の片手には川端康成が握られるようになっていった・・
それまでの私の人生は 文学とは無縁であったのに・・・
「明治神宮散策での出来事」につづく

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