2005/1/30
一月のはじめにスウェーデン南部で嵐があって電線が倒れた木で寸断され大規模な停電が起こったが、実はまだ電気が通っていない世帯がたくさんあるのだそうだ。3週間以上たっているのに。
もちろん、停電の地域は森林地帯なので人々はあらかたみんな薪による暖房施設のある家に住んでいるし、軍や電力会社によってストーブや電池などの支給を受けているから、何とか生活はできるようだ。それにしても、日本人がこんなに待てるだろうか。
スウェーデンには"「悪い天気」というものはない。あるのは「悪い服装」だ。"という格言みたいなものがある。つまり、寒いとか雨だとか嘆いてもしかたがないのだから、人間のほうが着る物でもって対処すればいいのだ、ということらしい。まさか電力会社の人がそう思っているわけではないことを祈るが…

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2005/1/29
心配していた通り、今週は気温が下がって零下6、7度の日が続いた。田舎に行ったら雪がしっかりつもっており、セージとラベンダーが寒さで枯れ始めていた。スノードロップはかろうじて生きているもよう。
ぼうぼうに生えた雑草も氷がついて何やらきれいに見える。

鳥や猫だけではなく鹿やウサギの足跡もいっぱい残っている。これは鹿。


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2005/1/28
移民のためのスウェーデン語学校に通っていた時、カティちゃんというボリビア人の同級生がいた。クラスで一番若く、純真で愛くるしい彼女はみんなの人気者。
ある日、先生が「スウェーデンで一番おいしい食べ物は何だと思う?」とカティに質問した。
彼女は巨大な目をキラキラさせて「ケバブ!!」と答えた。
「ミートボール」とか「にしんの酢漬」という答えを期待していた先生はちょっと詰まって、「えーと、そうじゃなくて、ほかにないかな?」
すると彼女はますます目を輝かせて「ファラフェル!!」と答えた。勿論彼女は大真面目でケバブやファラフェルがスウェーデン料理だと信じていたのだ。それぐらいこの町にはケバブやファラフェルの屋台が多い。
一般的に言うとケバブは羊や牛肉をスパイスにつけて焼いたものを薄くそいだもの(本当はもっといろいろ種類があるらしい)、ファラフェルはひよこ豆をふやかしてつぶし、スパイスで風味をつけて揚げたもの。
スウェーデンではケバブもファラフェルもレタスやトマト、玉ねぎ、唐辛子、イタリアンパセリなどと一緒に薄くてひらひらしたパンに包まれて出される。それにゴマやにんにく入りソースをかけて食べる。味付けや添えられるピクルスの類は店によって違う。

ぴりっと辛くて野菜がたくさんで栄養のバランスもよく、しかも安くておいしい。これは近所で買ってきたファラフェルとトルコのヨーグルトドリンクのセット、しめて15kr (225円)。


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2005/1/27
アウシュビッツ解放60年を迎え、きのうからホロコースト関係の特別番組が何時間もテレビで流されている。
そのうちの一つはアウシュビッツでドイツ将校の命令で作られたオーケストラに参加していたユダヤ人音楽家たちのドキュメンタリーとコンサートだった。そういえば大昔にルルーシュ監督の映画(ジョルジュ・ドンがボレロを踊る)で、バイオリニストの妻がガス室に向かう夫を見ながらバイオリンを弾くシーンがあったが、本当にそういうオーケストラがあったのだ。

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2005/1/23
「モハメッドのタクシー」、今回は少し面白かった。
デンマークでヌードモデルをしているレバノン生まれの女性へのインタビュー。「どうしてこういう仕事を?」「脱ぐのが好きだから。15歳のときからこの世界で働いているのよ。」
彼女はイスラム原理主義者の嫌がらせをさんざん受けている。あの扇情的なポーズではフェミニストの受けも良くないだろう。
それから、イスラムのショールが厳しく禁止されているフランスの学校で最後までショールや帽子で抵抗し、ついには丸坊主になった女の子へのインタビュー。「私はフランスの法律もイスラムも大切に思っているけど強制されるのが嫌なんです。」
彼女の母親(ショールあり)「もういいからショールをとって学校に行きなさい、と言ったのだけれどあの子は頑として聞きませんでした。」父親「私達クルド人は長い間抑圧されてきました。だから私が自分の子供にショールをしろとかするなとか強制したくはないんです。」

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2005/1/22
久しぶりに田舎の家に行く。
ふと見ると落ち葉の間からスノードロップがのぞいているのを発見。見るとつぼみまでついている!でもちょっと早すぎるような気がする。今年は暖冬だったから春が来たと誤解して出てきてしまったのではないだろうか。これまでの経験からすると2月に突然寒くなることがあるから油断してはいけないのに。この子たちのさきゆきが心配になる。

タイム、セージ、オレガノ、イソップ、ラベンダーは葉が枯れることもなく生き残っている。やはり今年は暖冬だ。
これが「修復には一生かかる」とみんなに言われているわが家。映っている二つの影は垂れ下がるタイプの白樺。

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2005/1/19
干しイモなんていったい何年ぶりだろう。
持つべきものは毎年干しイモを作るおばあさんがいる心優しい同僚!
(テネリファ島日記をひとつ追加しました。1月5日)

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2005/1/16
テレビで「モハメッドのタクシー」どいうドキュメンタリーを見る。
スウェーデンはじめ数カ国で暮らす移民にインタビューしたもので、もう語り尽くされた雇用差別の問題(外国風の名前を見ただけで履歴書をゴミ箱行きにする人がいるから改名したり、職に有利と信じて鼻を整形したりとか)がテーマだったからあまり面白くなかった。
でも、ひとつ驚いたことがあった。それはロンドンに住んで10年ほどになるバングラデシュ出身の夫婦のインタビューで、彼らははじめスウェーデンに移住して懸命に仕事を探したが全くみつからなかったのでイギリスで求職、(職種はわからないが)案外すんなりとマネージャーの仕事を得た。これはとてもよく聞く話なので「そうかあ。よかったね。」と思いながら見ていたら、二人は「イギリスに来て自分の能力を認められた仕事を得て本当によかった。でも仕事さえあればスウェーデンに戻りたい」と続けた。
「えっ??」
バカなことに、インタビュアーはその理由を訊かなかった。
この国の悪口を言う在住外国人は腐るほどいるけれど、誉める人は少ない。だから二人が戻りたいと言う理由をぜひ聞きたかった。

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2005/1/15
友人のGunilaの展覧会のオープニングに行く。
彼女はここのところ花をモチーフにした絵やコラージュを作っていて、今回は会場に絵だけではなくて本物の花を持ちこむことにしたという話をきいていた。彼女が選んだのは森で春の訪れをつげる花スノードロップ。クリスマスがらみのアマリリスとポインセチアの赤づくしにちょっと疲れてきたころなので白くて可憐なスノードロップを飾るのはとてもいいアイディアだ。ところが、森の雰囲気を出すために園芸用のバルクチップを会場の床にしきつめたところ、会場の関係者から「これは臭い」という文句が出てしまった。彼女は除湿機をかけて対処したがまだ「何だこのにおいは!」という人がいたとかで、そのいきさつが今日の朝刊にのっていた。
街のどまんなかのビルにある会場に入ると…「ああこれは木のにおいだ」と私はすぐにわかった。いってみればヒノキのおふろの匂いを粗野ににした感じ。決して嫌なにおいではない。でもスウェーデン人は会場に入ると「ん?この匂いは何だろう?」と不審な表情になるひとが多いのだ。あんなに森歩きが好きな人たちがどうしてこのにおいを認識できないのだろう???
窓辺に飾られたスノードロップ

この写真ではわからないけれど、実はほそい線で花がたくさん描かれている。

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