東海電気鉄道青葉台営業所を経営分離する形で誕生したバス会社『青葉台交通』だが、現在では東静ホールディングス(東海電気鉄道の親会社)傘下企業となり、比較的安定した経営を続けている。
その青葉台交通でも、一時大きなトラブルに巻き込まれたことがある。
原因は、業務不履行に陥った旅行業者及び、その業者が企画した『高速ツアーバス』の運行を下請けで行った貸切バス会社の倒産でした。その貸切バス会社が倒産してしまっては、その高速ツアーバスは運行できない。代わりにバスを手配するなどの業務を行う旅行業者も倒産、業務停止。そこに残ったのは、乗車予約をして代金を支払っていた乗客でした。
予約して乗車料金を支払い、後は当日にバスに乗るだけ…そこに来ての旅行会社とバスが運行できなくなったという通知…この通知を差出人は代表管財人にとして任命された法律事務所だったのでした。かろうじて乗車予約のある顧客名簿などを確認し、通知したのであろう。
実質、問い合わせ先となったのは法律事務所の窓口であったが、乗客に対し商品…乗車料金の返金をする手続きに関しては不可能であった。
『それならば…』
法律事務所は急きょ、貸切バス運行を青葉台交通に要請し、サンライズツアー運行分のツアーバスを運行することで話をまとめることになった。
この要請で困ったのが当の青葉台交通であった。
当の青葉台交通に至っては、元々の発足経緯から貸切バスをほとんど保有しておらず(当時の保有数は大型3台)、その車両を用いて学校の送迎も行っているため、救済措置として高速ツアーバスの代理運行を行う面では、台数は足りていなかった。
そこで断れば話は終わるが、青葉台交通は運行を引き受けている。やはり、当時は東海電気鉄道の傘下企業とはいえ、中小バス会社に変わりはないこと。少なからず、乗客のために何かできることを熟考した末での答えなのかもしれない。車両数は2台、運転士は最低1台に2名ずつを乗務させるというもの。乗り切れる手段をもってこその決断ではあっただろう。

緊急措置として、副社長である藤本佐奈が個人名義で保有していた大型観光バス
いすゞスーパークルーザー(スーパーハイデッカーUFCタイプ)を急遽青葉台交通名義にして営業ナンバーを取得。この車両を一時的に用いるなどして、代理運行の業務を乗り切った。
(この車両は、現在は営業ナンバーを返却。一時抹消の上で保管されている)
普段であれば運行を請け負わない『高速ツアーバス』を一時的に請け負ったが、後にも先にも貸切バス事業は近距離の送迎及び、学校などの遠距離移動(遠足や部活の遠征など)が中心であり、不特定の参加者が集う形のツアーを、グループ外の他社から請け負う形では行ってはいない。
『無理をせず、安全第一』をスローガンに、さわやかな青いラインをまとったバスは走っている。
(…よくわからないまとめ記事になりました)

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