2007/7/30
(翌日の新聞の画像を追加しました)
ふと気がつくと7月もおしまい...
スウェーデンでは学校が8月に始まるので子供のいる人は7月にどかっと休みをとることが多い。7月に操業を停止する工場とか「8月に会いましょう」という張り紙を残して閉めてしまう店もある。お役所は開いているけれど人が少ないし仕事をやる気がないので業務はかなり滞る。この時期にスウェーデンとやりとりをしている人たちが「どうなってるんだこの国はっ!」と癇癪を起してしまうのもわかる。テレビも再放送だらけになり、新聞のテレビ欄を見ると再放送を意味する(R)印がついている番組がほとんどになってしまう。おかげで私の好きな園芸の番組とか「キッチン・ナイトメア」の再放送が見られたりしていいこともあるけれど「今テレビ局からっぽなんじゃないの?」と疑っていた。
ところが今日の午後になったら新聞のテレビ欄にはなかった生放送が入りだした。映画監督として有名なイングマール・ベルイマン死去のニュースで急きょベルイマン監督関連の特別インタビューや特集番組が再放送にとってかわったのだ。このニュースでものすごく驚いた人はいないだろう。もうお年だったし、三年前(だったっけ?)に「ベルイマン監督最後の映画」として「サラバンド」がテレビで発表された頃から「あの監督はもう「身辺整理」をしているのでは?」と思っていた人は私だけではないだろうと思う。
7月31日の朝刊。

今夜は差し替えで「野いちご(1957年)」を放送すると発表されたので、私はこの映画を見ることにした。前にも書いたようにこの映画の原題は「Smultronstället 野いちごの場所=お気に入りの場所、という意味」という。
この映画は大昔に日本で見たことがあるのだが、主人公が見た恐い夢や辛い思い出の部分だけが断片的に頭に残っていてあまりいい印象を持っていなかった。ほかにもバーグマンの大ファンだった母に連れられて「秋のソナタ」を見たり(それでバーグマンとベルイマンは実は同じ苗字だということを知った)、ベルイマン大好きの友達に連れられて「ある結婚の風景」や「叫びとささやき」を観たりしたのだが、当時の私にとってベルイマンの映画もスウェーデンも「遥か遠くの遠くの冷たい光の世界」だった。
そういうわけなので、まさか自分が「野いちご」に出てくるルンドの大聖堂の近くを毎日通って通勤することになるとは夢にも思っていなかったし「ふーん、野いちごっていういちごがあるんだー」などと思っていた。その野いちごや大聖堂が身近なものになった今、それが登場する場面を見てみるのは面白いかも、と思って見始めた。
見始めたら自分がまったく覚えていなかった登場人物が次々とあらわれて場面がテンポよく展開し、昔「しんきくさい映画だ」と思ったのがウソのように「野いちご」に引き込まれてしまった。どうして暗くて辛い場面だけが印象に残っていたのだろう??あとほかに今回気がついたことは、車が左車線を走っていたことだ。スウェーデンが左側通行から右側通行に変わったのは1967年。(うちの地下室で発見した「9月3日から右側通行!」というポスターの写真を今度載せます。)
これがうちのトラ猫の「野いちごの場所」(去年撮影したもの)

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2007/7/20
(注 なめくじ関連記事です。)
もはやスペインなめくじはガーデナーの悩みというレベルではなくなって国の農業を脅かす大問題となり、毎日のように新聞やテレビでなめくじの話題がとりあげられている。隣国デンマークでも同様らしい。
先週だったか、新聞が「どうやってなめくじを駆除するか」というテーマで読者に投稿を募ったところ、こういう投書があった。
「なめくじは自分で生まれたくてなめくじに生まれたわけではない。少しはなめくじに対してレスペクトを持ったらどうか。」
言いたいことはわかるが、初めて育てたコールラビをなめくじに食べられて激怒している私にそんな理屈を言っても駄目だ。
そのほか、「一番なめくじが苦しまない殺し方はこうこうだ」と言う議論をこの一ヶ月で何度も聞いたが、私はスウェーデン人というか、欧米人のこういうところ(あまり疑問なく「人道的に」と「殺す」が共存できること)があまりよくわからない。
一方テキストTVでは3万匹のなめくじを殺したという女性の話が載っていた。(私ではありません。)
そして...今朝の新聞記事はなめくじ料理の紹介。

ちゃんとレシピがついているので簡単に説明すると、
1、塩でなめくじのぬめりをしつこく取り(もうこれだけで気持ち悪いです)水にさらし、水を何度か取り替えた後煮る。玉ねぎ、にんじん、ハーブを加えて一時間煮て内臓を除き細かく刻む。
2、桃に唐辛子粉とブラウンシュガーと塩をふり、バター少量をのせてオーブンで15分焼く。
3、ベーコンと玉ねぎとにんにく、唐辛子をなめくじと共に炒めてあぶったパンに載せ、桃を載せてできあがり。
所要時間...4時間。(なめくじをつかまえるところから計って)
このレシピを作った人はマルメの有名なレストランの経営者で、自分の菜園がなめくじに占領、ハーブを全滅にされたため食べてしまう方法を考案した由。かたつむりが食べられるのだからなめくじだって同様なのかもしれないけれど...この人の店にはもう行きたくない。

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2007/7/17
イナカに着いて畑を見回してもなめくじは見当たらなかった。
そら豆はこの一週間でずいぶん背が伸びていた。下のほうの葉が食べられてなくなっていたが上のほうは無事だった。
もしかして、なめくじって高所恐怖症なのだろうか。それとも単に上まで登っていく根性がないのかもしれない。
そら豆と共に今年種をまいてみた新しい野菜はコールラビ。私はベトナムで初めて見たので中国あたりが原産の野菜なのかと思い込んでいたが、どうやらフランス人がインドシナに持ち込んで定着したらしい。根元にできたコブみたいなものを収穫して食べる。「そろそろ結球しているかも」と思ってみてみたら...

あっ

中身がキレイにくりぬかれたように食べられていて代わりに水がたまっていた...結球した4株がみんな。
その後、畑の溝に忍んでいたなめくじの一団(合わせて20匹ぐらい)を発見し殺戮。コールラビをかえせっ(だれかたすけて〜)

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